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「若い女が座りやがって。こっちは立ってるのにな」電車で嫌味を繰り返す乗客。だが、隣に座っていた男性が席を差し出した理由

  • 2026.9.13
「若い女が座りやがって。こっちは立ってるのにな」電車で嫌味を繰り返す乗客。だが、隣に座っていた男性が席を差し出した理由

目の前に立った人が、大きな声で話しはじめた

平日の夕方、仕事帰りの電車でのことです。その週は納品前で、帰りが遅くなる日が三日ほど続いていました。

ようやく一つ空いている席を見つけ、私は迷わず腰を下ろしました。

優先席ではなく、車両の真ん中あたりにある一般席です。

窓の外はすでに暗く、駅に止まるたびに立っている人が増えていきました。

次の駅で乗ってきた年配の男性が、ちょうど私の前に立ちました。

吊り革につかまると、大きなため息をついてから、周囲にも聞こえる声で言いました。

「はあ…若い女が座りやがって。こっちは立ってるのにな」

一瞬、自分に言われたのか分かりませんでした。

けれど少しすると、男性はこちらを見ながらまた口を開きました。

「若いんだから、少しくらい立ってても平気だろうになあ」

私は顔を上げることができませんでした。

さらにしばらくすると、また大きなため息が聞こえます。

「いやあ、最近はそういうもんなのかね」

直接「席を譲ってほしい」と頼まれたわけではありません。

それでも近くにいた人がちらりとこちらを見るのが分かり、胸のあたりが落ち着かなくなりました。

立てば、この空気は終わるのかもしれない。

そう思ったのに、何度も大きな声を向けられて頭が真っ白になり、すぐには動けませんでした。私は膝の上の鞄を握ったまま、ただうつむいていました。

隣の男性が、静かに席を立った

その夜、家に着いてから母に電話でこの出来事を話しました。

「今日、電車でさ。目の前に立った人に、ずっと嫌味を言われたんだ」

「えっ。何それ…怖かったでしょう」

「うん。何も言えなかった」

「それで、どうしたの?」

「そしたら隣に座ってた人が、急に立ってくれたの」

三度目の嫌味が聞こえたあと、私の隣に座っていた四十代くらいの男性が、膝の上の鞄を持って静かに立ち上がったのです。

そして年配の男性に向かって、穏やかな声で言いました。

「よかったら、ここどうぞ」

年配の男性は一瞬黙り、少し気まずそうに男性を見ました。

「いや、別に座らせろって言ってるわけじゃないけど…」

すると男性は何も言い返さず、空いた席を軽く手で示しました。

「どうぞ」

少し間があって、年配の男性は「…じゃあ」と小さく言い、私の隣の席に腰を下ろしました。

それまで響いていた大きな声は、そこで止まりました。

席を譲った男性は斜め前に立ち、吊り革を握っていました。年配の男性を責めることも、私に何か話しかけることもありません。

私はそのまま、自分の降りる駅まで座っていました。

駅に着いて立ち上がったとき、席を譲ってくれた男性に小さく頭を下げました。

「ありがとうございました」

男性は少しだけ笑って、

「いえ、全然」

と短く返してくれました。

大きな声で注意したわけでも、誰かを言い負かしたわけでもありません。ただ黙って自分の席を差し出してくれたことが、あのときの私にはとてもありがたく感じられました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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