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彼女のあいさつに3時間かけて返した俺が、記念日に本文なしでスクショだけ送った理由

  • 2026.9.26
ハウコレ

既読はすぐについたのに、返事は来ませんでした。客先を回る合間に返信欄を開いては閉じるうちに、うまく書こうとするのを俺はやめたのです。

保存フォルダの一番下にある画像を、俺は今年も長押ししていました。

3年前、この画面に3時間かかった

付き合って3年になる彼女とは、共通の友人の集まりで知り合いました。連絡先を交換した日、先に送ってきたのは彼女でした。「初めまして。今日はありがとうございました。またみんなで集まれたら嬉しいです」。この短い文面に、俺は3時間かけて返しました。文章が苦手で、砕けすぎても堅すぎてもだめな気がして、打っては消してを繰り返した末に送ったのは、彼女とほぼ同じ定型のあいさつです。それでも返事が来て、次の約束につながりました。その画面を、俺は撮って残しています。記念日が近づくたびに開く、俺だけの起点でした。

文章を諦めて、画像だけを送った

今年の記念日は、前日から下書きを作っていました。3年分の感謝を書こうとして、何を書いても3年前の文面に負ける気がして、結局、全部消しました。当日の昼休み、営業車の中で画面を開いたまま、時間だけが過ぎていきました。店は今年も彼女が予約してくれています。俺は言葉すら用意できていませんでした。焦って、下書きの代わりに、保存していた画像を送りました。説明は付けませんでした。見れば分かる、と思ったのは半分で、残りの半分は、下手な文章を添えて台無しにするのが怖かったからです。既読はすぐにつきました。返信はありませんでした。彼女が今どんな顔でこの画面を見ているのか、俺には想像することしかできませんでした。

3度目に開いた返信欄で、ようやく打てた文面

客先を回る合間に、返信欄を開いては閉じました。画像の下に自分の吹き出しが並ばないまま、彼女の画面でも同じ空白が続いているのだろうと思うと、それでも打ち切れませんでした。3度目に開いたとき、うまく書こうとするのをやめました。「3年前、これに返すのに3時間かかった。今年も同じくらいかかってる」。送った時刻は、画像を送ってから3時間近く経っていました。返事は、それまでの空白が嘘のように早く届きました。「わかった。3年前も、それで待たせてたんだね。続きはお店で聞かせて」。3年前、俺が3時間悩んでいる間、彼女が画面を何度確かめていたのかを、俺はその時まで考えたことがありませんでした。

そして...

店の前で待っていてくれた彼女に、俺は席に着く前に、3年前に打っては消した文面の話をしました。何を書いても彼女の文面に負ける気がした、と正直に言うと、彼女はうなずいて、先に店の扉を開けました。送る言葉を3年前の画面と比べるのは、もうやめました。返信は一度読み返したら送る、と今は決めています。

(20代男性・営業職)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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