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たんぱく質を摂れてない…手軽&ヘルシーに補うなら「薬味どっさり“手こね寿司”一択!」《三重県の郷土料理でおいしく健康管理》

  • 2026.8.29

あまった食材の使い切りや食べ切りって、いわば冷蔵庫内の“帳尻あわせ”。そして時に、おいしいものを食べて発散するのも“心の帳尻あわせ”的なこと。食と気持ちの帳尻あわせライフをつづる、フードライター白央篤司さんの連載です。


たんぱく質を手軽&ヘルシーに補うなら!

このところ、どうにもタンパク質をとっていない。

そうめんで済ませた日、ほぼトマトソースだけの冷製パスタで済ませた日、飲みに出ちゃって軽くおつまみしか食べていない日……そんな日ばかりで、さすがにこれじゃいかんなあと反省する。

しかしながら肉を焼くのも暑いし、もっとさっぱりしたものが食べたい。と、きたら……私は「手こね寿司」一択なんである。

三重県は志摩市の郷土料理で、かつおの刺身をいわゆる“ヅケ”にして、寿司めしにざっくり混ぜれば完成のシンプルな料理。私は薬味どっさりにして、サラダっぽくして食べるのが好きなんだ。「手こね」は手でこねる、混ぜるという意味。志摩は海女(あま)さんが多く、共働きの忙しさから生まれた手軽料理とも聞く。

まずは手こね寿司を作っていこう。ざっくり2人前ぐらい。

用意するもの
・かつおの刺身:10~12切れぐらい
・寿司めし:ごはん2膳分ぐらい

A
・醤油:大さじ2
・みりん:大さじ1と1/2
・酒:大さじ1

かつおの刺身をボウルに入れて、醤油、みりん、酒を加えて軽くひと混ぜ。ラップをして冷蔵庫に入れておく。最低でも15~20分ぐらいは漬けておきたいところ。

この間に、寿司めしを用意する。市販の寿司酢は1本冷蔵庫に入れておくと便利。私は生野菜があまったらザクザク小さめに刻んで保存容器に入れ、軽くかぶるぐらいの寿司酢を加え、ピクルス的なものをよく作っている。

ポークソテーや鶏の塩焼き、から揚げ、あるいはカレーの付け合わせにもいい。手軽にレトルトカレーで済ませたいときなど、これを添えるだけで満足感がけっこうアップ。見た目に彩りもよくなる。きゅうりやセロリ、かぶ、大根、にんじん、パプリカなんかが余っていたらぜひ。

さて、寿司めしができたら冷蔵庫のかつおとざっくり混ぜ合わせ、仕上げにいりごまでもパラリとすれば完成……なのだけれど、ここでほしいのがいわゆる薬味。

私がマストで用意するのは、「細ねぎ、かいわれ菜、みょうが」の薬味御三家。細ねぎのマイルドな辛みとかいわれ菜のあざやかな辛み、みょうがのシャキシャキ感と香味、これらが「かつおとごはん」というやわらかもの同士にすばらしいアクセントを与えてくれる。全部そろえなくてもいいので、用意できたものを刻んでごはんに混ぜ込めば、できあがり。

この3種を用意しておくと夏は特にいい。冷奴や厚揚げにのっけるのはもちろん、カニカマやサラダチキンをほぐして、そうめんと和えたのにたっぷり刻んで混ぜ、めんつゆでもかければそれだけでちょっとしたごちそうになる。薬味はごちそう感の演出にいいんだよなあ。

冷たいものだけじゃなく、和風系のスパゲッティに刻んで加えても風味がぐんとアップする。ただ刻んだら傷みも早いので、「その都度食べる分だけ刻む」を徹底したいところ。

「かつおの手こね寿司」アレンジ

ヅケにしたかつおをレタスと青じそで巻いて食べる……うまいッ。

さて、ここからはちょっとアレンジを。

私はヅケにしたかつおをサニーレタス、青じそなんかと一緒に巻いて食べるのも好きなんだ。シャキシャキした食感を口の中で感じるうち、暑さで失われた食欲が呼びさまされてもくる。あと、かつおはクレソンと最高に相性がいいので、おいしいもの好きの人は試してみてほしい。

巻くとき、寿司めしを一緒にのせてもうまいッ。韓国料理でこういうの、よくやりますね。それにならってごま油ひとたらし、あるいはコチュジャンちょいを付けるのもいい。あるいは味噌とラー油とか、おろししょうが、あまってるドレッシングなんかを少々つけて味変、なんてふうに遊んでみるのもおすすめ。サウザンアイランドドレッシングなんて結構合うんだ。

寿司めしと野菜のさっぱり感で食もすすみ、生がつおを堪能! というわけで、今回はタンパク質の帳尻合わせ的な回でした。

これから季節の変わり目。疲れが出やすい時期になるので、しっかり食べて備えたいところ。皆様もどうかご自愛ください。では、また来月。

白央篤司(はくおう あつし)

フードライター、コラムニスト。「暮らしと食」がメインテーマ。主な著書に、日本各地に暮らす18人のごく日常の鍋とその人生を追った『名前のない鍋、きょうの鍋』(光文社)、『台所をひらく 料理の「こうあるべき」から自分をほどくヒント集』(大和書房)、『はじめての胃もたれ 食とココロの更新記』(太田出版)がある。
Instagram @hakuo416

文・撮影=白央篤司

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