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心霊写真に写った姿はまるでグラビアアイドル! 可愛すぎて怖がってもらえない悪霊少女が奮闘する、『カヤちゃんはコワくない』著者による新感覚ホラーラブコメ【書評】

  • 2026.9.23

【漫画】本編を読む

「悪霊」とは人に災いをもたらす恐ろしい存在。ところが、2026年8月12日に発売された『ポンコツ悪霊 闇子ちゃん』(百合太郎/KADOKAWA)の主人公・闇子(あんこ)は、その真逆を行く。人を恐怖に陥れるどころか、誰が見ても「かわいい」と言ってしまうビジュアルを持つ悪霊である。アニメ化され話題を呼んだ『カヤちゃんはコワくない』(新潮社)の著者・百合太郎氏の最新作である本作は、一癖も二癖もあるキャラクターたちのやり取りがクセになる新感覚のホラーラブコメだ。

本作に登場する悪霊たちは、恐怖心というものを失いつつある現代の人間たちに恐怖を与えることによって、自らの命を守り、人を傷つけないようにさせることを目的とした「悪霊課」で働く労働者である。しかしここに所属する闇子は、絹のようなツヤ髪と透き通るような肌を持つ、どこからどう見ても童話から飛び出したかのような美少女で、心霊写真として写り込んでも人間たちにグラビアアイドルと言われるほど。さらに唯一の特技が瞳と髪を光らせることだけという、悪霊としてはポンコツの存在だった。

そんな彼女を厳しく指導するのが、課長の牛頭(ごず)。見た目は怖いが、闇子の悪霊としての志の高さや純粋な姿勢を認めており、裏では危険から守る面倒見の良さを見せる。さらに闇子自身も、牛頭のことが大好きで、彼に認めてもらいたい一心で一生懸命に奮闘するのだ。不器用ながらも互いを思いやっているふたりの関係が実に微笑ましい。

悪霊たちが「労働者」であるという設定がユニークで親しみやすいが、悪霊らしいホラー描写もあり、そのギャップが物語をぐっと引き締めている。そして普段は天真爛漫な闇子だが牛頭にだけは隠している「本当の姿」を垣間見せる場面がある。ここでもホラーならではの緊張感が差し込まれるため、可愛いだけでは終わらない展開も見どころである。

一途でポンコツな悪霊・闇子が繰り広げるコミカルでスリリングな日常を描いた本作は、ひと味違うラブコメとホラー作品を探している人におすすめの作品である。

文=ゆくり

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