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年収1,200万円・大手企業勤務の50代男性→「もらう年金も多い」と思いきや…10年後、年金事務所で告げられた“想定外の事実”

  • 2026.10.4
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。FPの柴田です。

「現役時代の年収が倍なのだから、老後にもらえる厚生年金の額も倍になるはずだ」

そう思い込んで老後の生活設計を立ててはいませんか?実は、公的年金の世界は現役時代の給与に比例してどこまでも給付額が増える仕組みにはなっていないのです。

今回は、年収1,200万円だった元部長の事例から年金制度の現実をお伝えします。

「老後の設計図」は自信満々だった

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出典元:PIXTA(※画像はイメージです)

Aさんは大手企業で部長まで務め、50歳での年収は約1,200万円。給与明細から天引きされる保険料の額もなかなかのものでした。

「同期より、ずっと多く厚生年金の保険料を払ってきた。当然、もらう年金も多いはずだ」と、退職後の生活設計はかなり強気でした(趣味のゴルフは月4回、年に6回は夫婦で旅行する計画でした)。

異変が発覚したのは、10年後の年金受給が始まって最初の同期会でした。年収がAさんの6割ほどだったはずの同期と、ひょんなことから受給額の話に。すると相手の口から出た金額が、自分とほとんど変わらなかったのです。

計算間違いを疑い、翌週には年金事務所の窓口にも足を運びました。しかし、職員さんからは「計算は正しいですね。厚生年金には上限がありますので」との返答。間違っていたのは通知ではなく、Aさんの「思い込み」だったのです。

年金には「これ以上は反映しません」という天井がある

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

厚生年金の保険料と将来の年金額は、「標準報酬月額」という月収のランク表をもとに計算されます。

ここに重要なポイントがあります。このランク表には上限があり、現在は月65万円。つまり、月収が65万円の人も100万円の人も、制度の上では「同じランク」として扱われるのです。ボーナスにも1回あたり150万円という上限があります。

Aさんの年収1,200万円のうち、上限を超えた部分は保険料の計算にも、将来の年金額にも反映されていませんでした。それにより、上限近辺の収入だった同期と受給額がほぼ同じ。「年収が倍なら年金も倍」ではなく、「一定ラインから上は、みんな横並び」が厚生年金なのです。

公的年金は「老後の生活の土台」を支える社会保険としての設計思想に基づいています。そのため、現役時代の報酬額に比例して受給額が増える「報酬比例」の仕組みをとりつつも、保険料負担と受給額の双方に一定の「上限」が設けられています。これは、高収入層の負担と給付のバランスを管理すると同時に、社会全体で老後の生活を支え合う「所得再分配」の機能を内包した仕組みとなっています。

受給額の現実を把握し、ねんきん定期便でリアルな老後設計を

厚生年金は所得再分配や給与バランスの管理から、標準報酬月額(月65万円)や賞与額に上限が設けられており、上限を超えた報酬分は将来の年金額に反映されません。

そのため高収入層ほど現役時代の生活水準と実際の年金受給額との間に大きなギャップが生じやすく、思い込みで高括りな老後計画を立てると生活の破綻を招くリスクがあります。事前に「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で正確な見込額を確認することが不可欠です。

早い段階でリアルな試算を行い、iDeCoや私的年金などを組み合わせた現実的な老後資金の準備を進めていきましょう。


参考:○令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(日本年金機構)

執筆・監修:柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,200記事以上の執筆実績あり。

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