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被災車が「修理待ち中」に車検切れ…期限を過ぎたら“即違反”でNG?弁護士の見解は

  • 2026.9.11
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

車を所有している人にとって、定期的に必要となる「車検」。通常であれば有効期限に合わせて車検を受けることができますが、災害で車が被害を受けたり、整備工場が混雑していたりして、予定通りに車検を受けられないことも考えられます。事情があって車検を受けられなかった場合でも、期限を過ぎれば法律違反になってしまうのでしょうか。

今回は、車検の有効期間を過ぎてしまった場合の法的な扱いや、災害時に行われる特例措置、車検切れの車を整備工場などへ移動させる方法について、弁護士の寺林智栄さんに伺いました。

車検の期限を過ぎたら即違反?「やむを得ない事情」があった場合は

---災害や修理工場の混雑など、やむを得ない事情で車検を期限までに受けられなかった場合、期限を過ぎた時点で法律違反になるのでしょうか? また、そのまま車を運転することはできますか?

寺林智栄さん:

「車検(自動車検査証の有効期間)が期限を過ぎてしまった場合、期限を過ぎたという事実だけで直ちに法律違反になるわけではありません。

問題となるのは、車検の有効期間が切れた車を、そのまま公道で運転することです。道路運送車両法では、一定の自動車について、国の検査を受けて有効な自動車検査証の交付を受けていなければ運行できないとされています。そのため、災害によって車検を受けられなかった場合や、修理工場が混雑して予約が取れなかった場合であっても、原則として車検切れの車を公道で運転することはできません。

ただし、災害などの特別な事情がある場合には、国土交通省が地域や期間を指定して、車検の有効期間を延長する措置を講じることがあります。この場合には、指定された範囲内であれば、実際の車検証上の有効期限を過ぎていても運行できる場合があります。

したがって、『災害や工場の混雑で車検を受けられなかったから、期限を過ぎても運転してよい』ということにはなりません。まず国土交通省による有効期間の延長措置が適用されていないかを確認し、適用がなければ、車検を受けるために必要な手続きを取った上で運行することが必要です」

災害なら車検の期限が延びる?特例措置が適用される条件

---地震や大雨などの災害によって車検を受けることが難しい場合、車検の有効期間が延長される制度はあるのでしょうか? また、どのような場合に適用されますか?

寺林智栄さん:

「災害などのやむを得ない事情によって車検を期限までに受けられない場合、先ほども述べたように、国土交通省が自動車検査証の有効期間を延長する特例措置を講じることがあります。

例えば、地震や大雨、台風などの大規模な災害が発生し、被災地域では車検を受けることが困難になった場合、国土交通省が対象地域や対象となる車両、延長される期限を定めて、有効期間を一定期間延長することがあります。過去にも、災害の発生に応じてこうした措置が実施されています。

ただし、災害が起きれば自動的に車検の期限が延長されるわけではありません。延長措置の対象となる地域や車両、延長期間などは、その都度、国土交通省が定めます。また、単に『修理工場が混雑していて予約が取れなかった』といった事情だけでは、通常、このような特例の対象にはなりません。

そのため、災害によって車検を受けられなかった場合には、『事情があるから大丈夫』と自己判断するのではなく、国土交通省や運輸支局の発表を確認することが重要です。延長措置の対象となっていれば、延長後の期限までに車検を受ければよいことになります。

なお、車検の有効期間が延長された場合でも、自賠責保険については別途確認が必要となることがあります。車検だけでなく、自賠責保険の有効期間についても忘れずに確認しましょう」

車検切れに気付いたら?整備工場まで「そのまま運転」はできない

---すでに車検が切れてしまった車を、車検や整備のために工場まで移動させたい場合、どのような方法がありますか?

寺林智栄さん:

「車検の有効期間が切れてしまった車を、そのまま公道を走行して整備工場や車検場へ持ち込むことはできません。車検切れの車を運転して公道を走行すると、道路運送車両法違反となる可能性があります。

車検を受けるために車を移動させる必要がある場合には、一般的には、『臨時運行許可(仮ナンバー)』を取得する方法があります。市区町村などに申請して臨時運行許可を受け、必要な自賠責保険が有効であることなどの条件を満たせば、車検や整備など一定の目的に限って、決められた経路・期間で車を運行することができます。

ただし、仮ナンバーがあれば自由に車を運転できるわけではありません。申請時に定めた目的や経路、期間などを守る必要があります。また、自賠責保険が切れている場合には、まず自賠責保険の手続きを行わなければなりません。

もう一つの方法は、積載車などを利用して、車そのものを運搬することです。この方法であれば、車検切れの車を自ら公道で運転する必要がありません。

したがって、車検が切れてしまったことに気付いたら、『とりあえず整備工場まで運転していく』のではなく、仮ナンバーを取得するか、積載車を利用するなど、適法な方法で車を移動させることが重要です」

車検が切れただけで違反ではないものの、公道での運転には注意

車検の有効期間を過ぎたことだけで、直ちに法律違反になるわけではありません。ただし、原則として、車検切れの車をそのまま公道で運転することはできないとのことです。

災害などが発生した際には、国土交通省によって車検の有効期間が延長されることもありますが、災害が起きれば自動的に適用されるわけではありません。対象となる地域や車両、期間が定められるため、国土交通省や運輸支局からの情報を確認することが重要です。

また、すでに車検が切れてしまった場合には、「整備工場までなら大丈夫」と自己判断して運転せず、臨時運行許可(仮ナンバー)を取得したり、積載車を利用したりするなど、適切な方法で車を移動させるようにしましょう。


監修者:寺林智栄

2007年弁護士登録。札幌弁護士会。てらばやし法律事務所。2013年頃よりネット上で法律記事の執筆・監修を開始。Yahoo!トピックスで複数回1位獲得。読む方にとってわかりやすい解説を心がけています。


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