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「送迎バスも出せないのか?」8年の介護に関わらなかった叔父が、葬儀で口にした要望。だが、父が守った喪主の意思

  • 2026.9.18

8年の付き添いのあとで、席次の紙を広げた

祖母が左手の指を折ったのをきっかけに、私は通院を手伝うようになりました。

その後は食事のことや、夜中に呼ばれたときの対応まで増え、気づけば8年ほど祖母の世話を続けていました。

福祉の仕事をしていたこともあり、親族のなかでは自然と私に頼み事が集まるようになっていました。

その間、母の弟たちが祖母の世話に関わることはほとんどありませんでした。費用について相談しても、返事がないまま終わったこともあります。

祖母を看取ったあと、喪主は私が務めることになりました。

葬儀にかかる費用は父が全額引き受けてくれることになり、打ち合わせにも一緒に来てくれました。

会館の控室で、係の方が席次の紙を机に広げました。私の隣では、父が老眼鏡をかけて説明を聞いていました。

「こちらが喪主さまのお席で、その後ろをご親族のお席にする予定です」

そのとき引き戸が開き、母の弟のうちの一人である叔父が入ってきました。席次表を見るなり、机のそばまで寄ってきます。

「ああ、ちょっと待って。俺の知り合いも何人か来るからさ、前のほうに席を作っておいてくれないか」

私は思わず聞き返しました。

「前のほうに、ですか?」

「せっかく来てもらうんだから、後ろじゃ悪いだろ」

叔父はそのまま席次表を見ながら続けました。

「それと、祖母さんの町から来る人もいるだろ。送迎バスも出せないのか?ここまで来るの、大変な人もいるだろうし」

来る人のことを考えているのだろうとは思いました。

ただ、席を増やすこともバスを頼むことも、その場で簡単に決められる話ではありません。

「まず、この子に聞こう」父が止めた話

私が返事に迷っていると、それまで黙っていた父が老眼鏡を外しました。

「ちょっと待ってくれ。席を増やすのも、バスを頼むのも、今ここですぐ決める話じゃないだろう」

叔父は少し不満そうな顔をしました。

「でも、来る人が困るだろ。せっかくの葬式なんだから、ちゃんとしてやったほうがいいんじゃないか」

父は声を荒らげませんでした。

「それは分かるよ。でも、喪主はこの子だ。まず、この子がどうしたいのか聞こう」

父が私のほうを向きます。

「どうしたい?」

私は席次表を見てから答えました。

「今決まっている人数のままでいいと思う。送迎バスも、そこまでは考えてないよ」

父は短くうなずきました。

「じゃあ、今回はこれでいこう。何か増やしたいことがあるなら、先に相談してくれ」

叔父は少し黙ったあと、「…分かったよ」と席次表から手を離しました。

係の方も「では、こちらの内容で進めますね」と確認し、打ち合わせはそのまま続きました。

葬儀当日、式は予定どおりに始まりました。叔父も決められた席に座り、その後、席や送迎のことで揉めることはありませんでした。

式が終わって控室へ戻ったとき、私は夫に打ち合わせの日のことを話しました。

「叔父さん、席を増やしてほしいとか、送迎バスも出せないかって言ってきたの」

「それで、どうしたの?」

「父さんが、まず喪主の私に聞こうって止めてくれた」

少しして、父が係の方に頭を下げてから戻ってきました。

「無事に終わったな」

「うん。ありがとう」

私がそう言うと、父は首を横に振りました。

「俺が決めることじゃないからな。お前が納得して決められたなら、それでいいよ」

その言葉を聞いて、ようやく肩の力が抜けました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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