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奇跡の巡り合わせが生むkrank藤井健一郎の木のオブジェ、2026年新作インタビュー

  • 2026.9.6
YUICHIRO HIRAKAWA

2025年、エル・デコのために制作していただき大好評を博した、krank(クランク)・藤井健一郎の木のオブジェのシリーズ。今年は12点の新作と、定番のペンダントランプ『バードハウス』、花器『鳥のフラワーベース』をつくっていただいた。物語が始まりそうな作品はどうやって生まれたのか、藤井に話を聞いた。

『バードハウス』(大3点・小3点)、『鳥のフラワーベース』(10点)は、9月7日10時から先着順販売。その他の12作品は抽選販売で申し込みは9月7日10時から9月30日17時まで。




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古い木に新たな命が吹き込まれる

福岡でアンティーク家具店、krank(クランク)を営む藤井健一郎。彼がつくる木のオブジェは、一つ一つが奇跡のような巡り合わせでできている。オランダのウサギのオブジェと、フランスの木製シャンデリアのパーツを組み合わせてオルゴールに。イギリスのチェアの背に、オランダの馬のオブジェが回転木馬のように下がる。国も時代も異なるさまざまな古い木の家具や装飾が、藤井によって結ばれて、新たな物語を紡ぎ始める。

「シャンデリアの中央のパーツはひっくり返したらバルコニーの手すりのように見えたんです、その内側に動物を立たせたらいいんじゃないかなと思ってウサギのオルゴールができました。馬のオブジェは、イギリスの古い椅子の背もたれにぴったりでした」

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サーカスや移動遊園地、シャイにうつむく動物など、心動かされる世界を表現したと語る藤井。木箱をドッグハウスのようにして寝ている犬や、振り返って視線を落とす小鹿など、そっと近寄りたくなる、愛しい表情を見せてくれる。

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藤井は制作についてこう語る。

「家具という出発点があるので、できるだけ照明やミラーなどインテリアの一部になる作品をつくりたいと考えています」

アンティーク家具ショップのクランクでは、ヨーロッパで買い付けたものを、そのままでは販売していない。家具の塗装を自分たちで全て剥がして、木と家具の素の美しさを見せることにこだわる。ちゃんと生活で使えるように、必要な補強や補修を行うのも重要なプロセスだ。

藤井の古い木のオブジェの制作は、このように日々、木の家具を触り、向き合う中で始まった。だから彫刻刀で木を彫るのではなく、家具の修理に使う道具でつくられている。

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オリジナルのペンダントランプ『バードハウス』と花器『鳥のフラワーベース』は、藤井が一から造形を考えてつくっている作品。これらも新しい木ではなく、古い家具の端材から削り出してつくられている。

「壊れていても、アンティーク家具には、100年、200年と時代を経てきた、しっかりした、いい木が使われているものがある。だから端材も大切に取っておいて制作に使っています」

アンティークの木と、藤井のイマジネーションが紡ぐ世界は、話を聞くほどに驚かされる。以下から、12点の作品について、藤井の解説を掲載。エル・ショップのサイトではディテールカットもたくさん掲載しているので併せてじっくり見てほしい。

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ハンガーラック『月の入口』 ¥98,450

ハンガーラックの上の階段を歩く、一頭のクマ。よく見ると、クマはキャンドルを運んでいる。「階段が好きなんです。動物や人が階段を上っていくシリーズを何度かつくってきました。キャンドルを持たせることが多いですね。この階段はどこに続くかわからない階段です。見た方の空想が広がるとうれしいです」

クマはオランダの古い家具や小物の装飾だったと思われるもので、少し足の角度を変えて上っているポーズをつくり出した。階段は古い木を使って制作している。

「最近、ハンガーラックをつくりたいと思っていて。今回は雰囲気に合うハンガーも用意しました。ハンガーはベルギーの古いものです。洋服がかかっていなくても、きれいに見えるハンガーラックにしたかったんです。ヨーロッパのハンガーは大きいので、削って肩幅を狭くしています。小さく見えますが、肩が自然に落ちるようにして大人の服をかけられます」

抽選販売

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裁縫箱『スリープ』 ¥79,750

大きなたれ耳の犬はフランスで見つけたもの。「見た瞬間に、裁縫箱に隠れている姿がすぐに思い浮かびました。犬の背中に針山を付けています。針山は、ヴィンテージファブリックで作品をつくっている作家、ヒラシマヨウさんにお願いしました」

裁縫箱の木のボックスは、ベルギーの古い道具入れ。仕切りと持ち手のついた蓋は藤井が制作している。「アンティークの木の種類は限られるのと、クランクで端材をたくさん保管しているので、このように色を合わせてつくることができるんです」

抽選販売

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テーブルランプ『氷の向こう側』 ¥87,120

子猫が氷の張った池のへりで、様子をうかがっているような瞬間がランプに。「子猫のオブジェがとても小さかったんです。そこでちょうどこの木のボウルの縁に乗せられるなと。ボウルの真ん中には電球があって、子猫は明かりを警戒しているけれど、好奇心が強くて興味津々でじっと見ている。猫はそんな時がありますよね。子猫はオランダのものです。ボウルはラトビア製、ラトビアにはこうした木の伝統工芸があるようです」

