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富士山の初冠雪は平年10月2日 今季から観測方法が変更

  • 2026.9.25

富士山の初冠雪の平年日は10月2日。気象庁は2026年秋のシーズンから、44の山の初冠雪を職員の目視ではなく「解析積雪深」で知らせる方法に変えました。目視の最後の10シーズンは平年より遅い年が6回。山の初冠雪から麓の初雪までの日数と、主要都市の初雪の平年日もまとめました。

10月に入ると聞こえてくる「富士山で初冠雪」のニュース。実は、今シーズンから初冠雪の観測方法が変わりました。気象庁は、これまで職員が目で見て確かめていた全国44の山の初冠雪を、2026年秋のシーズンから「解析積雪深」という推定値で知らせています。
この記事では、気象庁が公開した目視の記録と平年値を使って、次の3つを集計しました。
・富士山の初冠雪は平年10月2日。目視の最後の10シーズンは、平年より遅い年が6回
・山の初冠雪から、同じ気象台の初雪まで平年で何日あるか(富士山→甲府は70日)
・札幌から鹿児島まで、主要都市の初雪の平年日
数字は気象庁の公表データをもとに、weboo編集部が集計しました。

初冠雪と初雪の違い 山が白く見えた日と雪が降った日

気象庁の「初冠雪の観測」では、冠雪を「雪やあられなどが山頂付近に積もり、白く見えることを冠雪という。量の多少は問わない。」としています。8月1日から翌年7月31日までの「寒候年」の間に、ふもとの気象台から初めて白く見えた日が、その山の初冠雪です。
富士山だけは決まりが少し違い、「当年の富士山特別地域気象観測所の日平均気温の最高値が出現した日以降に初めて冠雪を観測した日」を初冠雪としています。一方の初雪は、気象台のある場所で、その寒候年に初めて雪(みぞれを含む)を観測した日です。山の上が白くなる初冠雪のほうが、多くの地点で麓の初雪より先にやってきます。

2026年秋から初冠雪は目視をやめて解析積雪深で発表

気象庁は2026年7月31日の報道発表で、初冠雪の知らせ方を変えると発表しました。
発表では、全国44の山で職員の目視による初冠雪の観測を続けてきたこと、アメダスや気象レーダー、気象衛星ひまわりなどを使って積雪の状況を「解析積雪深」として把握できるようになったことを挙げています。そのうえで、「令和8年度の冬シーズンから、目視による観測に代えて、最新の観測技術に基づき、天候や時間帯によらず、山頂の積雪の状況を気象庁ホームページにてお知らせします。」としています。
変わる点は次のとおりです。
・山頂が雲で覆われているときや夜間でも、山頂の積雪の情報を出せるようになった
・初冠雪の日に加えて、山頂の「いまの積雪の状況」も気象庁の「初冠雪の記録等」のページで見られる(毎時25分ごろ更新)
・目視の記録は2026寒候年(2025年8月〜2026年7月)まで。気象庁は、これまでの目視の初冠雪日とは「手法が異なっており、単純比較できません」としている
解析積雪深は、積雪の深さを1時間ごとに約5km四方の細かさで推定するものです。
そのため今シーズンの初冠雪は、日付が平年より早いか遅いかを、これまでの記録と同じ物差しでは比べられません。ニュースで「平年より◯日遅い」と聞いたときは、観測方法が変わったことも頭に入れておくと安心です。
※霜が初めて降りた日(初霜)なども、2025年秋のシーズンから目視の観測を終えています。

