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「一枚くらい、いいじゃないですか」3歳の娘のお菓子を欲しがる親子。児童館職員が静かに伝えたこと

  • 2026.9.11
「一枚くらい、いいじゃないですか」3歳の娘のお菓子を欲しがる親子。児童館職員が静かに伝えたこと

休憩していると、知らない男の子が近づいてきた

近所の児童館は部屋数が多く、平日の昼過ぎは比較的空いていました。3歳の次女は積み木を並べたり、滑り台を何度も滑ったりして、夢中で遊んでいました。

しばらくすると、娘が私のところへ駆けてきました。

「ママ、のどかわいた」

「いっぱい遊んだもんね。ちょっと休もうか」

休憩できる場所へ移り、持ってきた紙パックのジュースとお煎餅を出しました。

娘がストローをくわえたところで、小さな男の子がこちらへ近づいてきました。娘と同じくらいか、少し上に見えます。

男の子はお煎餅をじっと見てから、私の顔を見上げました。

「ぼくも食べたい」

「そっか。でも、ごめんね。これはこの子の分なんだ」

「一個だけでも?」

「ごめんね。お母さんかお父さんに聞いてみてね」

少し残念そうな顔はしましたが、男の子は「わかった」と言って走っていきました。

娘はその背中を見送ってから、お煎餅を半分に割りました。

「ママ、はんぶんこ」

「ありがとう。じゃあ一緒に食べようか」

そのときは、それで終わったと思っていました。

「少しくらい、いいじゃないですか」

ところが一分ほどすると、さっきの男の子が母親らしい女性と一緒に戻ってきました。

女性は私の前まで来ると、娘のお煎餅をちらりと見ました。

「すみません。この子、お菓子欲しかったみたいで」

「あ、はい。さっき来てくれたんですけど、人のお子さんには渡さないようにしているので…」

そう答えると、女性は少し眉を寄せました。

「でも、一枚くらいですよね?」

「すみません。何かあってもいけないので」

「ええ…そんな大げさな。うちの子にもちょうだいって言ってるだけでしょ?」

急に声が大きくなり、娘が驚いて私の腕にしがみつきました。

「ママ…」

「大丈夫だよ」

私は娘を抱き寄せながら、どう返せばいいのか迷っていました。

すると声が聞こえたのか、廊下から児童館の職員がやってきました。

「どうされました?」

女性が先に口を開きました。

「この子がちょっとお菓子を欲しがっただけなんです。でも、絶対だめって言われて」

私は慌てて補足しました。

「男の子には、ご家族にもらってねって伝えたんです。それで今、お母さんが来られて……」

職員は私と女性の顔を交互に見てから、落ち着いた声で言いました。

「そうだったんですね。ただ、お菓子はそれぞれのご家庭で用意していただくものなので、ほかの方に分けてもらうようお願いするのは控えてください」

女性は少し黙ったあと、

「…わかりました」

とだけ答えました。

まだ納得していないようにも見えましたが、それ以上は何も言わず、男の子の手を取ってその場を離れていきました。

男の子は何度かこちらを振り返り、最後に娘へ小さく手を振りました。娘も私の腕の中から、そっと手を振り返していました。

職員は娘の目線までしゃがむと、やさしく声をかけてくれました。

「びっくりしたね。もう大丈夫だよ」

娘は少しだけうなずき、私の手を握りました。

子どもがお菓子を欲しがること自体は、珍しいことではありません。ただ、親同士だからこそ、断られたときには一歩引くことも必要なのだと感じた出来事でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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