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「まあ、何とかなるだろう」結婚してからなぜか増えない貯金。夫の言葉に不安を覚えた妻が、気づいた違和感

  • 2026.9.19

貯金が増えていないと気づいた、冬の夜

結婚して何年か経った冬、家計を見直していて、思っていたより貯金が増えていないことに気づいた。

通帳を何度めくっても、頭のなかで思っていたほど残高は増えていない。台所の椅子に座ったまま、私はしばらく数字を見つめていた。

私は生活費と将来のためのお金を先に残しておきたいほうで、夫は、働いているのだから趣味や好きなことにもある程度は使いたいという考えだった。

どちらが正しいという話ではないと思っていたし、大きな買い物でもめたこともなかった。

ただ、冬の初めに外食や細かな買い物が続いたとき、一度だけ夫に聞いたことがあった。

「最近、ちょっと使うこと増えてない?」

すると夫は、深く考える様子もなく笑った。

「まあ、何とかなるだろう。そんな大きいもの買ってないし」

そのときは私も「そうだね」と流していた。

けれど、その夜に通帳を見ていると、急に不安になった。

夫が帰ってきて上着を掛けたところで、私は少し迷ってから声をかけた。

「ねえ、ちょっと聞いていい?最近、何か大きいもの買った?」

夫は振り返り、少し考えてから首を横に振った。

「大きいもの?いや、特にはないと思うけど」

「趣味のものとか、外で食べたりとかは?」

「ああ、それはあるよ。でも一回にしたら数千円くらいだよ」

「月にどのくらい使ってるか、分かる?」

「そこまでは数えてないな。そんなに使ってるつもりはないけど」

夫は本当に心当たりがないような顔をしていた。一回あたりの金額が小さいから、積み重なっている感覚がなかったのだと思う。

「私、ちょっと心配になってるんだ。思ってたより貯金が増えてなくて」

そう言うと、夫は少し困ったような顔をした。

「でも、何十万も使ったわけじゃないだろ?」

「うん。それは分かってる。でも、急にまとまったお金が必要になったらって考えると、不安で」

夫は少し黙ったあと、

「そこまで心配しなくても、何とかなるだろう」

と言った。

その言葉を聞くのは、この冬に入って二度目だった。

一度目は笑って流せた。でも、その夜は同じようにはできなかった。

「ごめん。今日はもういいや。私もちゃんと数字を見てから話したい」

「…分かった。俺も一回見たほうがいいな」

その日はそこで話を切り上げた。

一か月ぶんを書き出して、3度に分けて話した

翌日、私は家計のノートを開き、この一か月に出ていった買い物や外での食事を日付ごとに書き出した。

合計だけではなく、一回数千円の支出が何度あったのかも分かるように並べた。

夕食のあと、その紙を食卓に置いた。夫は箸を置いて、上から順番に目で追っていった。

しばらくして、小さく息を吐いた。

「…こんなにあったっけ」

「私も並べるまで分からなかった。一回ずつなら、そんなに大きく見えないんだよね」

夫は紙の上を指でたどりながら、苦笑いした。

「これだけ重なったら、そりゃ残らないか。俺、ほんとに数千円だから大丈夫だと思ってた」

「使っちゃだめって言いたいわけじゃないよ。ただ、二人とも分からないままなのが嫌だったの」

夫はもう一度紙を見てから、うなずいた。

「うん。昨日はちょっと軽く考えてたわ」

その日は、何にいくら使うかまでは決めなかった。二人とも仕事のあとで疲れていたし、一度に全部決めようとすると、かえって話がまとまらなくなりそうだったからだ。

数日後、二度目に話したときは、まず毎月の生活費にいくら必要なのかを確認した。

「この分は、先に残しておきたいんだよね」

「うん。じゃあ、ここは最初から使わない金にしよう」

さらに三度目の夜、将来のために残す額と、それぞれが自由に使える額を決めた。

夫は紙の下のほうに自分の分を書き込み、ペンで丸をつけた。

「じゃあ、この範囲なら、いちいち聞かなくてもいいんだよな?」

「うん。私も同じ額にする。お互い、この中なら使い方には口を出さない」

「残ったら、次の月に回していい?」

「もちろん」

翌月から、夫は自分の枠のなかで買い物をするようになった。使わなかった分を、そのまま残している月もあった。

私も、一人で通帳を見ながら不安を抱え込むことが減った。

冬の食卓には、前と同じ鍋が湯気を立てていた。ただ、その横には、二人で決めた数字を書いた一枚の紙が置かれていた。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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