出典 www.jma.go.jp

富士山の初冠雪は平年10月2日 目視の最後の10シーズンは6回が遅い

富士山の初冠雪は甲府地方気象台が観測してきました。平年日(1991〜2020年の平均)は10月2日です。
気象庁が公開している記録から、目視で観測した最後の10シーズンを並べました。
・2016年 10月26日(平年より24日遅い)
・2017年 10月23日(平年より21日遅い)
・2018年 9月26日(平年より6日早い)
・2019年 10月22日(平年より20日遅い)
・2020年 9月28日(平年より4日早い)
・2021年 9月26日(平年より6日早い)
・2022年 9月30日(平年より2日早い)
・2023年 10月5日(平年より3日遅い)
・2024年 11月7日(平年より36日遅い)
・2025年 10月23日(平年より21日遅い)
10シーズンのうち、平年より遅かったのは6回、早かったのは4回。10回の平均は10月13日ごろで、平年より11日遅くなっています。
2024年の11月7日は、1895寒候年から続く記録のなかで最も遅い初冠雪でした。目視による最後の初冠雪となった2025年は10月23日で、平年より21日遅い記録です。
※10シーズン分の記録を並べたもので、遅くなった理由や今後の傾向を示すものではありません。

目視で最後のシーズン 44山のうち28山で平年より遅い初冠雪

富士山以外の山はどうだったのでしょうか。目視で観測した最後のシーズン(2025年秋〜2026年冬)の44山の初冠雪日を、それぞれの平年日と比べました。
・平年より遅い 28山(遅い順に国見山・脊振山・富士山・皿ケ嶺など)
・平年より早い 15山(早い順に金峰山・鷲別岳・鷲峰山・極楽寺山など)
・冠雪なし 1山(鰐塚山。記録は「該当現象なし」)
平年より最も遅かったのは国見山(高知から観測)で32日遅れ、最も早かったのは金峰山(熊本から観測)で13日早まりでした。
※1シーズンの記録で、山によって早い・遅いが分かれています。

山の初冠雪から麓の初雪まで 富士山と甲府は平年70日

山が白くなってから、麓の町に初雪が降るまで、どのくらい間があるのでしょうか。初冠雪を観測してきた気象台では、その気象台での初雪も観測しています。44の山ごとに、両方の平年日の差を計算しました。主な12組(抜粋)です。
・富士山(10月2日)→ 甲府の初雪(12月11日) 70日後
・立山(10月12日)→ 富山の初雪(12月3日) 52日後
・男体山(11月4日)→ 宇都宮の初雪(12月16日) 42日後
・甲斐駒ヶ岳(10月30日)→ 甲府の初雪(12月11日) 42日後
・白山(10月21日)→ 金沢の初雪(11月24日) 34日後
・岩手山(10月13日)→ 盛岡の初雪(11月9日) 27日後
・月山(10月20日)→ 山形の初雪(11月16日) 27日後
・旭岳(9月25日)→ 旭川の初雪(10月19日) 24日後
・蔵王山(10月28日)→ 仙台の初雪(11月17日) 20日後
・伊吹山(11月20日)→ 彦根の初雪(12月10日) 20日後
・手稲山(10月18日)→ 札幌の初雪(10月28日) 10日後
・脊振山(12月10日)→ 福岡の初雪(12月16日) 6日後
最も間が長いのは富士山と甲府で、初冠雪の平年日から70日後に甲府の初雪の平年日が来ます。一覧にない組では、前橋から見る仙ノ倉山41日・白砂山40日・浅間山39日・武尊山32日も長い組です。44組の真ん中の値(中央値)は17.5日でした。
反対に、麓の初雪の平年日のほうが早い組もあります。金峰山と熊本(30日)、国見山と高知(18日)、鰐塚山と宮崎(11日)、極楽寺山と広島(6日)の4組です。榛名山と前橋は同じ日でした。
※平年日どうしの差で、毎年この日数になるわけではありません。資料年数が30年に満たない平年値(金峰山・国見山・鰐塚山・桜島、宮崎・鹿児島の初雪)を含みます。

