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ジュリー・ケーゲル、LVMHプライズ2026のグランプリに!

  • 2026.9.9
Getty Images

女性らしさの多様な矛盾を追求した脱構築的なデザインでデザインで知られるベルギー人デザイナーのジュリー・ケーゲルが、LVMHプライズ2026のグランプリに輝いた。準優勝にあたるカール・ラガーフェルド賞は、ニューヨークを拠点とするリー(LII)を率いるゼイン・リーが受賞。また、ケニア人として初のファイナリストとなったアニル・パディアが手がけるヨシタ 1967(YOSHITA 1967)がサヴォアフェール賞を獲得した。

勝者は、ジョナサン・アンダーソン、サラ・バートン、フィービー・ファイロといった豪華な審査員陣により、9組のファイナリストの中から選出された。

ケーゲルはアントワープ王立芸術アカデミーを卒業後、2024年にアントワープで自身の名を冠したウィメンズウェアブランドを立ち上げた。彼女のデザインは、従来のデザイン概念を覆すことで、現代におけるラグジュアリーのあり方に挑戦している。最新の2026-27年秋冬コレクションでは、シルエットの操作、変則的なレイヤリング、ファブリックプリントによって影のような視覚効果を作り出し、女性的なオーラと「認知」というテーマを追求した。

アヴァンギャルドな背景を持ちながらも、彼女のデザインは常にウェアラブルだ。「自身の作品について語ったり、説明したりすることはいつでもできます。けれど、最終的に重要なのは服そのものだと思います」と、授賞式直後のビデオ通話でジュリーは語った。「そこには常にストーリーが存在しますが、複雑にしすぎる必要もないと思っています。心を動かすディテールがひとつあれば、それで十分です」

ジュリー・ケーゲル 2026年秋冬コレクション Getty Images

LVMHは次世代のクリエイティブな才能を育成するため、2013年に「LVMH Young Fashion Designers Prize」を設立した。過去の受賞者には、ソウシオオツキ(SOSHIOHTSUKI)の大月壮士、ウェールズ ボナー(WALES BONNER)のグレース・ウェールズ・ボナー、マリーン・セル、ネンシ・ドジャカらが名を連ねる。グランプリ受賞者には40万ユーロの賞金が授与され、LVMHのエキスパートチームによる1年間のメンターシップが提供される。カール・ラガーフェルド賞とサヴォアフェール賞の受賞者にも、それぞれ20万ユーロの賞金と1年間のメンターシップが贈られる。

筆者は授賞式後、デザイナー3名それぞれと話し、2026年にブランドを維持していくことがいかに困難かを改めて実感させられた。ジュリーは、受賞スピーチの際に、「ブランドが実際に支払える以上の時間とエネルギーを、私たちがともに行うプロジェクトに注ぎ込んでくれている情熱的な若者たち」への感謝を忘れなかった。どのデザイナーも急激な成長は望んでいないが、賞金の使い道として真っ先に挙げたのは、チームの拡大とインフラの強化だった。

リー 2026年春夏コレクション Victor VIRGILE / Getty Images

リー(LII)を率いるゼインは、ブランドで働くのは彼ひとりだけだと明かした。中国出身の彼は、ファッション工科大学(FIT)を卒業後、2023年にニューヨークでリーを設立。スポーツウェアとエレガンスという対立する概念を解体、再構築する手法で、業界内にファンを増やしてきた。「今、デザイナーであることは単に服を作ること以上の意味を持っていると感じます」とゼインは言う。「縫製職人やパタンナーであるだけでは足りません。広報担当者であり、コンテンツクリエイターであり、グラフィックデザイナーでもある必要があります」

ナイロビとパリを拠点とするアニル・パディアは、工芸という文化遺産を保存し、再解釈したいという情熱から2024年にヨシタ 1967(YOSHITA 1967)を設立した。「2026年の今、大切なのはオーセンティシティ(本物であること)だと思う」とアニルは語る。クロシェ編み、刺しゅう、装飾がふんだんに施された彼のコレクションは、すべてケニアの女性職人たちによる手作業で作られている。「世の中では非常に多くのことが起きているからこそ、極めてパーソナルなものを作り出すことに大きな価値がある」。それこそが、今年の審査員陣の心に響いた共通のテーマだったようだ。

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