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「車からキュルキュル音がするけど、エアコンかな?」40代女性がシルバーウィークの高速で直面した“異変”

  • 2026.9.11
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

元自動車整備技術アドバイザーの松尾です。

シルバーウィークの家族旅行。楽しみにしていたドライブ中、突然のトラブルに見舞われたら、せっかくの予定も台無しです。以前から付き合いのある知人のKさん(40代女性)も、家族との旅行中に「まさかこんなことになるとは思わなかった」という経験をしました。

きっかけは、高速道路を走行中に聞こえてきた小さな「キュルキュル」という音でした。

「ちょっと音がするだけ」と、そのまま高速道路を走行

Kさんが家族とシルバーウィークの旅行へ向かっていたときのことです。高速道路を走っていると、エンジンルームのあたりから「キュルキュル」という音が聞こえてきました。

「なんか音がするけど、エアコンを使っているからかな?」

車の構造には詳しくないKさんは、それほど深刻には考えなかったそうです。実際、最初は小さな音だったため、「走れなくなるような感じではないし」と、そのまま走行を続けました。ところが、しばらくすると音は少しずつ大きくなっていきます。しかも、アクセルを踏んでエンジンの回転数が上がると、「キュルキュル」という音も変化しているように感じたといいます。

「今思えば、あの時点で次のサービスエリアかパーキングエリアに入って確認すればよかったんですけど……」

後になってKさんはそう振り返っていました。

バッテリー警告灯が点灯。それでも「もう少しだけ」

さらに走行を続けていると、メーターパネルに見慣れない警告灯が点灯しました。それがバッテリーの形をした警告灯(充電警告灯)です。

Kさんは、

「バッテリーが古くなったってことかな?」

と考えました。しかし、ここには大きな誤解があります。バッテリー警告灯が点灯したからといって、「バッテリーそのものを交換すれば解決する」とは限りません。

車のバッテリー警告灯は、発電・充電システムに異常が発生している場合にも点灯します。たとえば、オルタネーターなどの発電系統に問題が起きていたり、発電機を駆動するベルトに異常があったりすると、バッテリーへ十分な電気を供給できなくなることがあります。

そして厄介なのが、異常が発生しても車がすぐには止まらないケースがあることです。Kさんの車も、警告灯が点いたあともしばらくは普通に走っていました。

「目的地まであと少しだから」

そう考えてしまったKさんは、走行を続けました。ところが次第に、車内の電装品にも変化が出始めます。そして、ついにエンジンが停止。高速道路を降りた後だったことが幸いでしたが、旅行先でレッカー搬送を依頼することになってしまいました。

「キュルキュル+警告灯」は軽視しないで

後日、車を点検すると、充電系統に異常が発生していたことが判明しました。そこで重要だったのが、最初に聞こえていた「キュルキュル」という異音です。エンジン回転に合わせて音が変化する場合、ベルト類やプーリーなど、エンジン周辺の回転部品に何らかの異常が起きている可能性があります。もちろん、「キュルキュル」という音だけで原因を断定することはできません。ベルトの状態や張り、プーリー、発電機など、実際に点検して原因を確認する必要があります。

ただし、異音に加えてバッテリー警告灯まで点灯した場合は、単なる「バッテリーが古い」という話ではない可能性があります。特に連休中は、「せっかくの旅行だから」「目的地まであと少し」と無理をしてしまいがちです。

しかし、車がまだ走っていることと、そのまま走行を続けても安全であることは別問題。発電できない状態でも、バッテリーに残っている電力がある間は車が動いてしまうことがあります。つまり、「走れているから大丈夫」と判断しているうちに、使える電力が少なくなってしまう可能性があるのです。

もし走行中に「キュルキュル」「キーキー」など、これまでになかった音に気づいたら、まず安全を確保しましょう。さらにバッテリー警告灯が点灯した場合は、できるだけ早く安全な場所へ移動し、無理に目的地まで走り続けないことが大切です。エアコンやオーディオなどの電装品を使い続ければ、バッテリーの電力をさらに消費してしまいます。また、一度エンジンを停止すると、再始動できなくなるケースも考えられます。

シルバーウィークなどの連休前には、バッテリーの状態だけでなく、充電電圧やベルト類の状態も確認しておくと安心です。「まだ走れる」は、「まだ走り続けていい」という意味ではありません。小さな異音と警告灯。その2つが重なったときこそ、「大丈夫だろう」と判断せず、安全を優先した対応を心がけたいものです。


ライター:松尾佑人(二級ガソリン自動車整備士・二級ジーゼル自動車整備士資格保有)
新卒で自動車整備業界に入り、約8年間整備に従事したのち、現役メカニックに向けた故障診断アドバイザーや各種講習の講師として活動。年間約1,200件の技術相談に対応し、電気回路や配線図の読み解きを基盤とした電子制御システムの解説を得意としている。


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