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「お願い、あと10万だけ」寝ている間に勝手にカードを使った彼。問い詰めた私の気持ちが冷めた彼の一言

  • 2026.9.14

明け方まで、同じ部屋で画面を見ていた

付き合っていた人は、日が落ちるころになると机の前へ座った。画面に並ぶ数字をじっと追い続け、私が眠る時間になっても席を立たない。

「まだやるの?」

「あとちょっと。ここで戻せそうなんだよ」

「明日もあるんだから、三時くらいにはやめてね」

「分かってるって。先に寝てて」

けれど、三時にやめた夜は一度もなかった。私が布団に入ったあとも、すぐ近くの机から画面の明かりが漏れていた。

そのころ、彼は勤めには出ていなかった。生活費は実家から回してもらっていると言っていて、知り合いに借りたままのお金もあるようだった。私も何度かに分けて、合わせて何十万円かを渡していた。

「悪い。今月、ちょっとだけ足りないんだ」

「また?」

「来月には返せるから。今度こそちゃんと返す」

「…これで最後だよ」

毎回信じていたわけではない。ただ、断るたびに長く話し合うのがしんどくなり、渡したほうが早いと思うようになっていた。

財布は寝室の棚に置いたままで、彼を警戒して隠したこともなかった。

気づいたのは、平日の朝だった。

出勤の支度をしながらスマートフォンを見ると、前の晩の三時すぎに、私のカードで十万円が使われた通知が残っていた。

「…ねえ、これ何?」

「何が?」

「私のカード。夜中に十万使われてるんだけど」

彼の手が止まった。

「ああ…それ」

「それじゃないよ。私が寝てる間に財布から出したの?」

彼は少し黙ってから、画面を見たまま言った。

「お願い、あと10万だけ。ここで戻せそうだったんだよ」

「勝手に使っておいて、何言ってるの?」

「ちゃんと戻すから。今から戻そうと思ってた」

「そういう話じゃないでしょ」

声が自分でも分かるほど震えていた。

その日も翌日も、お金が戻ってくることはなかった。

二度目も、朝の通知で気づいた

それから私は財布を鞄の底へしまい、眠るときは鞄ごと枕元へ置くようになった。

「もう本当にやめてね」

「分かってるって」

「分かってるなら、もう私の財布に触らないで」

「はいはい」

その返事は気になった。それでも、これだけ言えばもうしないだろうと思っていた。

二週間ほどたった朝、またスマートフォンに通知が残っていた。

時刻は前と同じ三時すぎ。額も同じ十万円だった。

枕元を見ると、鞄は置いた場所にそのまま立っていた。ファスナーも閉じている。寝る前と見た目は何も変わっていなかった。

「ねえ。昨日、私の鞄触った?」

彼はまだ机の前にいた。

「触ってないよ」

「じゃあ、この履歴は何?」

画面を向けると、彼はちらりと見ただけだった。

「今ちょっと待って。あとで見るから」

「あとでじゃない。前にも同じことしたよね」

「だから、今それどころじゃないんだって」

その言葉を聞いた瞬間、怒りより先に気持ちが冷えていった。

十万円が惜しくないわけではない。それ以上に怖かったのは、私がすぐそばで眠っている間に、彼が鞄を開け、カードを取り出し、また元の場所へ戻していたことだった。

「もう無理だよ」

彼がようやく振り向いた。

「何が?」

「こうやって一緒にいるのが、もう無理」

別れたのは、その月のうちだった。

貸した分も、二度ぶんの十万円も戻ってきていない。連絡先はもう残していないし、今どこにいるのかも知らない。

それでも今も、寝る前には財布を一度だけ確認してしまう。

お金を数えたいというより、自分のものが朝までそこにあると確かめたいのだと思う。

あの二晩、私が眠っているすぐそばで、彼がどんな気持ちで鞄に手を伸ばしたのか。それだけは、今も分からないままだ。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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