主要都市の初雪の平年日 札幌は10月28日 東京は1月3日

町に初めて雪が降る日の平年日(1991〜2020年)です。
・札幌 10月28日
・仙台 11月17日
・新潟 11月23日
・金沢 11月24日
・広島 12月8日
・福岡 12月16日
・名古屋 12月18日
・大阪 12月26日
・東京 1月3日
・鹿児島 1月5日(28年分の資料から)
札幌と東京では、初雪の平年日に67日の差があります。那覇は、雪の初日の平年値を集計していません。
初雪の観測方法にも変化があります。気象庁の「2020年平年値 解説」では、目視観測を自動化した地点の雪の初日は視程計(観測機器)で観測し、平年値は「2009寒候年以降は自動観測相当のデータを作成し、2008寒候年以前の目視観測データを補正して求めている」としています。この記事で並べた都市では、札幌・仙台・新潟・名古屋・広島・福岡・鹿児島・金沢が、その地点の一覧に入っています(東京と大阪は入っていません)。
甲府・山形・青森などの気象台は、観測方法が変わったため、初雪の「最も早い日・最も遅い日」の統計を切っています。

初冠雪・初雪のニュースを聞いたら確かめたいこと

初冠雪や初雪は、冬が近づいた合図です。ニュースを聞いたら、次のことを確かめておくと慌てずにすみます。
・山頂の積雪:気象庁の「初冠雪の記録等」のページで、44の山の山頂の積雪の状況を1時間ごとに確かめられる
・町の雪:気象庁の「今後の雪」のページで、解析積雪深と6時間先までの降雪の予報を見られる
・比べ方:今シーズンの初冠雪は観測方法が変わったため、これまでの平年日や記録とは単純に比べられない
・冬の準備:麓の初雪は、富士山と甲府のように初冠雪から2か月以上あとの地点もある。暖房器具などの準備を少しずつ始めておく
解析積雪深は約5km四方の平均的な値で、気象庁は「局地的な降雪の多寡は表現できません」としています。大雪のときは、警報・注意報の発表状況もあわせて確かめてください。

よくある質問

初冠雪と初雪はどう違うのですか

初冠雪は、ふもとの気象台から見て山頂付近が初めて雪などで白く見えた日(2026年秋からは解析積雪深で判断)、初雪は、気象台のある場所で初めて雪やみぞれを観測した日です。見ている場所が「山の上」か「町」かの違いです。

今年の初冠雪は平年と比べて早い・遅いといえますか

気象庁は、2026年秋からの初冠雪は「2026寒候年までの目視による初冠雪の観測日とは手法が異なっており、単純比較できません」としています。平年日(富士山は10月2日)は、目視の時代の記録から計算された値です。

初冠雪を観測している山はいくつありますか

全国44の山です。北は利尻山から南は桜島まで、それぞれの山をふもとの気象台が担当してきました。2026年秋からは、同じ44の山について、山頂の積雪の状況が気象庁のホームページで公開されています。

まとめ 今季の初冠雪は新しい方法で 麓の初雪までの間隔も目安に

初冠雪と初雪のポイントをおさらいします。
・富士山の初冠雪の平年日は10月2日。目視の最後の10シーズンは6回が平年より遅く、2024年の11月7日は記録で最も遅い
・2026年秋のシーズンから、44の山の初冠雪は目視ではなく解析積雪深で発表。これまでの記録とは単純に比べられない
・目視で最後のシーズン(2025年秋〜2026年冬)は、44山のうち28山が平年より遅く、15山が早かった
・山の初冠雪から麓の初雪までは平年で最長70日(富士山と甲府)。44組の中央値は17.5日
・初雪の平年日は札幌10月28日、東京1月3日など。自動観測に変わった地点の平年値は補正した値
山が白くなったというニュースは、冬支度を始める合図です。今シーズンは新しい方法で発表される初冠雪を、気象庁のページでも確かめてみてください。

※初冠雪の記録・平年値、雪の初日の平年値、観測方法は気象庁の公表資料によります。「目視の最後の10シーズン・最後のシーズンの集計」「初冠雪から初雪までの日数」は、これらの数値からweboo編集部が集計・計算したものです。記事の情報は2026年9月24日時点のものです。

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