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劇団四季『リトルマーメイド』が舞浜で開幕!“魚が客席を泳ぐ”新演出など見どころをレポート

  • 2026.9.2

劇団四季のディズニーミュージカル『リトルマーメイド』が2026年8月26日、東京ディズニーリゾート内に位置する舞浜アンフィシアター(千葉県浦安市)にて開幕した。今回筆者は、メディア向けに公開された最終通し舞台稽古を取材。新しい演出が加わり、さらに魅力を増したミュージカルの見どころを紹介しよう。

名曲「アンダー・ザ・シー」に乗せて、カラフルな海の生き物たちが楽しいステージを繰り広げる 撮影:荒井 健
名曲「アンダー・ザ・シー」に乗せて、カラフルな海の生き物たちが楽しいステージを繰り広げる 撮影:荒井 健

首都圏では約10年ぶり!東京ディズニーリゾート内の劇場で開幕

1989年製作の劇場版長編アニメーションを華やかに再現したミュージカル『リトルマーメイド』は、2008年にブロードウェイで開幕。陸の世界に憧れる人魚姫・アリエルが、人間の王子・エリックに恋をするストーリーを、ミュージカルならではの表現で鮮やかに描いている。日本では劇団四季が上演するディズニーミュージカルの第4弾として、2013年に初公演。本作が舞浜アンフィシアターで上演されるのは今回が初となり、首都圏での公演は2017年以来、約10年ぶりとなる。

東京ディズニーリゾート内に位置する舞浜アンフィシアター
東京ディズニーリゾート内に位置する舞浜アンフィシアター

最終通し舞台稽古でアリエルを演じたのは、2013年の初演時から同役を務めてきた谷原志音さん。谷原さんは舞浜アンフィシアターでの上演にあたり、次のようにコメントを寄せている。

アリエル役の谷原志音さん
アリエル役の谷原志音さん

「舞浜アンフィシアターで上演するにあたり、海外クリエイティブスタッフとともに再びイチから作り上げてきました。さらに進化した『リトルマーメイド』に携わることができ、大変光栄に思います。『リトルマーメイド』は、私の人生を変えてくれたと言っても過言ではない特別な作品です。好奇心と勇気で運命を切り開くアリエルの姿を通し、作品の感動をお届けできるよう、1回1回の舞台を精一杯務めたいと思います」

客席に魚の群れやクラゲのフライングパペットが初登場

半円形のステージと、すり鉢状の客席を有する舞浜アンフィシアターの特徴を活かすべく、今回の公演では作品全体がアップデートされている。なかでも注目したいのが、新たに製作されたフライングパペットだ。開演直後、前方斜め上に現れたのは、銀色に輝く魚の群れ。まるで海の中にいるような感覚を覚え、一気に作品の世界観へ引き込まれた。

ミュージカルの冒頭を飾るナンバー「オーバーチュア」のシーンで登場するシルバーフィッシュのフライングパペット
ミュージカルの冒頭を飾るナンバー「オーバーチュア」のシーンで登場するシルバーフィッシュのフライングパペット

客席の通路上を移動していくフライングパペットは、その後も要所要所で登場し、ステージと客席に一体感をもたらしてくれる。アリエルの姉たちと魚のフランダーによるポップなナンバー「恋してる」のシーンでは、ハートの形をした魚の群れがキュートに泳いでいく。そして第1幕最大の見どころともいえる「アンダー・ザ・シー」のシーンでは、ステージのみならず客席にも、カラフルなクラゲのフライングパペットが現れる。

アリエルの姉たちと魚のフランダーが、アリエルが恋をしていることに気づくポップなナンバー「恋してる」に、ハートフィッシュのフライングパペットが彩りを添える
アリエルの姉たちと魚のフランダーが、アリエルが恋をしていることに気づくポップなナンバー「恋してる」に、ハートフィッシュのフライングパペットが彩りを添える

「アンダー・ザ・シー」といえば、本作を彩る数々の名曲の中でも有名な1曲。ステージにはさまざまな海の生き物が登場し、にぎやかな雰囲気のなか、カニのセバスチャンが海で暮らす素晴らしさをリズミカルに歌い上げる。俳優たちの豊かな表現力と舞台美術によって作り上げられた底抜けに楽しいステージは、一瞬たりとも目が離せないほどエキサイティング!一方客席では、幻想的な光をまとい、長い触手をなびかせながら、クラゲが優雅に泳いでいく。非日常感あふれる海の世界に、心が躍ること間違いなしだ。

セバスチャンの歌唱力が光る「アンダー・ザ・シー」
セバスチャンの歌唱力が光る「アンダー・ザ・シー」
【写真】客席に登場する大きなクラゲのフライングパペットも見応え満点!
【写真】客席に登場する大きなクラゲのフライングパペットも見応え満点!

