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邪魔だと思って後ろの人を押した俺が、ホームで妻に背を向けられるまで

  • 2026.9.16
ハウコレ

どいてくれれば早い。そう決めつけて背中に体重をかけた俺は、改札のほうへ歩き出した妻の後ろを、名前を呼びながらついていくことになります。

ドアが閉まる合図が鳴り終わる前に、俺はつり革と手すりを両手でつかみました。

妻の前に立つと決めていた

妻と電車で出かけるのは久しぶりでした。以前この路線で妻が足を踏まれたとき、俺は隣で吊り広告を見ていただけです。だから乗り込むなり、窓側の隅へ妻を入れました。

「大丈夫か、こっちに寄って」

妻がうなずいたので、腕をさらに広げました。

「壁になってるから平気だ」

広げた先に誰の肩があるかは、確かめていません。

どけばいいと思っていた

駅ごとに人が増え、妻の前が狭くなります。隣の女性が半歩ずれたので、俺はそのぶん体を寄せました。空いた場所は妻のために使うものだと思っていました。

「すみません、少し詰めていただけますか」

肩の後ろから声が届きました。詰めるも何も、詰めているのはこっちだ。そう思って、肩越しに目を向けてから前に向き直り、体重をかけ直しました。それ以上押す必要はなかったのに、押しました。どいてくれれば早い、と決めつけていたからです。

ホームで言われたこと

降りる駅で、妻の手を引いて先に出ました。柱の手前で、妻のほうが足を止めます。

「隣にいた女の子、ずっと嫌がってたわよ」

「混んでるんだから仕方ないだろ」

声を大きくしたのは俺のほうです。

「あなた、わざとやってたじゃない」

そして...

言い返す言葉は出てきましたが、どれも、押していた事実を認めずに済ませるための言い訳でした。妻は答えを待たずに改札へ歩き出し、俺は名前を呼びながら後ろをついていきました。

あのとき隣にいた女性には、何も伝えていません。妻には駅を出てから謝りましたが、順番としては、先に頭を下げるべき相手がいました。今は妻と電車に乗っても、以前のように周りを押して場所を作ることはしていません。

(50代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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