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「いらっしゃいませって言うな!うるさい!」コンビニでやつあたりする客。だが、店員が静かに取った行動とは

  • 2026.9.10
「いらっしゃいませって言うな!うるさい!」コンビニでやつあたりする客。だが、店員が静かに取った行動とは

入口での怒声

仕事帰りに立ち寄ったコンビニで、私はトイレが空くのを待っていた。中の人がなかなか出てこなかったので、雑誌の棚を眺めながら時間をつぶしていた。

そのとき、自動ドアが開いた。

「いらっしゃいませ」

レジの店員が、入ってきた男性にいつもの調子で声をかけた。

すると男性が、入口のマットの上でぴたりと足を止めた。

「……うるさいな。いちいち言わなくていいよ」

店員が一瞬、男性の顔を見る。

「聞こえてる?うるさいって言ってるんだけど」

レジ前に並んでいた客も、何事かと男性のほうを振り返った。

それでも店員が何も言わないでいると、男性はさらに声を大きくした。

「いらっしゃいませって言うな!うるさい!」

店員は言い返さなかった。慌てて謝りに行くこともなく、レジの中に立ったまま男性の様子を見ていた。

しばらくすると、男性はようやく入口から離れ、店内を歩き始めた。

私はそろそろトイレが空くかと思い、雑誌の棚からトイレの近くへ戻った。

男性はレジ横のカップ麺の棚で足を止めた。商品を一つ手に取って眺めたあと、少し乱暴に棚へ戻す。

ゴトッ、と音がした。

会計中の客が振り返り、小さな声で店員に聞いた。

「……大丈夫ですか、あの人」

店員は男性をちらりと見たあと、手元の商品に視線を戻した。

「すみません。先にお会計だけ済ませますね」

「あ、はい……」

声は落ち着いていたが、袋を渡す手が少しだけ急いでいるように見えた。

「怖かったですよ」と店員は言った

会計を終えた客が店を出ても、男性は棚の前にいた。

別の商品を手に取り、また乱暴に戻す。

そこで店員が、レジから声をかけた。

「あの、お客様。すみません。商品はもう少し丁寧に戻してもらえますか」

男性が勢いよく振り返った。

「は?壊してないだろ」

「はい。でも、強く置くのはやめてもらえますか」

「触っただけじゃん。そんなことでいちいち言う?」

店員は少し間を置いた。

「すみません。ほかのお客様もいますので、お願いします」

男性は何か言い返しかけたものの、周囲を見回した。

レジの近くにいた客も、私も、黙ったままその様子を見ていた。

数秒ほど店員をにらんだあと、男性は手にしていた商品を棚へ戻した。

「…もういいよ」

その声は、入ってきたときよりずっと小さかった。

「こんな店、もう来ないから」

誰に言うでもなくそう吐き捨てると、そのまま入口へ向かって歩いていった。

自動ドアが開き、男性は一度も振り返らずに外へ出た。

ドアが閉まった瞬間、それまで張りつめていた店内が急に静かになった。

ちょうどトイレから出てきた人が、不思議そうに周囲を見回していた。

店員は小さく息を吐き、男性が触っていた商品を確認し始めた。

私は迷ったものの、思わず声をかけた。

「……大丈夫ですか?」

店員がこちらを見た。

「あ、はい。すみません、びっくりしましたよね」

「こっちは大丈夫ですけど…怖くなかったですか?」

そう聞くと、店員は少しだけ苦笑した。

「怖かったですよ。正直、何するか分からなかったんで」

「ですよね…」

「でも、こっちまで怒ったら、もっと大きくなりそうだったから」

そう言って、店員は棚の商品を元の位置へ戻した。

さっきまであれだけ大きな声が響いていたのに、店内にはもう冷蔵ケースの低い音しか聞こえなかった。

店員も、本当は怖かった。それでも相手につられて声を荒らげず、必要なことだけを伝えていた。

あのときの静かな対応を、私は今でもよく覚えている。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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