海の世界を中心とした第1幕では、水中を泳ぐ様子が表現されたフライングシーンを、たっぷり堪能できるのも魅力。尾ひれをしなやかに動かしながら宙を舞うアリエルの姿は、海の中を自由自在に泳ぐ人魚そのものだ。

そのほかにも第1幕には、名曲「パート・オブ・ユア・ワールド」をアリエルが歌い上げるシーンがあり、こちらも見どころの1つ。アリエルを演じる谷原さんの伸びやかな歌声により、陸の世界に憧れるアリエルの心情が、時に強い意志を持って、時に切なさを帯びて切々と伝わり、終盤のロングトーンにも心が震えた。

第2幕では爆笑シーンも!最高にハッピーなエンディングへ

そして第2幕では、陸の世界を中心にストーリーが展開。エリックへの恋心を募らせるアリエルは、海の魔女・アースラと契約を結んでしまう。アースラが提示した契約は、声を失う代わりに3日間だけ人間の姿になることができ、その間にエリックとキスをすれば一生人間として暮らせるが、キスできなかった場合、アースラに魂を奪われてしまうというものだった。

アリエルに契約を持ちかける海の魔女・アースラ
アリエルに契約を持ちかける海の魔女・アースラ
人間の姿になったアリエルとエリックのダンスシーン。初々しい2人のダンスは胸キュン必至!
人間の姿になったアリエルとエリックのダンスシーン。初々しい2人のダンスは胸キュン必至!

ボートに乗るアリエルとエリックに、どうにかキスをさせようと、セバスチャンがムード満点に歌い上げるのが「キス・ザ・ガール」。ロマンチックな名曲で彩られたこのシーンは、第2幕を語るうえで欠かせない見どころだが、そのほかにも特筆したい場面がある。それは、エリックが暮らす宮廷の料理人、シェフ・ルイのシーンだ。

夜の入り江でボートに乗るアリエルとエリック。セバスチャンが「キス・ザ・ガール」を歌い、ムードを作る
夜の入り江でボートに乗るアリエルとエリック。セバスチャンが「キス・ザ・ガール」を歌い、ムードを作る

最終通し舞台稽古では、白石直央さん扮するシェフ・ルイが女言葉で繰り広げるユーモアたっぷりの芝居に、客席は大盛り上がり!思わず声を出して笑ってしまうほどのおもしろさと、抜群の歌唱力、そのギャップにも魅了された。わかりやすい笑いが随所に散りばめられているので、小さい子どもも楽しめるはずだ。

さまざまな困難を乗り越え、最終的にアリエルとエリックは結ばれ、ハッピーエンドを迎える。幸福感に満ちたエンディングは、すべての観客の心に感動をもたらしてくれることだろう。

カーテンコールで観客にあいさつをするキャストたち
カーテンコールで観客にあいさつをするキャストたち

筆者は約10年ぶりにミュージカル『リトルマーメイド』を鑑賞し、アリエルとエリックの男女の愛に加え、アリエルの父・トリトンが娘を想う愛にも胸を打たれた。それは、この10年の間に出産、子育てを経験し、筆者自身が母になったからこその視点なのだろう。以前に『リトルマーメイド』を鑑賞している人も、新たな発見があるかもしれない。圧倒的な没入感で描かれるアリエルの恋と冒険の物語を、舞浜アンフィシアターでぜひ体感してほしい。

最終通し舞台稽古の最後、演出家のグレン・カサールさんは「15年間、世界各国で本作品を手掛けてきましたが、日本の作品以上のものはできていないと思っています」とコメント
最終通し舞台稽古の最後、演出家のグレン・カサールさんは「15年間、世界各国で本作品を手掛けてきましたが、日本の作品以上のものはできていないと思っています」とコメント

取材・文=水野梨香

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