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「若いんだから分かるでしょ!」レジでクーポンが出ず困る客。だが、店長が断った理由と対応とは

  • 2026.8.31

列が動かないまま、後ろで小さなため息が聞こえた

仕事帰りに、いつものコンビニへ寄った。夕食のおにぎりと、翌朝に食べるパンを買うだけのつもりだった。

ところが、なかなかレジの列が動かない。

先頭には年配の男性がいて、商品をレジ台に置いたまま、スマートフォンを店員さんのほうへ差し出していた。

「ほら、このクーポン。さっきまで出てたのに消えちゃったんだよ」

男性は画面を何度も指でたたいている。

店員さんは困ったように画面をのぞき込みながら、申し訳なさそうに答えた。

「すみません。お客様のスマートフォンをこちらで操作することはできないんです」

「でも、使えないと困るんだよ。せっかくここまでやったんだから」

男性の声には、怒っているというより焦っているような響きがあった。

「表示の方法ならご案内できるんですが、こちらで触ることはできなくて……」

店員さんがそう言うと、男性は列の後ろをちらっと見た。

「少しくらいいいでしょう。若いんだから分かるでしょ!」

その言葉に、店員さんは一瞬返事に詰まった。

(まだかかるのかな…)

振り返ると、いつの間にか列は伸びていた。仕事帰りらしい人や、かごを持った人が無言で並んでいる。

男性が困っていることは分かる。それでも、レジを止めたままという状況に、少しずつ空気が重くなっていった。

店長が出てきて、できることを一つずつ整理した

そのとき、奥から店長らしい人が出てきた。

「どうされました?」

店員さんが小声で事情を説明すると、店長は男性の隣に立った。

「クーポンが出なくなってしまったんですね」

「そうなんだよ。ここ押しても何も出ないんだよ」

男性はさっきより少し落ち着いた声で画面を見せた。

店長はうなずいてから、穏やかに答えた。

「それは困りますよね。ただ、私たちがお客様のスマートフォンを操作することはできないんです、もし落としたりして、壊すわけにもいかないので」

男性は眉を寄せた。

「じゃあ、どうすればいいの?」

「今回がまずお会計だけ先に済ませてもいいですか。そのあとでしたら、アプリの問い合わせ先をご案内できます」

少し間があったあと、男性は後ろの列を見た。

さすがに長くなっていることに気づいたのか、「こんなに並んでたのか」と小さくつぶやいた。

「…じゃあ、先に会計して」

財布を取り出すと、会計はものの数十秒で終わった。

止まっていた列が動き始める。

私の前にいた女性も、「よかった」と小さく息を吐いた。

男性はレジの脇へ移り、店長からアプリの問い合わせ方法を聞いていた。

「ここに電話すればいいの?」

「はい。もし今すぐでなくても、ご自宅でゆっくり確認できますよ」

「そっか。じゃあ、帰ってからやってみるよ」

男性の声は、最初よりずっと穏やかになっていた。

順番が回ってきたとき、私は店員さんに会釈をした。店員さんも少し疲れたように笑っていた。

困っている人に冷たくする必要はない。でも、その人の困りごとを解決するために、そこにいる全員が待ち続けなければならないわけでもない。

できることと、できないこと。そして、今何を先にするのか。

それを静かに整理するだけで、あれほど重かった空気がすっと動き出したことが印象に残っている。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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