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「あとで一緒に払います」売り場でコロッケを食べた男の子。母親に声をかけたあと、店員が取った対応

  • 2026.9.12

揚げ物のケースの前で、小さな手が伸びた

夕方のスーパーだった。

仕事帰りの客が増える時間で、惣菜売り場の前にも何人かが並んでいた。

私は値引きの札が付くのを待ちながら、揚げ物のケースの端に立っていた。

その少し前から、小学校に上がる前くらいの男の子が、母親のそばを行ったり来たりしていた。

母親はカートを押しながら、ときどき携帯の画面を見ている。

「お腹すいた」

男の子がそう言って、コロッケのケースに手を伸ばした。

横にはトングが置いてあったが、子どもの背ではうまく届かなかったようだ。

次の瞬間、男の子はコロッケを一つ手で取り、その場で口にした。

さらにもう一つを手に持っている。

私は思わず母親のほうを見た。母親も気づいたようで一度こちらを見たものの、男の子に近づくことなく、カートを押して先へ進もうとした。

「あの、お子さんがコロッケを…」

声をかけると、母親は足を止めた。

「あ、すみません。あとで一緒に払います」

そう言って男の子を呼んだが、子どもはまだコロッケを持ったままだった。

店員が責める代わりに確認したこと

少し離れたところで商品を並べていた店員も、その様子に気づいていたようだった。

店員は男の子のそばまで来ると、しゃがんで静かに声をかけた。

「お腹すいてたんだね。でも、これはお会計してから食べようね」

男の子は母親の顔を見て、小さくうなずいた。

店員は母親にも、「先ほどの分もレジで一緒にお願いします」と伝えた。母親は少し気まずそうな顔をしながら、「はい、すみません」と答えていた。

そのあと店員は売り場の値段を確認し、小さな紙に商品名と個数を書き込んだ。コロッケが二つ。

私はその紙を持って店員がレジのほうへ向かうのを見ていた。

私も買い物を済ませ、少しして別のレジの列に並んだ。ちょうど前のほうには、さきほどの親子がいた。

惣菜売り場の店員はレジ係に短く事情を伝え、書いた紙をカウンターの脇に置いた。

親子の順番になると、レジ係が母親に声をかけた。

「先ほどのコロッケ二点も、一緒にお会計しますね」

母親は一瞬だけ手を止めた。

「あ、はい。お願いします」

レジ係が金額を打ち込み、母親はそのまま代金を支払った。言い争いになることもなく、周囲の客も特に口を挟まなかった。

会計を終えると、母親は男の子の手を取り、二人で出口へ向かっていった。

私がレジを離れるころには、店員はもう惣菜売り場に戻り、何事もなかったようにケースの中を整えていた。

強い言葉で責めるのではなく、必要なことだけを伝えて淡々と対応した姿が、しばらく印象に残った出来事です。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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