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釉薬と造形が生む新しい景色── 吉野瞬の新作

  • 2026.9.5
REIKO TOYAMA

広島を拠点に制作を続ける陶芸家・吉野瞬。日々の暮らしに寄り添う器づくりを軸に活動し、近年は海外のギャラリーやコレクターからも注目を集めている。

「人」をモチーフに、一点ごとに異なるフォルムを制作したテーブルランプ。昼はオブジェとして、夜は明かりとして、時間とともに表情を変えて空間に寄り添う。“ランプA”(W16×D16×H58cm)¥125,730 REIKO TOYAMA

今回『エル・デコ』のために手掛けたのは、ランプ、祭杯(さいはい)、カフェオレボウル、ドリッパー。一日の何げない時間を思い描きながら、作品を形にした。暮らしに柔らかな明かりを添えるランプは、人の姿を思わせる愛らしいシルエットが印象的だ。

柄や釉薬によって、作品ごとに異なる景色を描く。同じものが二つとない表情も大きな魅力だ。“祭杯” ¥25,190 “ドリッパー” ¥8,140“カフェオレボウル” ¥9,460 REIKO TOYAMA

祭杯はメキシコで出合った香炉や李朝の造形から着想を得て、静かな存在感を宿すものに。カフェオレボウルは両手で包み込んだときの眺めとぬくもりまで意識し、木と陶器を組み合わせたドリッパーには柔らかな表情を与えた。釉薬や色にも細やかに向き合い、使うだけでなく眺めて楽しめる作品へと仕上げているのも特徴だ。

祭杯の使い方はあえて限定せず、花器やお香立て、小物入れなど自由な発想で楽しめる。それぞれの暮らしの中で、新たな役割を見つけてほしいという思いが込められている。 REIKO TOYAMA

「作品は空間に置かれ、人の気配や光が加わって初めて完成する。使い手とともに育っていくものだと思っています」と吉野は語る。使い手それぞれの暮らしの中で育まれる時間や風景までを思い描いた新作は、日常に新しい景色をもたらしてくれる。

祭杯8柄とカフェオレボウル4柄、ドリッパー8柄は9月7日(月)10時から先着順販売。ランプ8柄は抽選販売で、申し込みは9月7日10時から9月30日17時まで。

吉野瞬(よしの・しゅん)
広島生まれ。バーナード・リーチや濱田庄司に影響を受け、高校卒業後に益子の「佐久間藤太郎窯」にて約8年間修行し、独立。民藝の思想を背景に、使いやすさを重視した器づくりを軸としながら、釉薬を幾層にも重ねた独自の表現で注目を集める。現在は広島を拠点に国内外で活動し、各地で個展やプロジェクトを展開。今後はメキシコシティでの滞在制作やカリフォルニアと上海での個展を予定。日本国内でもギャラリーやショップでの発表が控えている。

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