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「2,000万円あるから大丈夫」夫の死後も口座を使い続けた60代妻→2か月後、銀行から告げられた“恐ろしい宣告”【現役FPは見た】

  • 2026.10.3
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 IFAの石坂です。

「家族が亡くなった後も、そのまま口座の預金を使えるだろう」

そう思い込んでいませんか?実際には、金融機関が名義人の死亡を把握した時点で口座は直ちに凍結され、生活費や公共料金の自動引き落としが突然ストップすることがあります。

残高がどれほど残っていても、相続手続きが完了するまでは自由な引き出しができません。仮払い制度も手続きには時間がかかるため、即日の支払いには対応できないのです。

今回は相談事例をもとに、口座凍結の落とし穴と備えるべき対策をお伝えします。

「いつも通り」が崩れた日、突然止まった口座

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

60代の女性からの相談です。夫が亡くなり、金融資産としては預金が約2,000万円ありました。

毎月の生活費はおよそ18万円で、内訳は公共料金が約3万円、食費が約5万円、通信費や保険料などが約4万円、その他支出が約6万円という状況でした。家計の管理はこれまで夫が中心となって行っており、これらの支払いはすべて夫名義の口座から自動引き落としになっていました。

女性自身は細かい支払い状況を把握しておらず、「毎月決まった金額が引き落とされる」という認識で生活を続けていました。夫の死亡後は、葬儀費用として約150万円を支出し、その後も役所や年金の手続きに追われる日々が続きます。

それでも口座からの引き落としは約1か月ほど通常通り行われていたため、「2,000万円あるから大丈夫」と考えていました。

しかし、2か月目に入った頃から状況が変わります。電気代約1万円、水道代約8,000円、携帯料金約9,000円の引き落としができておらず、合計で約3万円の未払い通知が届きました。

さらにクレジットカードの支払い約7万円も処理されておらず、合計で約10万円近い支払いが一度に滞る状態となります。慌てて銀行に問い合わせたところ、「名義人の死亡が確認されたため口座は凍結されています」と説明されたそうです。

女性は預金残高が1,800万円以上残っていることを確認していたため、「なぜ使えないのか」と強い違和感を覚えます。窓口では、相続手続きが完了するまで原則として引き出しはできないこと、遺産分割や必要書類の提出に数週間から数か月かかる可能性があることを説明されました。

女性の場合、相続人である子どもが2人とも遠方に住んでおり、書類のやり取りや同意の取得にも時間がかかる状況でした。

結果として、毎月約18万円の生活費を別口座から確保する必要が生じ、一時的に手元資金を取り崩して対応することになりました。預金残高としては十分な資金があるにもかかわらず、「すぐに使えるお金」が不足するという状態に直面したのです。

口座凍結の落とし穴

銀行は名義人が亡くなった事実を把握した時点で、その口座を凍結します。きっかけは家族からの連絡や、役所の手続きなど様々です。

凍結後は公共料金の引き落としもストップし、支払いが同時に滞る可能性があります。これは銀行の意地悪ではなく、預金が「相続人全員の共有財産」として厳格に扱われるためです。

※なお、法改正により、他の相続人の同意がなくても一定額(金融機関ごとに最大150万円まで)を引き出せる「遺産分割前の払戻し制度(仮払い制度)」が新設されました。しかし、この制度を利用するためにも「戸籍謄本」などの公的書類を集めて銀行の窓口に提出する必要があり、手続き完了までに数日〜数週間かかるケースが一般的です。そのため、数日後に迫った公共料金やクレカの引き落とし(即日)には間に合わないという時間差の落とし穴があります。

自分名義の口座に生活資金を確保することが大切

家族の死亡に伴う口座凍結は、預金が相続人全員の共有財産となるために避けられない措置であり、公共料金やクレカの支払いが一斉に滞るリスクをはらんでいます。

仮払い制度が存在するものの、戸籍謄本の準備等で引き出しまでに時間がかかるため、当面の支払いに間に合わない可能性が高い点に注意が必要です。対策として、配偶者名義の口座に3〜6か月分の生活費を確保しておくことや、引き落とし口座の分散、死亡後すぐに手元に入る生命保険金の活用が効果を発揮します。

「残高」と「使える状態」の違いを認識し、事前の資金準備で急な生活破綻を防ぎましょう。


執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、マネーシップス代表。累計1,200件以上の相談対応に加え、金融記事の制作・校正・監修の対応を行っています。専門は「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」。資産運用やライフプラン設計では、分散投資の考え方と人の心理を踏まえた行動設計をもとにサポートしています。
保有資格:証券外務員一種、2級FP技能士、AFP、NISA取引アドバイザー、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、金融リテラシー検定

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