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住宅ローンの金利『変動』or『固定』どちらを選ぶべき?→1級FPがズバリ回答。金利上昇で損をしない“正しい判断基準”とは

  • 2026.9.5
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

マイナス金利政策の解除などを受け、金利の先行きに注目が集まる昨今。「このまま変動金利で大丈夫?」「固定金利に切り替えるべき?」と、住宅ローンの返済に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

ネット上にはさまざまな情報があふれていますが、我が家にとっての「正解」をどう見極めればよいのか、判断に迷ってしまいますよね。

そこで今回は、金融機関勤務の現役マネージャーであり、住宅ローンの実務に精通している中川佳人さんに、金利上昇に備えるための正しい判断基準や、借り換えを検討する際の注意点について詳しく解説していただきました。

変動金利か固定金利か、我が主に合う金利タイプの見極め方

---金利の上昇局面において、変動金利と固定金利のどちらを選ぶべきか悩む人が増えています。私たちは何を基準に判断すればよいのでしょうか?

中川 佳人さん:

どちらが正解かは、金利が上がったときに家計が耐えられるかで考えることが大切です。金利の先行きを正確に当てることは誰にもできません。だからこそ、予想以上に上がったときにどこまで対応できるかによって、家庭ごとに答えは変わります。

まず確認したいのが資産状況です。貯蓄に余裕があり、返済額が増えても繰上返済などで住宅ローン残高を減らせる家庭なら、変動金利の低さを活かしながら金利上昇にも対応しやすいでしょう。一方、毎月の収支に余裕がなければ、返済額の増加がそのまま生活費を圧迫します。そのため、金利が上がって返済額が増えても、無理なく対応できるかを確認しておくことが大切です。

ライフプランも重要です。金利上昇の時期と教育費のピークや退職時期が重なるか、住宅ローンの残期間が何年あるかによっても影響は異なります。
住宅金融支援機構の2026年1月調査では、2025年4月から9月に住宅ローンを借りた人の75.0%が変動型を選ぶ一方、73.7%が今後1年の金利上昇を予想していました。さらに、変動型・固定期間選択型の利用者の52.0%は、金利上昇時の返済額への影響について理解に不安があると答えています。

金利が上がっても家計に余力を持って対応できるなら変動、返済額の増加を避けたいなら固定金利が選択肢です。残りの返済期間や毎月の収支、今後の教育費なども確認したうえで、自分の家計に合う金利タイプを見極めてください。」

金利の低さだけで決めるのは危険?借り換えを検討する際の注意点

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

---金利上昇への不安から、他のローンへの「借り換え」を急ぐ人もいるようです。借り換えを検討する際に、注意すべきポイントを教えてください。

中川 佳人さん:

借り換えを検討するときは、金利差だけでなく、諸費用や住宅ローン控除まで含めた総額で判断することが大切です。不安を感じて急いで決めると、負担を減らすつもりが、かえって増えてしまうこともあります。

まず確認したいのが諸費用です。借り換えでは、融資事務手数料や保証料、抵当権の抹消・設定にかかる登記費用などが発生し、合計で数十万円になることも珍しくありません。金利が下がって利息を減らせても、その効果を諸費用が上回ればメリットは小さくなります。

次に毎月の返済額です。固定金利は、一般に変動金利より借入時の金利が高いため、借り換え後の返済額が増える場合があります。教育費などの支出が重なる時期に返済額まで増えると、家計への負担は大きくなります。

住宅ローン控除にも注意が必要です。借り換え後のローンは原則として控除対象外ですが、当初の住宅ローン返済のための借り換えで、返済期間が10年以上あるなど一定の要件を満たせば控除を継続できます。ただし、控除期間が借り換えによって延びることはありません。また、諸費用を含めて借り換え前の残高より多く借りると、控除対象となる年末残高が按分される場合があります。

さらに、借り換えでは団体信用生命保険への加入やローン審査もあらためて必要です。健康状態や収入、勤務先の状況によっては借り換えできないケースもあります。金利だけで判断せず、諸費用、返済額、税制、審査条件まで確認したうえで検討してください。」

焦って動く前に!現在のローン状況の整理と返済シミュレーション

---金利上昇に備えて、私たちがまず最初に行うべき具体的なアクションを教えてください。

中川 佳人さん:

最初にやるべきことは、返済予定表とローン契約書を手元に出し、ご自身の住宅ローンの状況を整理することです。借り換えや固定金利への変更を考える前に、まず現在の契約状況を把握しましょう。

まず、借入残高、残りの返済期間、現在の適用金利、金利タイプ、変動型なら次回の金利見直し時期を書き出してください。あわせて契約書で、店頭金利からの引下げ幅や、5年ルール・125%ルールの有無も確認します。

変動金利で元利均等返済の場合、返済額を5年ごとに見直し、増額時も前回の1.25倍までに抑える仕組みがあります。ただし、5年ルールや125%ルールを採用していない金融機関もあります。また、これらのルールによって返済額の増加が抑えられても、増えた利息そのものが免除されるわけではありません。

次に、金利が1%上がった場合の毎月の返済額を試算してみましょう。多くの金融機関が返済シミュレーションを公開しています。返済額が増えても家計に無理がなければ、金利が上昇しても対応できる余力があると判断できます。一方、教育費や生活費を圧迫する水準になるなら、固定金利への変更を検討する必要があります。

住宅ローン控除を受けている方は、残りの控除期間も確認しておきましょう。そのうえで、現在借りている金融機関に金利の引下げを相談する方法もあります。

借り換えを急ぐ前に、まずは現在のローン内容と、金利が上がった場合の家計への影響を数字で把握することが大切です。」

家計の現実と向き合い、納得のいくローン選びを

金利上昇のニュースを耳にすると焦ってしまいがちですが、大切なのは「現在の契約内容」と「金利上昇時の家計への影響」を数字でしっかりと把握することです。

慌てて借り換えや金利タイプの変更に踏み切る前に、まずは手元にある契約書や返済予定表を取り出して現状を整理し、金利が上がった場合のシミュレーションを行ってみましょう。諸費用や住宅ローン控除、将来の教育費やライフプランも踏まえて、自分の家計に本当に合う金利タイプを見極めることが、将来の安心につながるはずです。


※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の住宅ローン契約や試算結果を保証するものではありません。金利や税制などの情報は変更される可能性があります。借り換えや金利タイプの選択等の最終判断はご自身の責任において行い、詳細は各金融機関や専門家にご確認ください。

監修者:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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