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「築18年で内見1回なら…建物状況調査は入れて」忠告を無視した結果→入居1週間で30代夫婦が後悔「まさかと思って…」

  • 2026.9.10
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「子どものビー玉が、床をひとりでに転がっていったんです。急いで買った家だから、まさかと思って」

そう話すのは、この秋、転勤の内示を受けて赴任先の郊外に中古の一戸建て(築18年・3LDK・延床約98㎡/土地約135㎡、約3,000万円)を買ったIさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。

着任までの家探しは実質2週間で、学区と通勤を優先して週末の内見1回で申し込みました。媒介契約のとき、仲介の担当者からは「築18年で内見1回なら、建物状況調査(インスペクション)は入れたほうがいい。調べずに買うのはおすすめしません」と、はっきり止められていました。それでも「時間がないし、見た目もきれいだから」と、Iさんは押し切って購入したのです。

中古住宅を「プロの目」で調べる制度

建物状況調査は、国の登録講習を修了した建築士が、基礎や柱など構造耐力上主要な部分と、屋根や外壁など雨水の浸入を防ぐ部分を目視や計測で調べる制度です。2018年からは宅建業法で、仲介会社が媒介契約時にあっせんの可否を示すことが義務になりました。費用は数万円程度で、価格や補修の相談材料にできる仕組みです。

ビー玉が見つけた、内見では見えないもの

内見時は売主がまだ住んでいて、家具や荷物の入った状態でした。入居して1週間後、子どものビー玉がリビングの隅へ転がりました。水平器を当てると床にわずかな傾き。押し入れの天井には薄い雨染みも見つかりました。どちらもまさに、担当者が勧めた建物状況調査で調べる項目です。

契約書を見ると、契約不適合責任(引き渡した家が契約の内容に合わないときの売主の責任)は「引き渡しから3か月以内に通知」の特約付き。期限には間に合うものの、どこまでが売主の負担かは話し合うほかありません。

調査を「あとから」入れた

Iさんは担当者に連絡し、建物状況調査を改めて頼みました。床の傾きは基礎ではなく床下の束(床を支える短い柱)の緩みで、調整は数万円。雨染みは外壁の継ぎ目のひび割れからの浸入跡でした。

売主も気づいていなかったそうで、通知期間内に話し合い、費用を分け合う形で決着しました。担当者の言葉どおり、契約の前に調査に数万円をかけていれば、価格や補修の条件を決めてから買う道がありました。

急いで買うときほど、確かめたいこと

中古住宅は価格や立地の選択肢が広く、入居までが早いのも魅力です。期限のある住み替えでは、なおさら頼りになるでしょう。一方で、急ぐときほど建物を確かめる時間が削られるからこそ、調べる段取りを先に決めておくことが欠かせません。

・内見で分かるのは表面まで。床の傾きや雨染みの兆候は建物状況調査の対象
・調査の費用は数万円程度。急ぐときほど検討する
・契約不適合責任の通知期間は契約書で確認する(特約で短いことや、免責のこともある)

期限のある家探しほど、「調べる数万円」を予定に組み込んでみてください。

参考:既存住宅流通について(建物状況調査(インスペクション)活用に向けて)(国土交通省)


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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