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母の死後、妹に実家を相続してもらった50代姉→2年後、久しぶりに訪ねたところ…目にした“異様な光景”に「どういうこと…」

  • 2026.10.4
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

元金融機関OLでFPのかきまりです。

今回は、母の生前に母のお世話を妹夫婦に任せっきりにしていたSさん(50代女性)のお話です。

「母の通帳の履歴を、10年分見せてもらいたいんです」

Sさんは、母親が亡くなって2年がたったある日、母の口座があった銀行を訪れました。母の相続手続きはすでに終わっており、預金も家も土地も、すべて妹が相続しています。

それなのに、なぜ今になって、母の預金の履歴を確認したいと思ったのでしょうか。きっかけは、三回忌で久しぶりに訪れた実家でした。

「母の年金だけでは生活できない」妹の言葉をそのまま信じていた

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

父親が亡くなったあと、妹夫婦は母と同居し、母の世話をしていました。

遠方に住んでいたSさんは、年に数回帰省して母に会う程度。妹夫婦が母のそばにいてくれることを、ありがたいと思っていました。母が亡くなり、相続手続きのため久しぶりに実家を訪れたとき、母の預金通帳が3冊出てきました。

しかし、残高を合わせても100万円ほど。

「お母さんの年金だけじゃ生活できなかったからね」

妹からそう言われ、Sさんは特に疑問を持ちませんでした。妹夫婦は、これまで母の世話をしてくれていたから、きっと生活費など金銭面も負担してくれていたのだろう。

そう考えて、

「今まで結構な額を負担してくれていたんだね。お母さんのお世話ありがとう」

という気持ちで、預金はすべて妹に相続してもらうことにしました。

土地と家も、母と同居していた妹に全て譲りました。当時は、それでいいと思っていたのです。ところが2年後、Sさんは「あのとき、妹の言葉をそのまま信じてしまった」と後悔することになります。

相続から2年後、久しぶりに見た実家に感じた違和感

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

母の三回忌を迎え、Sさんは妹に「実家にあがってもいい?」と連絡しました。

もともとはお寺に直接集合する予定でしたが、せっかくなので仏壇にも手を合わせたいと思ったのです。そして久しぶりに訪れた実家を見て、Sさんは驚きました。

「え!?」

家が大きくリフォームされていたのです。確かに家も土地も妹が相続したもの。だから、妹がどう使おうと自由なのかもしれません。それでも、何の相談もなくリフォームされていたことに戸惑いました。さらに、車も以前とは違う高級な外車になっていました。

「急にどういうこと…?」

妹夫婦の収入事情を詳しく知っているわけではありません。

母のための費用を負担しながら、子どもを育てて生活していたはず。母は死亡保険にも加入していませんでした。もちろん、リフォームや車だけで何か問題があったと決めつけることはできません。それでも、Sさんの頭には、ある疑問が浮かびました。

「もしかして、母のお金って…?」

「お母さんの通帳、まだある?」妹から返ってきた答え

三回忌を終えた後も、Sさんの中から疑念は消えませんでした。そこで、思い切って妹に聞いてみました。

「ねえ、お母さんの通帳って、まだあるの?」

妹から返ってきた答えは、

「え?そんなのもう解約したから捨てたよ」

その言葉を聞いて、Sさんはますます母が亡くなる前のお金の動きを知りたくなりました。

母の預金は、本当に母の生活のために使われていたのか。
母自身の意思で妹夫婦にお金を渡していたのか。
それとも、自分が知らないところで何かがあったのか。

嫌な想像が膨らみ、Sさんは母の口座があった銀行へ一人で向かうことにしました。

「相続手続きは済んでいるんですけど」銀行で10年分の履歴を依頼

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

銀行の窓口で、Sさんはこう伝えました。

「2年前、この時期に母の相続手続きをしたんです。母の口座の履歴を見たいんですけど」

Sさんが確認したかったのは、母が亡くなる直前だけではありません。父親が亡くなってから、母と妹夫婦が一緒に暮らしていた約10年間。その間に、母の口座からいつ、いくらのお金が動いていたのかを確認したかったのです。

