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「ここで降ります!すみません」降車ボタンを押し忘れた私。運転手が返した穏やかな言葉

  • 2026.9.11
「ここで降ります!すみません」降車ボタンを押し忘れた私。運転手が返した穏やかな言葉

降りる停留所が近づいて、ようやく気づいた

仕事帰り、いつもの路線バスに乗っていたときのことです。

その日は少し疲れていて、窓の外を流れていく街灯をぼんやり眺めていました。バスに揺られているうちに、すっかり気が抜けていたのだと思います。

降車ボタンを押していなかったのです。

「あっ、すみません。ここで降ります!」

慌ててボタンに手を伸ばすと、運転手がすぐに返事をしました。

「はい、大丈夫ですよ。停まります」

私は恥ずかしくなり、降り口の前で小さくなっていました。

すると停車する少し前、運転手が穏やかな声で言いました。

「次から、もう少し早めに押してもらえると助かります」

「すみません。ぼーっとしてました」

「大丈夫ですよ。お気をつけください」

それだけのやり取りでした。

責められたわけではありません。それでも、自分では降りる場所を分かっていたつもりなのに、肝心のボタンを押していなかったことが妙に恥ずかしく感じました。

「分かっているつもり」が一番危ないのかもしれない

その日から、私は降りる停留所の案内が流れたら、忘れないうちにボタンを押すようになりました。

以前は「いつもの停留所だから大丈夫」と思っていたのですが、疲れている日は考えていることと実際の行動がずれることがあります。

何日かして、また同じ運転手のバスに乗りました。

今度は案内が流れてすぐ、降車ボタンを押しました。

ただ、それだけのことなのに、前回のことを思い出して少し可笑しくなりました。

停留所に着き、運転席の横を通ったとき、私はいつもより少し大きな声で言いました。

「ありがとうございました」

運転手もいつも通り、

「ありがとうございました。お気をつけて」

と返してくれました。

相手は、前回のことなど覚えていなかったかもしれません。

それでも私にとっては、あのときの「少し早めに押してもらえると助かります」という言葉が残っていました。

仕事帰りは疲れているからこそ、「いつも通りだから」と気を抜きすぎないほうがいい。そんな当たり前のことに気づかされた出来事でした。

今でも同じ路線に乗ると、降りる停留所の案内を聞いたところでボタンを押しています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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