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「用件は言わないから、歯科衛生士さんを呼べ」受付でそう言い続けた電話の相手。だが、院長が代わった瞬間

  • 2026.8.29
「用件は言わないから、歯科衛生士さんを呼べ」受付でそう言い続けた電話の相手。だが、院長が代わった瞬間

何を聞いても、返事は同じでした

歯科医院で受付をしていたころの話です。

受付には、予約の変更や歯の痛み、詰め物が取れたといった、さまざまな電話がかかってきます。

まず用件を聞き、必要があれば院長やスタッフに確認して取り次ぐのも仕事のひとつでした。

その日も、いつものように電話を取りました。

「どうなさいましたか」

すると、男性の声でこう言われました。

「用件は言わないから、歯科衛生士さんを呼んで」

一瞬、聞き間違えたのかと思いました。

「どのようなご用件でしょうか」

もう一度うかがいましたが、返ってきたのは同じ言葉です。

「だから、用件は言わない。歯科衛生士さんを呼べ」

特定のスタッフに用事があるのかと思い、「どの者でしょうか」と尋ねても、名前は言いません。

ただ、歯科衛生士に代われと繰り返します。

診療中のスタッフを、用件も分からないまま電話口に呼ぶことはできません。

とはいえ、私だけで電話を切ってよいのかも判断できず、だんだん困ってきました。

ちょうどそのとき、院長が診療室から出てきました。

私は受話器を押さえ、小さな声で事情を説明しました。

「用件を言わずに、歯科衛生士に代わってほしいと繰り返している方なんです」

院長は少し考えたあと、「じゃあ、私が出るよ」と受話器を受け取りました。

院長が名乗った途端、電話は切れました

院長は普段どおりの声で言いました。

「お電話代わりました。院長です」

すると、電話の向こうからすぐに返事がありました。

「お前じゃない。歯科衛生士を呼べと言っただろう」

院長が何か言い返す間もなく、電話は切れてしまいました。

受話器を置いた院長は、少し驚いた顔で私を見ました。

「何だったんだろうね」

結局、相手が何のために歯科衛生士と話したかったのかは分かりませんでした。

ただ、あの電話以来、用件を言わずに特定のスタッフへの取り次ぎだけを求められたときは、自分だけで判断しないようになりました。

受付では答えに迷う電話もあります。そんなときは無理に対応を続けず、院長や先輩に相談する。それだけでも、ずいぶん落ち着いて対応できるようになった気がします。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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