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「社会保険に入ることになる…」大学生娘にシフトを減らさせた50代母→数日後、発覚した想定外の事実に“言葉を失ったワケ”

  • 2026.10.3
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、大学生の娘さんのアルバイトについて悩んだ50代のAさんの体験談です。

「10月から、娘も社会保険に入ることになる」

そう思っていたAさんでしたが、学生は原則として対象外だと知ります。アルバイトをする子を持つ家庭が、本当に気をつけたい金額をご紹介します。

ニュースを見て、娘にシフトを減らさせた

Aさん(50代)の長女は、大学2年生です。飲食チェーンで週3日、1日8時間のアルバイトをしています。

時給は1,100円。月におよそ104時間働き、月収は11万4,400円ほどでした。

ある日、Aさんはテレビのニュースを見ました。10月から「106万円の壁」がなくなり、社会保険に入る人が増えるという内容です。

「毎月11万円ももらっていたら、うちの子も社会保険に入ることになるわ」

Aさんは娘に、シフトを週2日に減らすよう伝えました。娘は納得しないまま、9月の終わりから週18時間の勤務に変えました。

月収はおよそ8万5,800円になります。年に直すと、34万円ほど減る計算です。

「学生さんは、原則として対象になりません」

数日後、Aさんはアルバイト先から届いた書類のことで、店舗に問い合わせました。対応した担当者は、こう説明しました。

「パート・アルバイトとして社会保険に入る仕組みでは、学生さんは原則として対象になりません」

担当者は、要件を一つずつ挙げてくれました。パート・アルバイトの人が社会保険に入るのは、次の4つをすべて満たしたときです。

  • 1週間の決められた働く時間が20時間以上であること
  • 決まって支払われる賃金が月8万8,000円以上であること
  • 2か月を超えて働く見込みがあること
  • 学生ではないこと

4つのうち1つでも満たさなければ、加入にはなりません。娘さんは大学に通っているため、4つ目で社会保険加入対象から外れます。ほかの3つを満たしていても、対象にはなりませんでした。

「10月に変わるのは、2つ目の賃金の要件です。この要件がなくなる予定ですが、学生が対象外であることは変わりません」

Aさんは言葉を失いました。

「では、シフトを減らした意味は……」

今回、娘がシフトを減らした意味はなかったことになります。

ただし、この4つのほかにも見るところがあります。

  • 勤め先の規模:厚生年金保険に入っている従業員が51人以上の会社などが対象です。2027年10月からは36人以上に広がる予定です
  • 働く時間が長い場合:1週間の働く時間と1か月の働く日数が、正社員のおおむね4分の3以上になると、上の4つや会社の規模に関係なく加入します。この場合は学生も対象です
  • 学生でも対象になる人:休学中の人、夜間の学部や通信制の学生など

気をつけるべきだったのは、150万円の方だった

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

社会保険に入るかどうかとは別に、もう一つ見ておく数字があります。親の健康保険の扶養に入っていられるかどうかの基準です。

担当者は、続けてこう話しました。

「気にしていただきたいのは、お子さまがお母さまの健康保険の扶養に入っていられるかどうかです」

19歳以上23歳未満の子どもの場合、扶養に入れる年間収入の要件は、原則として150万円未満です。2025年10月から、130万円未満より引き上げられました。年齢はその年の12月31日時点で数え、学生かどうかは問いません。

金額だけで決まるわけではありません。親の扶養で見るところは、次の3つです。

  • 年収:19歳以上23歳未満は150万円未満(2025年10月から。この年齢以外は原則130万円未満)
  • 親との関係:同居なら子の収入が親の収入の半分未満、別居なら親からの仕送りより少ないこと
  • 子ども自身の加入:勤務先の社会保険に入ると、その時点で親の扶養から外れます

Aさんは電卓を取り出しました。

10月から、娘の勤務先の時給は1,180円に上がります。シフトを減らす前の月104時間で計算すると、月収は12万2,720円。年に直すと147万円ほどです。

「150万円まで、あと3万円しかありません」

年収は、これまでの実績ではなく、これから1年間の見込み額で判断されます。時給が上がった後の金額で見ると、扶養の基準が目の前に迫っていました。

年末までの見込みを、親子で書き出す

扶養から外れると、娘は自分で国民健康保険などに加入し、保険料を払うことになります。

一方、税金の面では基準が違います。2026年分は、娘の給与収入が159万円以下であれば、Aさんが受けられる控除額は変わりません。健康保険の150万円とは別の基準です。

「同じ『扶養』でも、数字が違うのですね」

Aさんは、健康保険と税金は別々の基準であることを知りました。

なお、社会保険に入ること自体は、悪いことばかりではありません。保険料は給与から引かれて手取りは減りますが、将来受け取る厚生年金が増え、病気やけがで働けないときの保障も加わります。

Aさんは娘と話し合い、10月以降のシフトを週22時間に戻しました。改定後の時給で計算し、年収の見込みを135万円ほどに収める形です。

大切なのは、時給・1か月の勤務時間・年収の見込みを書き出して、家族で確かめることです。時給が上がる10月は、その見直しに向いています。

ニュースの見出しだけで判断する前に、一度お子さんと数字を確認してみてください。


執筆・監修:中川 佳人

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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