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記念日の前夜、彼女のメッセージを未読のままにした俺。「ごめん寝てた」では言えなかったこと

  • 2026.10.16
ハウコレ

着信に出てもらえないまま、画面に向かって文章を打ち続けました。送るのを先延ばしにしていた一言が、彼女を一晩待たせていたことに、俺はそこで気づきました。

枕元でスマホが振動して、目を覚ましました。ロック画面に並んでいたのは、先輩からの「交代OK」と、彼女からの未読のメッセージが2件。その順番を見て、自分が何を後回しにしたまま眠ったのかを思い出しました。

休みが決まるまで言わずにいたこと

彼女と付き合って1年の記念日は、もともと出勤の予定でした。飲食店のシフトは直前まで動くので、1週間前に「記念日、仕事かも。ごめん」とだけ送ってありました。

本当は、休みをもらえないか先輩に頼んでいました。代わりに前後の出勤を引き受けて、連勤が続いていた最中。ただ先輩の予定がはっきりせず、返事は保留のままでした。

前日、仕事を終えて更衣室でスマホを見ると、ロック画面に彼女からの「明日、少しだけでも会えない?」が表示されていました。

ロック画面で見たまま開けなかった通知

開けば既読がつきます。既読をつけたら、何か答えなければいけません。まだ分からない、と送れば済む話でした。ただ、そう送ればやりとりを続けることになるし、期待させて駄目だったら説明し直すことになる。それが億劫で、先輩から返事が来たら休みが決まった報告と一緒に返そうと決め、通知には触れずに帰りました。

部屋に着いてベッドに腰を下ろしたところまでは、覚えています。返事を待つつもりで、スマホは手に持ったままでした。

目を覚ましてから、とにかく先に謝ろうと「ごめん寝てた」とだけ送りました。休みの話は、きちんと文章にして続けるつもりだったのです。

打ちかけの文章を消して送った一言

続きを打ち始めたところで、彼女から写真が届きました。テーブルの上に、俺の部屋の合鍵が置かれているだけ。文面は何もありません。

付き合って半年の頃、自分から渡した鍵でした。返すという意味にしか見えず、打ちかけの文章を消して「待って、それどういう意味?」と送りました。電話をかけても、2回とも呼び出し音が続くばかりです。出てもらえない理由を考えるより先に、指が次の文を打っていました。

「今日、休み取れたんだ。先輩と交代してもらった」

返ってきたのは「なんで昨日言ってくれなかったの?」でした。

「決まってから言いたかった。ごめん」

送りながら、それが彼女を一晩待たせていい理由になっていないことにも気づいていました。「今から行く。鍵、そのまま持ってて」とだけ送り、寝ぐせも直さずに家を出ました。

そして...

彼女の部屋のインターホンを押すと、ドアが開きました。顔を見るなり「ごめん」と頭を下げると、彼女も写真のことを謝ってくれました。棚から下ろした紙袋を渡され、その場で包みを開けると、中身はキーケース。自分の部屋の鍵を、その場でしまいました。

ただ、彼女にまだ話せていないことがあります。あの夜、通知を見ていたのに開かなかったこと。「寝てた」は嘘ではありませんが、全部でもありませんでした。

最近は、シフトが決まる前でも、分かったことから彼女に送るようにしています。その話を切り出すきっかけは、まだつかめずにいます。

(20代男性・飲食店勤務)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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