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「隣の音が気になって、1ページも進まないんです」宿泊先で聞こえてきた騒音。だが、相談した宿のスタッフの対応とは

  • 2026.9.2

同じ行を、何度も読んでいた

連休に、一人で宿をとりました。

部屋でゆっくり本を読むことを楽しむ、小さな宿です。

部屋には机と読書灯があり、館内もとても静かでした。

観光の予定を入れず、読みたかった本を何冊か持ち込んで過ごすつもりでした。

ところが一日目の夜、本を開いてしばらくすると、隣の部屋から物音が聞こえてきました。

大声や騒音というほどではありません。何かを動かすような音や、ときどき聞こえる話し声でした。普段なら気にならなかったかもしれませんが、館内が静かなぶん、その音だけが耳に残りました。

ページを読んでは、また同じ行へ戻ります。文字を目で追っているのに、内容が頭に入ってきません。

とはいえ、隣の方が特別に騒いでいるとも言い切れません。

「これくらいでフロントに言うのもな」

そう思い、その日は早めに本を閉じました。

二日目の夜も、同じような時間になると物音が聞こえてきました。

少し読んでは耳を澄ませ、また読み直す。その繰り返しです。二晩続くと、さすがに残りの日もこのまま過ごすのはつらいと思い始めました。

直接隣の部屋へ言いに行くことも考えましたが、やめました。相手にとっては普通に過ごしているだけかもしれませんし、そのあと顔を合わせることになれば、お互いに気まずくなりそうだったからです。

注意してほしいのではなく、部屋を変えたかった

三日目の朝、私はフロントへ向かいました。

「もし空いている部屋があれば、変えていただくことはできますか?」

スタッフの方から理由を聞かれ、少し迷ってから答えました。

「隣の音が気になって、1ページも進まないんです。ただ、注意してほしいというわけではなくて…」

自分でも少し細かいことを言っているようで、申し訳なくなりました。

ところがスタッフの方は嫌な顔をせず、端末を確認してくださいました。

「少し離れたお部屋でしたら空きがあります。そちらに移られますか?」

案内されたのは、廊下の端にある部屋でした。その日は空室があるとのことで、追加料金も必要ないと言われました。

「本当に大丈夫ですか?」

「はい。ゆっくりお過ごしください」

それ以上、隣の部屋について聞かれることもありませんでした。

荷物を移し、新しい部屋で本を開くと、驚くほど集中できました。途中で時計を見ることもなく、気づけば最後のページまで読み終えていました。

帰る日の朝、チェックアウトをしていると、対応してくださったスタッフの方が笑って聞かれました。

「本、読めましたか?」

「はい。昨日、最後まで読めました」

私も笑って答えました。

隣の方が悪かったのかどうかは、今でも分かりません。私が音を気にしすぎていただけなのかもしれません。

だからこそ、相手に直接何かを言うのではなく、自分が過ごしやすい方法を相談できてよかったと思っています。

読み終えたあの本を見ると、内容と一緒に、静かな部屋へ移った日のことも思い出します。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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