ところが、銀行から案内されたのは、Sさんが思っていたものとは違うものでした。今回、Sさんはすでに相続手続きを終えており、母の預金は妹が相続しています。そのため、この金融機関では、相続後に取引履歴を開示する場合、預金を相続した妹の同意が必要という扱いでした。

「え…。私も母の相続人だったのに?」

Sさんは思わず聞き返しました。

ただし、相続人が取引履歴を確認できないとは言い切れません。被相続人の預金について、共同相続人の一人が単独で取引履歴の開示を求めることが認められた最高裁判例もあります。そのため、「相続人であれば、相続後は一切取引履歴を確認できない」というわけではありません。

一方で、相続手続きがすでに完了している場合などは、遺産分割前の共同相続人とは事情が異なることがあります。

今回のSさんの場合、すでに母の預金を妹が相続していたため、この金融機関では、10年分の取引履歴を開示するには、預金を相続した妹の同意が必要という案内でした。

つまり、相続人だから絶対に履歴を確認できないということではなく、相続の状況や金融機関の取り扱いによって、開示の可否や手続きが異なるということです。

Sさんには、弁護士に相談して、開示を求める方法を検討するという選択肢もありました。

もし使い込みがあったとして…Sさんが考えたこと

一度は、「そこまでしてでも、調べたほうがいいんじゃないか」と悩みました。

もし、本当に母のお金が妹夫婦のために使われていたのだとしたら。
もし、母が知らないところで預金が動かされていたのだとしたら。

知らないままにしておいていいのだろうか。

そんな思いが頭をよぎりました。しかし、Sさんはそこで立ち止まりました。

「もし、仮に使い込みがあったとして、、、私は、どうしてほしいんだろう」

取引履歴を10年分取り寄せれば、お金がいつ、どこへ動いたのかは分かるかもしれません。けれど、それだけでは分からないこともあります。

そのお金を母が自分の意思で渡していたのか。
妹夫婦に生活を助けてもらうために使っていたのか。
母自身が納得していたのか。

取引履歴だけでは、母の気持ちまでは分かりません。毎年少しずつ、母自身の意思で妹夫婦にお金を渡していた可能性だってあります。そう考えると、「もしも」という気持ちは消えません。でも、もし何かが分かったとして、その先にあるのは妹との争いかもしれません。

「それって、本当に母が望んでいたことなのかな」

Sさんは、そう考えるようになりました。

「あのとき、ちゃんと確認しておけばよかった」

結局、Sさんは弁護士に相談してまで取引履歴の開示を求めることはしませんでした。疑念が完全になくなったわけではありません。

「本当はどうだったんだろう」

その気持ちは、これからも残るかもしれません。それでもSさんは、こう話します。

「今回は、母の相続手続き時にきちんと確認しなかった自分が悪かったと思っています」

母が亡くなったとき、妹がこれまで母の世話をしてくれていたことへの感謝がありました。だから、預金も家も土地も妹に相続してもらった。母の生活を妹に任せきりにしていたのも事実です。

母の生前に、生活について不自由が無いかなどの確認をしてこなかったのも今となっては後悔しています。だからこそ、今になって疑い始めても、簡単に答えを出せることではありませんでした。

相続のときには、家族だからとすべてを任せてしまうのではなく、必要な財産の内容を確認しておく。「あとで確認すればいい」と思っていても、相続手続きが終わったあとでは、同じように確認できるとは限りません。

今回のSさんのように、あとになって「あのとき、ちゃんと見ておけばよかった」と思うことがないように。相続する財産だけでなく、必要であれば、その財産がどのように管理されてきたのかを確認しておくことも、大切なのかもしれません。


執筆:かきまり|元金融OL・現役FP

金融機関で14年間勤務した後、Webライターに転身。銀行業務、保険業務では、預金や資産運用、保険商品の提案をはじめ、相続対策や資産形成、ライフプランに関するアドバイスなど、多くのお客様の相談に携わってきた。専門的な内容も読者目線でかみ砕いて伝え、「読んで終わり」ではなく、実際の行動につながる実用的なコンテンツを目指している。FP2級/AFP資格保有。

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