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次長課長・河本と同級生、人気俳優「ジョー君」とは?19年ぶりの再会→監督と主演になった“正反対の2人”

  • 2026.10.1
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河本準一-2006年12月撮影(C)SANKEI

20年前の2006年9月、俳優・オダギリジョーが主演を務めた映画『パビリオン山椒魚』のテレビCMから、聞き覚えのある声が響いた。声の主は、お笑いコンビ・次長課長の河本準一。公開直前のスポットCMで、ナレーションとして吹き込まれたものだった。

飛ぶ鳥を落とす勢いだった主演俳優の映画に、お笑い芸人のナレーション。一見すると、話題作りのキャスティングにも思える。だが、この二人には特別な縁があった。河本とオダギリは、岡山県の小学校で同じ教室に通った同級生だったのだ。

CMの中で、河本は「サイコー」というセリフを口にする。この一言について、河本は当時「彼の本当の姿を知っているぼくだからいえるんです」とコメントを寄せていた。

単に旧友の晴れ舞台に声を貸した、という軽さではない。自分だけが知る少年の日の記憶ごと背負ってマイクの前に立ったような、確信に満ちた言葉だった。

モテの座を奪ったクールな転校生

二人の出会いは小学3年生のときに遡る。同じクラスに数カ月早く転校してきていた河本は、後からやってきたオダギリの案内役になった。

クールであまりはしゃがないオダギリと、その逆の河本。性格はまるで正反対だったが、二人は本当に仲のよい同級生だった。2006年のコメントで、河本は自分を当時のオダギリの恩人だと言い、モテの座は彼に奪われたけど、と付け足している。

やがて大人になり、それぞれの道に進んだ二人は、芸能界で19年ぶりの再会を果たす。あの『パビリオン山椒魚』のCMナレーションは、その再会の先に実現した仕事だった。

かつて転校してきたばかりのオダギリを案内した河本。20年前のCMで彼が担ったのも、あの頃と重なる役回りだったのかもしれない。今度はオダギリが主演した映画の世界へ、テレビの前の視聴者たちを案内する役だったのだから。

夏に撮られた幻の桜の映画

2006年当時の河本は、コンビの枠を飛び越えて活躍の場を広げていた。ドラマ『14才の母』(日本テレビ系)に出演し、12月には恋愛ドラマ『笑える恋はしたくない』(TBS系)で南海キャンディーズのしずちゃん(山崎静代)とダブル主演。ケーキ店の店長兼パティシエ役に挑み、恋愛ドラマの相手役について「まともな女優さんが良かったな」と苦笑いしていた。

そんな日々の裏で、もう一つの映画プロジェクトが動いていた。オダギリがメガホンを執り、河本が主演を務める映画『さくらな人たち』である。当時、河本はこの映画が製作中だと明かしたうえで、そのうち自分と彼の子どものころからをぜひ映画にしてほしいと夢を語っていた。

当初2007年完成予定と報じられた同作が、ついに観客の前に姿を現したのは2009年1月。舞台は日本ではなく、オランダのロッテルダム国際映画祭だった。オダギリは本名の「小田切譲」名義で、監督・脚本・撮影・編集・音楽を担当した。俳優業の合間に2年以上を費やした作品である。

河本が演じたのは、主人公の剛史。入院中の祖父のもとに毎日のように届く差出人不明の桜の絵はがきが気になり、その桜の場所を知っているというタクシー運転手・ジャックと旅に出るロードムービーだ。

22時からのレイトショーにもかかわらず、約250席のチケットは売り切れた。しかし、シュールなオダギリワールド全開の作風に、上映途中で席を立つ観客も出るなど、評価は両極端に分かれる。

客席から、本物の桜が出てこない、撮影時期を間違えたのではないかと率直な質問が飛ぶと、オダギリは脚本の段階から桜を出す予定はなかったと返し、確かに撮影は夏だったと明かして会場を笑いに包んだ。上映後には、途中で帰った人たちより最後まで残ってくれた人たちの方が多かったので良かったと、ホッとした表情を浮かべていた。日本では同年4月に公開された。

「オダギリ組にほぼ全部出てる」深まるクリエイティブな絆

その後も、オダギリが監督を務める作品に河本の名前が並ぶ。2019年にオダギリが長編劇映画としてメガホンを執った『ある船頭の話』にも、河本は出演している。

2021年1月には、オダギリの故郷である岡山県津山市で開催された「第1回津山国際環境映画祭」にて、『ある船頭の話』と『さくらな人たち』が上映された。会場に駆けつけた河本は、新型コロナ対策のためリモート参加となったオダギリとトークを交わした。

さらに2022年、オダギリが脚本・演出を手がけたドラマ『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』シーズン2(NHK)にも、河本は追加キャストとして名を連ねる。このとき河本が寄せたコメントは、書き出しが秀逸だった。「オダギリ組にほぼ全部出てる河本準一です!」と名乗っている。

撮影現場で演者に気を配るオダギリを見て、河本は大人だなぁと感じている。一方のオダギリも、追加出演者たちを、いい肉が手に入って身内だけでBBQを開こうと思ったとき、せっかくだから誘いたくなる好きな人たちだとたとえた。

小学3年生の教室では、河本が新入りのオダギリを迎え入れた。大人になったいま、オダギリが作り上げるクリエイティブの現場へ、河本が招かれていく。二人の関係は、形を変えながらも鮮やかに続いていた。

変わらない「ジョー君」という距離感

2025年12月、河本は自身のInstagramに、オダギリにもたれかかってピースポーズをした密着ショットを投稿した。ずっと心配してくれていた優しいジョー君と会えてホッとした、笑い合って話せて良かったと、飾らない言葉がつづられていた。

2022年のコメントは「ありがとう。ジョー君」と結ばれ、2025年の投稿でも変わらず「ジョー君」と呼んでいる。教室で案内役を務めたあの日から、もう何十年もの月日が流れた。同級生はいまや人気俳優であり、映画監督でもある。それでも河本にとって、彼はいつまでもあの教室で出会った「ジョー君」のままなのだろう。

20年前に河本がCMで口にした「サイコー」は、テレビの前の視聴者に向けたセールストークであると同時に、誰よりも友の本当の姿を知る男からのエールだったのだと思う。


※記事は執筆時点の情報です

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