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「冷蔵庫がカオス」「コンビニごはんを卒業したい」めんどうな日々の食事に光浦靖子が共感たっぷりにアドバイス!

  • 2026.9.11

CREA2026年秋号の「1冊まるごと人生相談」特集が、現在好評発売中! CREA WEBではその一部を抜粋してご紹介します。

他人から見れば些細な悩みでも本人にとっては一大事。暮らしの細事から人生の転機に纏わる悩みまでカナダ留学で逞しさに磨きをかけた光浦靖子さんが答えます(全2回の2回目/)。


【相談】コンビニごはんを卒業したい

光浦靖子さん。

【お悩み】
ウイークデーは午前中から夜10時ぐらいまで仕事をしています。買い物や自炊をする時間もありません。包丁を使うのも億劫。コンビニごはんばかり食べています。体に良くないとわかっていますが、何から始めればよいのでしょう。(31歳・女性・パピコ)

ウイークデーに働いているなら、ウイークエンドは休みということですよね? まとめ買いですよ。そして作り置きですよ。そして冷凍ですよ。そんなこたぁわかっとるわボケェ、それができるほどこっちゃ体力も気力もないんじゃボケェ、とお思いでしょうね。

わかりますよ。私もある時期、へとへとでしたから。しかも今さほど忙しくないのに、作り置き、冷凍なんてしたことないですから。面倒臭ぇですから。私が普段疲れて動けないときに食べている簡単パスタを紹介します。

その前にパスタを茹でることはできますか? 湯を沸かし、パスタをぶっ込み、ほおっておく。この際、湯に塩は入れなくてよいです。究極に疲れているのはわかりますよ。でもそこを頑張ってください。

茹でたパスタを皿に盛る。そこに茅乃舎をきっかけに今やどこにでも売られるようになった美味いパウダーの出汁をかける。で、その皿の上で大根をおろす。で、納豆をぶっかけ、酢、醤油をぶっかける。以上。自炊慣れしてきたら、パスタと一緒に鶏肉や豚肉、野菜やきのこなどをぶちこんで一緒に茹でたり、食べるラー油的なもんを加えたり。なんでも加えりゃよいんですよ。加えたら加えただけ栄養バランスは良くなりますから。

ただね、これが美味しいかどうかはわかりません。あたしゃ美味いと思ってますよ。でもあたしゃ三十数年ひとり暮らしでしょう? 長ーいこと自分のためだけに自炊をしてきて、人のことなんか知ったこっちゃない、自分の好みの味に完全に偏っています。塩味、酸味が好きだし、歯応えのあるものが好きだし。全く甘くないネチョネチョしたデザートも好き。腰のあるうどんを、つゆをつけずにまさに素で食べるのも好き。食後にカリカリしないとどうしても落ち着かず、毎食後、硬いポテトチップスやチートスを食べていました。

でも健康に悪いからと、最近はキヌアを茹で、オーブンで焼き、塩を振り、その小さな粒々のカリカリしたものをボロボロこぼしながら時間をかけて食べています。歳をとった小鳥のようです。これを世間では「丁寧な暮らし」と呼ぶそうです。

【相談】冷蔵庫がカオス

光浦靖子さん。

【お悩み】
旅先で買ってきた佃煮や友人からもらった海外の珍しい調味料などで、冷蔵庫がごった返しています。賞味期限が切れた瓶詰の蓋をあけて匂いをかいで、大丈夫そう、まだ使える、とか思って処分できずにいます。(54歳・女性・冷蔵庫パンパン)

それが冷蔵庫です。私の冷蔵庫も調味料の有象無象でいっぱいです。で、1年に一度、カビの生えたもの、賞味期限が切れて2年以上のものを処分します。調味料なんて塩や砂糖をふんだんに使ってるから、腐ることはなかなかないですからね。でも、賞味期限2年すぎても使わないってことは、この先も使わないですからね。

「2年袖を通さなかった服は処分しろ」という教えがお掃除界にはありますが、私はこの教えには断固反対です。「5年寝かした服は、ヘビロテになる可能性大」が私の持論です。なので、服はずっと取っておきますが、調味料に関しては2年使わなかったものは処分することにしています。

なんでしょうね、「これ、めちゃくちゃ美味しいよ」と人から勧められたものって、私の経験上、打率2割5分ってとこですかね。4回に1回。確かに美味しいっちゃあ美味しいけど、ヘビロテになるまでではない。なんつーのか、期待値が上がりすぎちゃってるというのか、勧めてくれた人ほどの興奮を味わえたことないですよね。

自分で冒険して見た目で買ったものも、打率2割ってとこですかね。当然、見た目だけで買ってますから打率はもっと低い。ジャム、塩、ドレッシング、味噌だれ、だし醤油、出汁、メキシコの辛い調味料、中国の辛いタレ、「ご飯のお供に」と書いてある瓶、ふりかけ、数え切れない不発弾が私の冷蔵庫にあります。

料理人の方から「これ美味しいですよ」ともらった「あごだし」は本当に美味しかったです。この方は本当に美味しい料理を作るんですね。素晴らしい舌を持っている。そしてこの方は素晴らしい舌を持っていると私が信じ込んでいる。崇めている。ここも大きなポイントの一つではないかと思います。いわゆるプラシーボ効果も発揮されているのではないかと思います。

あなたにお土産で調味料をくれた友人を、あなた、それほど尊敬してないでしょ? 尊敬って料理の面でですよ。その時点でホームランは起きないです。

続きは「CREA」2026年秋号でお読みいただけます。

光浦靖子(みつうら・やすこ)

お笑い芸人・エッセイスト。1971年愛知県生まれ。幼なじみの大久保佳代子と「オアシズ」を結成。国民的バラエティー番組『めちゃ×2イケてるッ!』のレギュラーなどで活躍。また、手芸作家・文筆家としても活動する。著書に『私が作って私がときめく自家発電ブローチ集』(文藝春秋)ほか。2021年からカナダに留学中。

文=光浦靖子 写真=榎本麻美

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