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「娘に選択肢を与えられるのは私だけ」娘を名門小学校に通わせたいワーママのコンプレックス【著者対談】

  • 2026.9.7

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「小受」。就学前の子どもたちが、名門小学校への入学を目指す小学校受験のことだ。未就学児たちの進学塾とも言える幼児教室の送迎や、親子揃っての面接など、保護者がかかわるタスクの多い小受は、家族全員にとっての戦いでもある。しかし、中学受験や高校受験に比べると受験者は少ないため、小受とはどんなものなのか詳しく知る人は多くないだろう。

『君の背中に見た夢は』(外山薫:原作、たちばな豊可:漫画/KADOKAWA)は、そんな小学校受験に挑む家族の物語である。「子どもの将来の選択肢を増やせるのは自分だけ」という責任を感じながら、仕事との両立や夫との関係で葛藤する母親・茜の姿は共感必至だ。

原作小説の著者であり、慶應義塾大学出身という経歴を生かして教育分野での発信を続ける作家の外山薫さんと、3人の子どもを育てながら漫画家として活躍するコミカライズ版の著者・たちばな豊可さんのふたりに、本作に込めた想いや制作の裏話について伺った。

※個人の体験、お話をもとにインタビューを行っています。ご了承の上お読みください。

——小学校受験をすることは、のちのちの学歴にも大きくかかわってきますよね。だからこそ「いい学校へ行って学歴がついたからといって、それが子どもの生きる力に直結するのか?」という葛藤も出てくるわけですが。

外山薫さん(以下、外山):お受験に限らず、子育てでは、親が必死になればなるほど“本当にこれでいいのだろうか”という葛藤が大きくなる気がします。いい学校に行けば誰もが幸せになれるわけではないですよね。親は必死だけど、はたしてそれが本当に子どものためになっているのか。

たちばな豊可さん:私は大学を出て漫画家になりましたが、高卒や専門学校卒の作家さんもたくさんいます。学歴は全く関係ない業界ですね。どの学校へ進学しても子どもが夢を叶えられるなら、それはそれでいいかもしれない。いい学校に入れなきゃという焦りは、親が「それが子どもにとっていいルートだ」と本気で思っているから。だからこそより一層必死になっちゃうのかもしれません。

——主人公の茜も「(娘へ将来の)選択肢を与えられるのは私だけ」と悩みますよね。ただ、お受験するとなれば壮絶な戦いに娘を巻き込んでいくわけで…。子どもの背中に見た夢が、子どもの自由を奪う檻にもなりえることが伝わってきました。

外山:茜は大学から名門大学に入りました。だから、幼稚舎出身のキラキラした友人たちを見て、“自分もこうなりたかったけど無理だった、でも我が子ならワンチャンあるんじゃないか”と夢を見るのは自然なことだと思うんです。

一歩引いて客観的に見れば、どうしてこんなにもお母さんが真剣になるのか、と滑稽に見えるかもしれない。けれど、本人は本気。そのギャップも真摯に表現したいと思いました。

取材・文=吉田あき

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