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「ちゃんと収まるか見ておきたいんだ」荷造りの際に知った、押し入れいっぱいの箱

  • 2026.9.16
ハウコレ

彼が間取り図の余白に書き込んでいた数字の意味を、私は知りませんでした。次の休み、荷造りを手伝いに行った彼の部屋で、同じ大きさの箱が奥まで並んでいます。

私が別の部屋を見終わって戻っても、彼はまだ押し入れの中をのぞいていました。

私が見ていたのは、これからの暮らしでした

付き合って3年になる彼とは、来月から一緒に暮らします。契約した新居へ、家具の採寸に行った日のことです。私はリビングでソファの位置や、カーテンの色を選んでいました。しかし彼は和室へ入るなり押し入れを開け、上の段を何度も測り直します。仕事で寸法を扱う人なので、メジャー自体は珍しくありません。ベランダに出てみると日当たりがよく、明るいねと彼に声をかけましたが、彼はまだ和室にいて、そうだねと言っただけでした。

何がそんなに気になるのだろう

彼を追って和室へ入ります。

「こっちは全然見ないんだね」

「先に、ちゃんと収まるか見ておきたいんだ」

何が、と聞いても、荷物、とだけ返ってきました。帰りの電車でも、彼は間取り図に数字を書き込んでいます。私が思い描いていたのは食事の場所や休日の過ごし方で、彼が数えているのは荷物の入る場所でした。

戸を開けたら、同じ箱が奥まで並んでいました

次の休み、彼の部屋へ荷造りを手伝いに行きました。押し入れの戸を開けると、同じ大きさの箱が奥まで並んでいます。

「これも新居に持っていくの?」

手前の箱を指すと、彼は少し間をおいてから、持っていく、と言って箱を下ろしました。中に並んでいたのは、私たちが一緒に見ている作品のフィギュアです。隣にはディスク、奥には缶バッジが詰まっていました。好きなのは知っていましたが、これほど集めているとは知りません。この箱を全部運ぶために測っていたのだと、そのときは思いました。

「これ、全部そうだったの?」

「好きなのは知られてると思ってた。この量だとは言えなかった」

そして...

「好きなのは知ってたよ。ここまでとは思わなかっただけ」

そう言うと、彼は気まずそうに箱のふたへ手を置きました。

「引かれると思ってた」

新居でも全部入れるつもりだったのかと聞くと、彼は首を横に振ります。

「俺のは上の段にまとめるから、下は全部使っていいよ」

上へまとめて、私の物を置く場所を残せるか。あの日のメジャーは、そのためのものでした。今、下の段には私のバッグが入り、箱から出したフィギュアが1体だけリビングの棚に置かれています。私が好きだと言っていたキャラクターでした。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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