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台風で隣家が破損→2週間の足場設置で「愛車が出せない」事態に…10日分の駐車場代“2万円の行方”は…

  • 2026.9.12
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社に入社以降10年以上の現場経験があり、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。戸建て住宅で暮らしていると、台風で外壁や屋根が壊れ、修繕が必要になることがあります。

敷地に余裕がないと、足場を組むために隣の土地を借りなければなりません。今回は、隣家から足場設置の申し入れを受けた際、法律の定めを確かめたうえで話し合った事例を紹介します。

台風被害で隣家の外壁が破損、2週間の足場設置で車が出せない事態に

Wさん(46歳・会社員)は妻と2人暮らしで、築12年の戸建てに住んでいます。玄関脇に車1台分の駐車スペースがあり、道路に出るには隣家との境沿いを通る配置でした。

去年の秋の台風で、隣家の外壁と雨どいが壊れてしまいます。数日後に隣人が訪ねてきて、境界沿いに足場を組ませてほしいと要請されました。

「再来週から足場を組みます。2週間ほど、境界沿いを使わせてもらえませんか」

足場が立てば、2週間は車の出し入れができません。通勤での利用はないものの、週末の買い物と月に2回の親の送り迎えに車が要る状況でした。

市役所の無料法律相談で弁護士に確認、10日分の駐車場代2万円を隣人が負担

そもそも断れるものなのか、Wさんは市役所の無料法律相談で弁護士に確認しました。令和5年(2023年)4月1日施行の改正民法により、建物の修繕のために必要な範囲で隣地を使うことは、民法第209条の隣地使用権として明確化されました。

使う前に目的や日時、場所、方法を知らせることや、隣地の所有者にとって損害が最も少ない方法を選ぶことも定められました。そして弁護士から、こう助言を受けました。

「断り続けられる性質のものではありません。ただ、隣地の使用で損害を受けたときは償金を請求できる定めもあります」

弁護士はそのうえで、車の使用予定と駐車場代について先に伝え、方法を相談するよう勧めました。Wさんは「断る」という選択肢はとらないことにし、隣人と施工業者に車の予定を伝えました。

車を出せない日の駐車場代は隣人が負担することで話がまとまり、足場の張り出しを一部減らして、休工日には車を出し入れできるよう工程も組み直してもらいます。工程を組み直しても、動かせない日は10日ほど残りました。

近くのコインパーキング代金は1日2,000円、10日で2万円かかります。話し合いのとおり、この分は隣人が負担しました。

隣地使用の申し入れを受けた際に確認したい4つのポイント

隣家から工事の連絡が来たら、目的と日時、場所、方法を確かめましょう。車の出し入れや洗濯物など生活に差し支えることがあれば、断るか受けるかを決める前に、足場の位置や日程を調整できないか相談することをおすすめします。

工事をする側は、隣家の迷惑がいちばん小さくなる日時や場所、方法を選ぶことが民法で定められています。駐車場代のような費用が発生するなら、誰が負担するかまで申し入れの段階で決めておくことが重要です。

民法には、隣地の使用で損害を受けたときに償金(損失を補う金銭)を請求できる定めがあります。自分が工事を頼む側になるときも、隣家へ事前に知らせ、日程と範囲を伝えましょう。

参考:民法等一部改正法・相続土地国庫帰属法の概要(法務省)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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