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沈没する船から脱出…孤島に漂着したのは数人の男とたったひとりの女!極限状態のなかのサバイバルドラマ【作者に聞く】

  • 2026.9.10

物語の舞台は、昭和20年の終戦直後の北の海に浮かぶ無人島である。一体、この孤島で何が起こったのか?なぜこの島に漂着することになったのか?軍人である男たちと唯一の女性が命からがら漂流してきたとき、その島の浜辺はまるで“地獄”の有様だった——。

※この漫画には、一部ショッキングな描写(グロテスクな表現)が含まれます。苦手な方は閲覧にご注意ください。

舞台となるのは、宗谷海峡の北西に浮かぶ小さな孤島だ (C)海谷きき/芳文社
舞台となるのは、宗谷海峡の北西に浮かぶ小さな孤島だ (C)海谷きき/芳文社

昭和20年の敗戦直後の夏、攻撃の手を緩めないソ連軍から逃れるため、樺太から北海道の稚内へ退避する引き揚げ船・大田原丸には民間人とともに海軍兵士も警備兵として乗り込んでいた。民間船である大田原丸は攻撃を受けないはずだったが、なぜか魚雷による襲撃に遭い沈没。現場は騒然とする。

突然の攻撃に船上は混乱を極める (C)海谷きき/芳文社
突然の攻撃に船上は混乱を極める (C)海谷きき/芳文社

折悪しく嵐によって海は荒れており、乗員の多くは波に呑まれてしまう。命からがら孤島に漂着した生存者たちは、島から生きて帰るために力を合わせ態勢を立て直そうとするのだが、島に流れ着いていたのは彼らだけではなく「別の生存者」の存在も——!

本作『獄樂漂流記』は、孤島に流れ着いた軍人や避難民たちが、極限状態の中で生き抜く姿を描いたサバイバル・ドラマである。2026年7月に「週刊漫画TIMES」(芳文社)で連載が開始されたばかりで、初回は堂々の巻頭カラーでスタート。すでに注目を集めている。

軍人である兄は、医療従事者である従軍看護婦の比奈子に「生きろ」と伝える (C)海谷きき/芳文社
軍人である兄は、医療従事者である従軍看護婦の比奈子に「生きろ」と伝える (C)海谷きき/芳文社

本作を描いたのは、漫画家の海谷きき(@valleymt_3)さんである。本作以外にも連載を抱える新進気鋭の漫画家で、現在は「呪物」をモチーフにした漫画『贈呪は禁止されています』(幻冬舎コミックス)も「comicブースト」にて好評連載中だ。『贈呪は禁止されています』は呪物コレクターとして有名な田中俊行さんとタッグを組んで制作している話題作である。そんな海谷ききさんに、最新作である『獄樂漂流記』について、見どころや本作にかける想いを聞いてみた。

小さな島であることが判明 (C)海谷きき/芳文社
小さな島であることが判明 (C)海谷きき/芳文社

――新連載の開始、おめでとうございます。巻頭カラーでの連載スタートということで期待値の高さを感じますが、本作に込めた想いや意気込みをお聞かせください。

ありがとうございます!無人島に漂着した集団のなかに女性がただひとりという特殊な環境を舞台に、人はどこまで理性を保てるのか?何を守ろうとするのか?そんな、ある種の思考実験のようなスリルを楽しんでいただける作品にしたいと考えています。

また本作は戦争や無人島漂着という極限状態を舞台にしていますが、描きたいのはそれらそのものではなく秩序や常識が失われた世界で、それぞれが異なる価値観や正義を抱えながら生き残ろうとする人間ドラマも描いていきたいです。「もし自分だったらどうするだろう?」みたいなところも考えながら楽しんでいただければうれしいです!

――本作は実際に起こった「三船殉難事件」の小笠原丸をモチーフにされているとお見受けしましたが、この事件をモチーフにした理由は?

終戦間際、多くの民間人を乗せた引き揚げ船が攻撃を受けたという史実を知ったことがきっかけでした。該当の時代は前線の激しい戦闘が注目を浴びがちですが、その裏で故郷へ帰ろうとしていた人々にも多くの思いや悲劇があったかと思います。それらの歴史を一つの入口として、「極限状態に置かれた人間は何を選ぶのか」というテーマを描きたいと思い、この事件をモチーフにさせていただきました。

また、本作は「三船殉難事件」のほかにも第二次世界大戦中に太平洋の島に取り残された日本人男性約30名と女性1名が、終戦後も島でサバイバルを続けた実話「アナタハンの女王事件」からも着想をいただいています。

――本作を描くなかで難しかったシーンはありますか?

史実を参考にしている部分が多いため、当時の資料を学ばせていただきながら、時代背景や生活の描写にも気を配っています。

また実際に起こった事件をモチーフにしているからこそ、その時代を生きた方々への敬意を持ちながら描くことをいつも大切にしています。

――今後の見どころについて教えてください。

物語はサバイバル漫画としての縦軸がありつつも、読み進めていただくほどそれぞれのキャラクターが抱える過去や価値観が明らかになるように描いていきたいと思っています。主人公・木島をはじめ、仲間たちが極限状態のなかで各々の思いを抱えながらどう生き残っていくのかに注目していただきたいです!推しキャラができたらぜひ教えてくださいね。

漂着した島は、敵国の領土なのか否か? (C)海谷きき/芳文社
漂着した島は、敵国の領土なのか否か? (C)海谷きき/芳文社

『獄樂漂流記』は、現在発売中の「週刊漫画TIMES 2026年9/11号」で第2話が好評掲載中である。今後どのような展開となっていくのか、実際にあった「三船殉難事件」について知った上で、本作を読み進めてみるのもいいだろう。

取材協力:海谷きき(@valleymt_3)

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