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父「あのときは本当に迷惑をかけて申し訳なかった」せん妄状態でひどい言葉ばかり→記憶を取り戻して父の謝罪に救われる娘の心【作者に聞く】

  • 2026.8.29
 「父が全裸で倒れてた。」第23話 作=キクチ
「父が全裸で倒れてた。」第23話 作=キクチ

母親の自宅介護と看取りを描いた『20代、親を看取る。』で反響を集めたキクチさん(kkc_ayn)。新作『父が全裸で倒れてた。』は、母を看取って約2年後、今度は父が病に倒れてしまう物語だ。一人っ子として頼れる家族がいないなか、さまざま決断を迫られる。今回は、父の本格的なリンパ腫治療の開始と、ビデオ通話に関するエピソードを紹介する。

本格的な治療の開始

第23話1-1 作=キクチ
第23話1-1 作=キクチ
第23話1ー2 作=キクチ
第23話1ー2 作=キクチ
第23話2-1 作=キクチ
第23話2-1 作=キクチ

父親がコロナに罹患して少し経ったころ、抗がん剤をストップしていたため腫瘍が大きくなっていると医師から報告を受ける。しかし、コロナから回復しつつあるため、ここから本格的な治療が始められるとのことだった。

父が倒れてから約2カ月弱、困難を乗り越えてきた喜ばしい一歩だ。キクチさんは「腫瘍が大きくなっていると聞いたときは不安になったが、やっと本格的な治療ができると聞いて安堵した。標準的な抗がん剤に耐えられないほどズタボロだった父の体力が随分復活してきたということ。ここからがスタートラインだと感じた」と語る。

父からのビデオ通話

スマホで文字を打てるまで容態が安定した父親から、ビデオ通話がかかってきた。むくんで「顔がつぶれすぎ」な様子やあっけらかんとした話し方から、元気だったころの父が戻ってきた印象を受けたという。

さらに父親は、自分がせん妄だったときのことを断片的に覚えており「苦労かけて申し訳ない」と謝罪した。キクチさんは「まさか覚えているとは思わず、意識がありながらあんなひどいことを言ってたんかい!とツッコまずにはいられない。過ぎ去ったことなので責める気にはならないが、謝ってもらえて心が救われた。せん妄を振り返って謝ってくれる人なんてまれなのではないか。私はすごく幸せ者だと思った」と振り返る。

コロナも全快に近づき安堵したのもつかの間、不穏な締めくくりとなった今回。つらい状況も淡々と、ときにクスリと笑える場面を挟みながら描く本作を、今後も楽しみにしてほしい。

取材協力:キクチ(kkc_ayn)

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