抽選販売

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オブジェ『サーカス』 ¥102,850

置時計や壁掛け時計など、針が動いて時の流れを感じさせる時計というモノが好きだという藤井。このクマのクロックは時間に追われない時計をつくりたかったのだと言う。「そろそろ12時だからお昼だな、とわかるくらいの時計です。このクマはオランダのもので、とてもできがいいので台座に立たせました。オランダの伝統工芸の一つに木のクマがあるんです。こちらで汚れや塗装をはがした後、目に金を入れています。台座は家具のパーツで、ろくろ脚の一部です。時計は古い木の端材でつくっています」

抽選販売

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上から
壁掛けランプ『星待ち』
¥98,450

「もとはベルギーの壁付けのランプでした。ラウンドしたデコラティブなシェイプや格子の模様はオリジナル。そこに手前にのびるバーを取り付けてランプを下げています。当初の照明からはだいぶんイメージが変わりました。シェードは古いガラスを磨いています」

バーの上にのせた小さい鹿はオランダのもの。立ち止まって、このランプの周りにいる人を見ているかのようだ。

抽選販売


テーブルランプ『もうひとつの世界』
¥98,450

「これはフランスの犬です。犬や猫のオブジェは人気があるからマーケットに出てくる数が少ないんですが、この犬は全体的な雰囲気がよかった。毛並みなどの装飾的な要素は削って取り払っています。今回表現したかったのは鏡を見ている犬ですが、単なるオブジェにはしたくなくて、背中にランプを付けました。何かをつくる時に『自分は家具屋だ』という意識があるんです、インテリアの一部、家の一部になってほしいと思います」

台座と鏡のフレームは、犬に合わせてヨーロッパの古い木の端材でオリジナルで制作している。

抽選販売


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ペンダントランプ『レイン』 ¥104,720

「窓辺にいる猫というモチーフが好きなんです。このランプは窓の向こうを見ている猫を表現しました」。使ったのはベルギーの大きなフロアランプのシェード。ガラスが一部破れているなど破損もあったが、木の構造はしっかりしていたので家の窓枠に見立てて生かした。「もとは下から上に向かって照らすランプだったのを、これもシェードをさかさまにして上から照らすペンダントランプに。オランダの猫のオブジェのサイズがぴったりでした」

抽選販売

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上から
ペンダントランプ『翼の群星』 ¥118,580

このランプは、細い木のフレームを見つけたところから制作がスタートした。もとはフランスの古い糸巻きの道具だという。「構造がとてもきれいで、惹かれました。フレームをさかさまにして、その周囲を僕がつくる定番の鳥が飛んでいます」。鳥には真鍮のバーが付いていて、それをフレームに引っかけてセットする。鳥の向きや並びを、好みで変えて楽しむことができる。

抽選販売



壁掛けミラー『フレンズ』 ¥98,450

「最近は人のオブジェもよく作品に使っています。このミラーの下に腰掛けている人はベルギーのもので、もとは切り株に座っていました。それを他と同じように塗装をはいで、全体的に削って仕上げています。ほとりにぽつんと座っているようだけれど、鳥がそばにいて独りぼっちじゃないんです」。ミラーはオランダのものでフレームはしっかりしており、高さ75cmと、日常づかいできる。

抽選販売

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左から、
チェア『初雪』
¥102,850

人気のチェアは今回2作品。椅子は、イギリスの1940年代の家庭や飲食店で使われていた一般的なもので木はオーク、座面は籐だった。「籐の座面は傷んでいたので古い木でつくり変えています。脚はオリジナルのもので、前の脚がろくろで、後ろの脚はストレート。背もたれに付けたガゼルはオランダの古いもので、形がとてもきれいなんです」。岩の上で前脚に力を入れて立つポーズが写実的に表現されている。あたかもその年最初に降った雪に気付き、ふと振り返ってあたりの様子を見ているかのようだ。

抽選販売


チェア『メリーゴーランド』 ¥102,850

同じチェアの背もたれに、オランダの馬を取り付けた作品。背もたれのスポーク(棒)から下がるように馬を付けて、回転木馬のように見せた。「メリーゴーランドも昔から好きなテーマ。この馬のオブジェの駆けているポーズがぴったりとこの椅子にはまりました」

抽選販売

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ペンダントランプ『バードハウス』 大サイズ ¥38,500
ペンダントランプ『バードハウス』 小サイズ ¥38,500

藤井が定番として制作しているペンダントランプ。シェードと鳥の形は藤井のオリジナル。木の素肌の美しさを引き立てるシンプルな仕上げだ。シェードから顔を見せてくれる鳥がなんともかわいらしい。大・小各3点限定。

9月7日10時から先着順販売



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花器『鳥のフラワーベース』 ¥14,850

鳥が花を運ぶ、人気のフラワーベース。この鳥も藤井のオリジナルだ。ガラスの花器は、花はもちろん、実のついた小ぶりの枝ものなども似合う。鳥はアンティークの家具の端材を用いて制作。10点限定。

9月7日10時から先着順販売

販売・抽選申込について
「ELLE DECOR限定・krank藤井健一郎の木のオブジェ2026」

ペンダントランプ『バードハウス』 大3点と小3点、花器『鳥のフラワーベース』10点は、9月7日10時から先着順販売。
その他の12作品は抽選販売で申し込みは9月7日10 時から9月30日17時まで。


藤井健一郎

福岡でアンティーク家具店「クランク(krank)」とアパレル・雑貨の 「マルチェロ(marcello)」を営む傍らアートオブジェも発表。2024年ATELIERMUJI GINZAで大規模な個展を開催。Instagram

Photo YUICHIRO HIRAKAWA

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