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母「あなたにあげる」口座に“毎年24万円”を振り込まれ続けた50代娘→20年後、相続時に告げられた思わぬ事実に“青ざめたワケ”

  • 2026.10.1
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

今回ご紹介するのは、母が契約者になっている生命保険の保険料を、長年自分名義の口座から支払っていた50代女性Aさんの体験談です。母の相続の際、税理士から指摘された“名義保険”とは。

「あなたにあげるから」と言われて、保険料の支払いに

Aさんは54歳、パート勤務です。夫と二人暮らしで、子供はすでに独立しています。

20年ほど前、母から「毎年少しずつ、あなたにあげるから」と言われ、Aさん名義の口座が作られました。母はその口座に、毎年ほぼ同じ時期に24万円ほどを振り込んでいました。年110万円には収まる金額です。

この口座からは、母が契約者・被保険者になっている生命保険の保険料が、毎月2万円ほど自動で引き落とされていました。
「贈与税がかからない範囲で、少しずつもらっているつもりでした」

通帳とキャッシュカードは、ずっと母が持っていた

口座を開いた際、Aさんは実印ではない銀行印だけを渡され、「通帳とカードは、なくすといけないから預かっておくね」と母に言われていました。

以来20年、Aさんはその口座の残高を、記帳して確認したことすらありませんでした。

「印鑑は私が持っていたので、自分の口座という意識はありました。通帳やカードのことまでは、あまり気にしていませんでした」

印鑑だけでは、「管理していた」とはみなされなかった

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

母が亡くなり、相続の手続きを進める中で、Aさんはこの保険についても税理士に相談しました。ところが返ってきたのは、思いがけない説明でした。

契約者は母であっても、保険料を実際に負担していたのが誰かによって、この保険の扱いは変わります。もし本当にAさんへの贈与が成立していたなら、保険料の負担者はAさんとなり、この保険は母の相続財産には含まれません。

しかし税理士が確認したところ、口座の通帳とキャッシュカードは一貫して母が保管し、入出金もすべて母が行っていました。Aさんが持っていたのは銀行印だけで、暗証番号も知らされていなかったといいます。

「贈与が成立しているかどうかは、金額の範囲内かどうかではなく、実際にお金を自由に使える状態にあったかどうかで判断されます。通帳やカードがなければ、印鑑だけお持ちでも、ご自身の意思でお金を動かせる状態ではなかったことになります」

さらに、毎年ほぼ同じ時期に同じような金額が振り込まれていた点についても、「最初からまとまった額を贈与するつもりだった」とみなされる「定期贈与」にあたる可能性があると指摘されました。

結果として、この口座と保険は、名義こそAさんのものであっても、実質的には母の財産、いわゆる「名義預金」「名義保険」として、母の相続財産に含めて申告することになりました。

「そんな…。口座の名義が自分だから、相続とは関係ないと思い込んでいました。まさか、印鑑を持っているだけでは足りないなんて…。」とAさんは青ざめた様子でした。

自由に使える状態にあったかどうかが大切

次の状態の場合、Aさんと同様に「名義預金」「名義保険」と判断される場合がありますので、事前にチェックしておきましょう。

  • 保険や預金の名義が誰であっても、実際にお金を負担し、管理していたのが誰かによって、相続財産に含まれるかどうかが判断される(名義預金・名義保険)
  • 年110万円以下の贈与であっても、通帳・キャッシュカード・暗証番号などを贈与した側が管理し続けていると、贈与が成立していないとみなされることがある
  • 印鑑だけを名義人が持っていても、通帳やカードがなければ「自由に処分できる状態」とは認められにくい
  • 毎年同じ時期に同じような金額を振り込んでいると、「定期贈与」とみなされ、まとめて課税される可能性がある
  • 贈与を確実なものにするには、通帳・カード・印鑑のすべてを受贈者が管理し、贈与契約書を作成しておくことが望ましい
  • 名義保険が被相続人の相続財産と判断された場合でも、死亡保険金は「500万円×法定相続人の数」の非課税枠の対象になる(契約者・被保険者・保険料負担者がすべて被相続人である場合)

「名義が自分になっているから、自分のもの」と思い込む前に、実際に自由に使える状態にあったかどうかを確認しておくことが、相続でのトラブルを防ぐ第一歩です。名義保険・名義預金について気になることがあれば、税理士に相談してみてください。


参考:
相続税の申告書作成時の誤りやすい事例集(国税庁)

執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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