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「大丈夫ですよ。いつも見守ってますから」何気ない一言なのに、私が習い事をやめるまでになった理由

  • 2026.9.11

教えた覚えのない相手から、一通が届いた

昔、私は週に一度、習い事に通っていました。教室へ入る前に入口の下駄箱で靴を履き替える。その短い時間が、なぜか好きでした。

そこで顔を合わせる方がいました。何度かほかの人も交えて食事をしたことはありましたが、二人きりで会ったことはありません。

もちろん、個人的に連絡先を交換した覚えもありませんでした。

ところがある日、携帯に一通の連絡が届きました。

「お疲れさまです。さっき、改札の前にいましたよね?」

差出人を見て、思わず画面を二度見しました。教室で知り合った、あの方だったのです。

最初に浮かんだのは、「どうして私の連絡先を知っているんだろう」という疑問でした。

ただ、以前グループで食事をしたこともあったので、どこかで共有されていたのかもしれない。そう考えることにしました。

駅で見かけたことについても、同じ路線を使っているなら偶然だろうと思いました。

けれど、そのあとに続いた文章を読んで、少し手が止まりました。

「今日、明るい色の上着でしたよね。かばんも、持ち手が変わった形のやつ」

その日は仕事ではなく、休みの日に一人で出かけていました。

私は少し迷ってから返信しました。

「…よく分かりましたね。どこかで会いました?」

返事はすぐに来ました。

「ああ、なんとなく気づいただけですよ」

そのあと、もう一文届きました。

「大丈夫ですよ。いつも見守ってますから」

冗談なのかもしれません。本人には、親切のつもりだったのかもしれません。

それでも「いつも」という言葉だけが、妙に引っかかりました。

私は何と返せばいいのか分からず、結局その日はそこでやり取りを終えました。

返信をやめると、入口で声をかけられた

それから数日おきに、その方から短い連絡が届くようになりました。

「今週末って、どこか行く予定あるんですか?」

文章だけ見れば、知り合い同士の何気ない会話にも見えます。

けれど、私は少しずつ返事をするのが嫌になりました。

一度返信をすると、また次の質問が届く。そんなやり取りが続いたからです。

しばらくして、私は返事をしなくなりました。

すると今度は、教室へ行ったときに入口で声をかけられることが増えました。

靴を履き替えて顔を上げると、その方が近くに立っています。

二度目に待たれていた日、その方は少し困ったような顔をしました。

「最近、全然返事くれないですよね」

私は曖昧に笑いました。

すると少し間を置いて、こう聞かれました。

「…私、何かしました?」

責めるような言い方ではありませんでした。

むしろ本当に理由が分からない、という顔に見えました。

だから余計に困りました。

「いえ……そういうわけじゃないです」

それだけ言うのが精いっぱいでした。

「じゃあ、よかった」

相手はほっとしたように笑いました。

私はその笑顔を見ながら、自分だけが気にしすぎているのだろうか、と考えていました。

はっきり脅されたわけではありません。乱暴なことをされたわけでもありません。

それでも、知らないうちに行動を見られているような感覚だけは消えませんでした。

返信をやめれば距離を置けると思っていましたが、同じ教室へ通っている以上、顔を合わせる場所は残っています。

私は誰にも相談できないまま、そのうち教室へ行く回数が減り、最後には通うのをやめました。

あれから、その方とは一度も会っていません。

悪い人だったのかどうかは、今でも分かりません。教室ではよく笑っていましたし、強い言葉を向けられたこともありませんでした。

それでも今も、駅の改札を出るとき、ふと後ろを振り返ることがあります。

あのときの「いつも見守ってますから」という言葉が、どこまでを指していたのか。

結局、それだけは今も分からないままです。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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