1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. 「払い続けられない…」720万払った保険を解約しようとした60代男性→FPに教わった“意外な選択肢”に「そんな方法があったのか」

「払い続けられない…」720万払った保険を解約しようとした60代男性→FPに教わった“意外な選択肢”に「そんな方法があったのか」

  • 2026.10.5
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

退職後、毎月の生命保険料を見て「このまま払い続けられない」と感じていませんか。

月2万円なら年間24万円。今後5年間だけでも120万円です。現役時代には気にならなかった金額でも、収入が減ると大きな負担になる場合があります。

ただ、保険料の支払いが厳しくなったからといって、すぐに解約するしかないとは限りません。契約によっては、今後の保険料を払わず、保障を小さくして残す「払済保険」という方法があります。

30年間、月2万円ほどの終身保険を続けてきた63歳のNさんも、退職後に解約を考えていました。Nさんには、どんなことがあったのでしょうか。

「30年で約720万円」退職後に重くなった月2万円

63歳のNさんは、33歳のときに終身保険へ加入しました。

死亡保障は約800万円。入院すると1日5,000円を受け取れる医療特約も付いています。保険料は月約2万円で、終身にわたって払い続ける契約でした。

30年間に支払った保険料は、単純計算すると約720万円です。

加入した当時は子どももまだ小さく、「もし自分に何かあったとき、家族にお金を残したい」と考えていました。そのため、月2万円の保険料も必要な支出として払い続けてきました。

ところが60歳で定年を迎えると、家計の状況が変わります。

再雇用後は、手取り収入が月約32万円から22万円ほどに減少しました。住宅ローンはすでに完済していましたが、食費や光熱費、税金、車の維持費などはかかります。老後資金をできるだけ減らしたくないという気持ちも強くなりました。

63歳になったNさんが家計を見直したとき、気になったのが毎月2万円の生命保険料でした。

「今まで30年も払ってきたから、このまま続けた方がいいのかな」そう思う一方、この先5年間だけでも約120万円かかります。その後も保険料の支払いは続きます。

子どもはすでに独立し、住宅ローンもありません。以前と同じ死亡保障が本当に必要なのか、Nさん自身も迷っていました。「老後のお金を減らしてまで続けるなら、解約した方がいいのでは」そう考え、FPへ相談しました。

「解約しなくてもいい?」そこで知った払済保険

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

相談のなかでNさんが知ったのが「払済保険」です。簡単にいうと、これからの保険料を払わない代わりに、保険期間はそのままで保障額を小さくして契約を残す方法です。

Nさんが保険会社に払済へ変更した場合の保障額を確認したところ、約800万円あった死亡保障は、500万円前後まで下がるという試算でした。

死亡保障は減りますが、その後は月約2万円の保険料を原則として払う必要がなくなります。

Nさんは、それまで「月2万円を払い続けるか、全部解約するか」の二択だと思っていました。しかし、保険料の支払いを止めながら、死亡保障をある程度残す方法もあったのです。

「そんな方法があったのか!」Nさんはとても驚いた様子でした。

※なお、払済へ変更した後に残る保障額は、その時点の解約返戻金や契約内容などによって異なります。

保険料が0円でも、今の保障が全部残るわけではない

払済保険には注意点もあります。まず、死亡保障は小さくなります。また、医療特約など、主契約に付けていた特約は原則としてなくなります。

Nさんの場合も、死亡保障を500万円前後残せたとしても、「入院1日5,000円」の医療特約まで残るとは限りません。そのため、「月2万円を払わなくて済む」という部分だけで判断するのは避けたいところです。

変更する前に、「死亡保障はいくら残るのか」「医療特約はどうなるのか」「解約するといくら受け取れるのか」を確認しておきましょう。

また、解約返戻金が少ない場合や、保険の種類によっては払済へ変更できない場合もあります。

FP視点では「これから払う金額」を比べたい

保険料が負担になったとき、最初から解約だけに決めず、いくつかの選択肢を数字で比べてみましょう。

Nさんの場合、このまま月2万円を払い続ければ、今後5年間だけでも約120万円です。解約すれば今後の保険料はかかりませんが、死亡保障もなくなります。一方、払済なら、保障額は減るものの、保険料を払わずに契約を残せる場合があります。

ほかにも、死亡保障を減らして保険料を下げたり、不要になった特約だけを外したりする方法があります。33歳で加入したときと63歳の現在では、家族の状況も必要な保障額も変わっているかもしれません。

毎月の保険料が重いと感じたら、すぐに解約を決めるのではなく、「これからいくら払うのか」「今はいくらの保障が必要なのか」を確認してみてください。そのうえで、継続・解約・払済などを比べることが、老後の保険を見直すポイントです。


※プライバシー保護のため、相談者の個人情報や一部の金額・設定を変更しています。

執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、マネーシップス代表。累計1,200件以上の相談対応に加え、金融記事の制作・校正・監修の対応を行っています。専門は「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」。資産運用やライフプラン設計では、分散投資の考え方と人の心理を踏まえた行動設計をもとにサポートしています。
保有資格:証券外務員一種、2級FP技能士、AFP、NISA取引アドバイザー、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、金融リテラシー検定

の記事をもっとみる

注目コンテンツ