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『がん』と診断された50代女性→「保険で100万円受け取れる」安心していたが…保険会社から言い渡された“予想外の事実”に驚き

  • 2026.9.30
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

大学卒業後、国内大手生命保険会社に35年間勤務し、営業や営業所長、企画、事務などを経験してきた「あしふみ」です。

がん保険に加入すると「もしものときの備えができた」と安心するものです。ただ、契約が成立し保険料の支払いが始まっていても、がんの保障がまだ始まっていない場合があります。

今回は、加入約2か月後にがんと診断され、期待していた給付金を受け取れなかった52歳女性の事例を紹介します。個人が特定されないよう内容の一部を変更しています。

「入っておいてよかった」と思ったのに

Aさん(仮名・52歳)は、知人ががんになったことをきっかけに、診断されれば100万円を受け取れるがん保険に加入しました。

ところが加入から約2か月後、健康診断をきっかけに詳しい検査を受け、がんと診断されました。

「入っておいてよかった」と保険会社へ連絡しましたが、担当者からは思いがけない説明がありました。

「こちらのご契約には、がんの保障が始まるまで90日間の待ち期間があります。今回の診断は保障開始前に該当します」

加入から約60日での診断だったため、90日の基準に届いておらず、100万円は受け取れませんでした。

がん保険には「待ち期間」がある商品が多い

がん保険の多くは、契約後90日程度の「待ち期間(免責期間)」を設けており、この間にがんと診断確定されても、診断給付金などの保障は原則として対象外となります。これは、加入直後にすでにがんの疑いがある人が駆け込みで契約する、いわゆる逆選択を防ぐための仕組みとされています。

注意したいのは、「契約日」「保険料払込開始日」「保障開始日」が必ずしも同じではないことです。一般的な流れとしては、申し込み・告知・初回保険料の払込が完了した日を起点として90日(3か月)の待ち期間を数え、その期間が経過した日の翌日が「責任開始日」、つまり実際にがんの保障が始まる日となる商品が多く見られます。契約書に押印した日や、口座振替の初回引き落とし日と、この責任開始日が数日〜数週間ずれることもあるため、思っていたより保障開始が遅かった、というケースも起こり得ます。

ただし、待ち期間の長さや起算日の考え方は商品によって異なり、一律ではありません。90日ではなく60日に設定されている商品や、そもそも待ち期間を設けていない商品、医療保険とセットになった特約で扱いが異なる商品もあります。「がん保険=90日待てば保障される」と単純に思い込まず、加入する(している)商品の約款でどのように定められているかを確認することが大切です。

また、待ち期間の対象はがん(悪性新生物)に限りません。商品によっては、上皮内新生物(いわゆる「上皮内がん」)についても、同様に待ち期間中の診断が保障対象外となる場合があります。上皮内新生物は給付金額が悪性新生物より少なく設定されている商品もあり、待ち期間の扱いとあわせて確認しておきたい点です。

診断日も、検査を受けた日と同じとは限りません。給付の可否は多くの場合「診断が確定した日」を基準に判断されますが、これは健康診断で異常が見つかった日、精密検査を受けた日、病理検査などで確定診断が下りた日のいずれとも異なることがあります。「診断確定日」がいつを指すかは約款上の定義によるため、際どい時期の診断については保険会社に個別に確認する必要があります。

待ち期間中に診断されたら、契約はどうなる?

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

ここで整理したいのは、「給付されない」ことと「契約がどうなるか」は別問題だという点です。

多くの商品では、待ち期間中の診断確定でがんに関する契約自体が無効となり、既払保険料は返還されます。ただし、加入前の診断を知りながら告知しなかった場合など、告知義務違反にあたるケースでは保険料が返還されないこともあります。Aさんは加入前に症状がなかったため、契約無効・保険料返還の扱いとなりました。

また、「待ち期間を過ぎれば今回のがんも保障される」わけではありません。契約が無効となる以上、その後に保障対象となるのは、待ち期間経過後に新たに診断されたがんに限られます。

加入時には「100万円」だけでなく日付も確認

がん保険では給付金額に目が向きがちですが、契約前には保障開始日と待ち期間の有無・長さも確認したいところです。すでに加入済みの方も、保険証券や約款で保障開始日を確かめてみてください。

特に、古い保険から新しい保険への切り替え時は要注意です。新しい保険の待ち期間中に古い契約を解約すると、保障の空白期間が生じるおそれがあります。新しい保険の保障が始まったことを確認してから解約するのが安全です。

「加入したから安心」と思っていたAさん。保障の金額とあわせて、保障開始日と待ち期間中の契約の扱いまで、事前に確認しておきたいですね。


※がん保険の待ち期間、保障開始日、診断確定日の判定方法、待ち期間中の契約の取り扱いは、保険会社・商品・契約時期・告知の状況によって異なります。詳しくは加入先の保険会社にご確認ください。

執筆・監修:あしふみ
大学卒業後、国内大手生命保険会社に35年間勤務。個人・法人営業、営業所長、企画・販売促進、事務部門などを経験。FP2級の知識と保険実務の経験を生かし、保険や家計に関する情報を分かりやすく伝えている。

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