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見せて愛でる、扉がないキッチンの収納とは? 村口良さん・恭子さん夫妻の心地のいい台所。

  • 2026.9.20
壁沿いのキッチンラックは、最上段は土瓶や土鍋、次にステンレスと、アイテムの質感を揃えて陳列。子どものおやつなどは陶器の甕(かめ)などに入れて目隠ししている。

見せて愛でる、陳列キッチン。

東京都内から神奈川県鎌倉市に移り住んだ村口良さん、恭子さん夫妻が、理想の家を建てるにあたってモチーフにしたのが、良さんが出張先のニューヨークで目にした、とあるアパートメントだった。
「モルタルや黒い鉄格子、白壁をキーパーツに使った住まいの佇まいに惹かれて。もともと北欧家具が好きだったのですが、それだけだとほっこり感が強くなってしまう。程よくインダストリアル感を取り入れたら調和するんじゃないかと思って」
一番のこだわりはモルタル製のアイランドキッチン。カウンターには黒い鉄製スツールを合わせ、調理道具や家電、保存食などを収納する棚はガレージテイストな〈DULTON〉のシェルフをチョイスするなど、木製家具が多いリビングに対し、キッチンは硬派な雰囲気にまとめた。
「完全にテイストを分けてしまうとキッチンとリビングとの繋がり感がなくなってしまうので、キッチンの天井には木製ルーバーを設置。これによって緩やかにゾーニングができて、統一感と開放感が出ました」
もうひとつ、キッチンとリビングを繋ぐ役割をするのが大型の食器棚。じつはこれ、かつて小学校で使われていた靴箱だそうで、よく見ると小さな名札入れが付いている。沖縄を中心に、これまで村口夫妻が旅した地で出合った民芸の器たち。名札に記名こそないけれど、それぞれがきちんと居場所をもらっているようで、深い愛着が伝わってくる。
「いくら大切に思っていても、見えない場所にしまい込むと、どうしても使う頻度が減ってしまう。好きなものだからこそいつも目に入るところに置きたいですし、毎日ここから器を選ぶのが、楽しみなんです」
村口家のキッチンには扉付きの収納はひとつもない。調味料や油だって、好きな容器に詰め替えるだけで、愛おしい存在に変わる。愛情を持つことでキッチンはすっきりと整い、毎日気持ちよく過ごせる。それが村口家流の台所の作り方なのだ。

器はこの食器棚に入る以上は持たない。欠けたものは金継ぎを施すと愛着がより増す。新入りが加わったときは知人に譲り、大切に使ってもらっている。
お酒好きのふたり。友人を招くことも多くストックは欠かさない。飲みかけのワインにはドライフラワーで目印を。
モルタルに似合うステンレスのゴミ箱に合わせてキッチンを設計。タイルの目地は優しい印象のグレーに。
まだ子どもたちが小さいので、ダイニングテーブルはなし。食事はカウンターかキッチン横の拡張式テーブルで食べている。
出典 andpremium.jp
村口良・村口恭子〈BEAMS〉勤務・〈ne Quittez pas〉 勤務

良さんは〈BEAMS〉勤務、恭子さんは〈ne Quittez pas〉勤務。

photo : Tetsuya Ito edit & text : Yuriko Kobayashi

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