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「今日もお寿司と煮物?」お盆の集まりで文句を言う子供たち。だが、祖父の粋な計らいで空気が一変

  • 2026.8.31
「今日もお寿司と煮物?」お盆の集まりで文句を言う子供たち。だが、祖父の粋な計らいで空気が一変

クーラーが効かない居間

祖父母の家に着いたのは、お盆の入りの昼過ぎでした。

玄関には靴が並びきらず、三和土の隅にサンダルが重ねて置かれています。

「冷たいお茶、ある?」

「座布団が二枚足りないよ」

集まったのは、祖父母から小学生の子どもまで三世代で12人。

クーラーは朝から動いていましたが、人の熱気には勝てず、居間に座っているだけでも汗がにじみました。

そんななか、祖母は何度も台所と居間を行き来しています。

座卓の上には、大きな寿司桶が二つ。煮物の鉢に、枝豆、漬物、そうめん。親戚が持ってきた団子の箱や、丸ごとのスイカまで並んでいました。

「こんなに食べきれるの?」

母が団子の箱を開けながら言うと、祖母は台所から顔だけを出しました。

「足りないよりはいいでしょう」

そう笑っていましたが、額には汗が浮かんでいます。

祖母は三日前から煮物を仕込み、その日の朝も早くから寿司やそうめんの準備をしていたそうです。

お盆の集まり

「毎年これを作るのは大変でしょう。明日は何か買ってくればいいんじゃない?」

母がそう提案すると、本家の伯父が扇風機の前から口を挟みました。

「お盆なんだから、こういう料理をみんなで食べるのがいいんだよ」

祖母は何も言わず、空いた皿を持って再び台所へ戻っていきました。

「また寿司と煮物?」

夕食の時間になると、いとこの子どもたちが寿司桶を覗き込みました。

小学生が二人と、中学生がひとりです。

「今日もお寿司と煮物?」

「ピザが食べたいな」

途端に、大人たちが子どもをたしなめました。

「お盆なんだから、そんなこと言わないの」

「おばあちゃんが朝から作ってくれたんだよ」

子どもたちは小さく謝り、座布団に座りました。

ピザを食べたい子供たち

しかし、私も子どもたちの気持ちが少し分かりました。

前日の夜も寿司と煮物。その日の昼も、残った煮物とそうめんです。

何より、料理を運んできた祖母が、食卓につく前から疲れた顔をしていました。

「最近の子は、こういう料理を喜ばないからな」

伯父が苦笑すると、祖母は笑って答えました。

「作りすぎた私が悪いのよ。明日も残りを食べてもらわないとね」

その声を聞いて、子どもたちはさらに肩を落としました。

誰も悪気はないのに、居間には少しだけ気まずい空気が流れました。

祖父が台所へ向かった

そのとき、それまで座卓の端で黙っていた祖父が立ち上がりました。

「スイカは、わしが切る」

祖父は丸ごとのスイカを抱え、台所へ向かいます。

私も手伝おうと後を追うと、祖父はまな板の上にスイカを置き、包丁を入れました。

赤い断面が見えると、子どもたちが台所の入り口に集まってきます。

祖父はスイカを切り分けながら、居間に聞こえる声で言いました。

「明日の昼は、ピザを頼もう」

伯父が驚いたように振り返ります。

「せっかくのお盆に、ピザですか?」

祖父は包丁を動かしたまま答えました。

「お盆はばあさんも休んでいいだろう」

スイカを切る祖父

そして、少し間を置いて続けます。

「それに、わしもピザが食いたい」

最初に笑ったのは祖母でした。

「じゃあ明日は、台所に立たなくていいのね」

その声は、子どもたちよりもうれしそうでした。

母がすぐにスマートフォンを取り出し、近くの店を調べ始めます。

「何枚頼めば足りるかな」

「せっかくだから、いろいろな味を頼もう」

気づけば、子どもたちより先に大人たちが盛り上がっていました。

伯父も最後には、「俺はシーフードがいい」と注文をつけています。

祖父は切り分けたスイカを皿に盛りながら、得意そうに笑いました。

翌日の昼、座卓に並んだのは寿司桶ではなく、大きなピザの箱でした。

「うまいだろう」

「本当、おいしいね」

ピザを食べる家族

祖母は台所ではなく、祖父の隣に座り、誰よりもうれしそうに最初の一切れを手に取っていました。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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