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「10万円、本当に貸すの?」友人に止められた私。1年後、私が友人に見せたのは

  • 2026.9.14

券売機の前で、彼の手が止まった

学生のころ、私は留学生の彼と付き合っていました。

奨学金を生活費にしていた彼は、余裕があるわけではありませんでしたが、食事代を私に出させることはほとんどありませんでした。

ある日の夕方、学食の券売機の前で彼の手が止まりました。

私が財布を出そうとすると、「いや、ちょっと待って」と慌てたように止められました。

「どうしたの?お金、足りない?」

「奨学金の手続き、時期を勘違いしてた。今月入ると思ってたお金が、まだ入らないんだ」

学食を出たあと、彼は階段の踊り場で立ち止まりました。しばらく黙ったあと、鞄を足元に置いて私を見ました。

「こんなこと頼みたくないんだけど…10万円だけ貸して。来月には返すから」

そう言って、彼は深く頭を下げました。

翌日、ゼミ室で友人に話すと、すぐに顔をしかめられました。

「10万円?本当に貸すの?」

「うん。困ってるみたいだから」

「私はやめたほうがいいと思う。お金のことで関係までこじれたら嫌でしょ」

私も不安がなかったわけではありません。だからこそ、曖昧にはしたくありませんでした。

その日の帰りに薄い手帳を買い、最初のページに貸した日と10万円という金額を書き、彼にも確認してもらいました。

「全部は無理だった」そこから始まった12回の返済

ところが翌月、私の部屋に来た彼は、封筒を握ったまま申し訳なさそうに立っていました。

「ごめん。全部は返せなかった」

「今月はいくらなら大丈夫?」

「八千円。約束したのに、本当にごめん」

私は少し考えてから手帳を開きました。

「じゃあ、一回で返すのはやめよう。毎月、無理のない額を返して。難しい月があったら先に言って」

「分かった。それは絶対にする」

それから彼は毎月、返せる金額を封筒に入れて持ってくるようになりました。私は受け取るたびに、手帳へ日付と金額を書きました。

一度だけ、約束していた日曜に彼が来なかったことがあります。さすがに不安になりましたが、三日後の水曜、雨に濡れた彼が玄関に立っていました。

「ごめん。日曜、どうしても来られなかった」

「連絡くらいしてよ。心配したんだから」

「うん。本当にごめん。次からはちゃんとする」

そう言って差し出した封筒にも、約束した返済分が入っていました。

そして約一年後。彼が持ってきた最後の封筒を数え、手帳の12行目に金額を書きました。

「……これで10万円。全部返ってきたよ」

「一年もかかったな」

「かかったね」

「最初の約束、守れなくてごめん。でも、本当にありがとう」

次の週、私はゼミ室で友人に手帳を見せました。友人は12行を上から順に目で追い、最後で手を止めました。

「……本当に全部返したんだ」

「うん。一年かかったけどね」

友人は少し笑って、「そっか。じゃあ今回は私の予想が外れたね」と言い、自動販売機でコーヒーを一本買ってくれました。

貸したこと自体が正解だったのかは、今でも分かりません。ただ、お金のことだからこそ曖昧にせず、二人で記録を残したことはよかったと思っています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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