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かつて『花男』で“道明寺の婚約者”を演じた美女。女優・モデル・声優を掛け持ちした21歳→“4児の母”になった現在

  • 2026.10.1
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2006年7月、AMO'S STYLE「2006夢見るブラキャンペーン」イメージキャラクター発表会見に出席した加藤夏希(C)SANKEI

20年前の2006年9月、都内で『第1回ブラウン・パーフェクト・バランス・マン表彰式』なるイベントが開催された。

目的達成に向けてバランスよく努力し、活躍している人を表彰するという趣旨の賞である。その記念すべき第1回でプレゼンターを務めたのが、当時21歳の加藤夏希だった。その日のニュースには、「加藤夏希、藤田社長をベタ褒め!?」という見出しが躍った。

彼女が「魅力的」と賛辞を贈った相手は、サイバーエージェントの藤田晋社長(当時)。あろうことか同じ式で、自らの私生活の“アンバランス”な部分をぶっちゃけたのだ。完璧なバランスを称える晴れ舞台で起きた、クスッと笑える小さなハプニング。だが、当時の加藤夏希自身の過密スケジュールを振り返ってみると、この発言にはどこか別の味わいが浮かび上がってくる。

告白した社長に飛んだストレートな賛辞

この日、栄えある賞を手にしたのは3人。千葉ロッテマリーンズのボビー・バレンタイン監督(当時)は心身のバランスへの配慮を語り、公開中の映画『アキハバラ@DEEP』の原作者である石田衣良は、一度限界を知らないと本当のバランスは取れないと作家らしい哲学を披露した。

そんななか、異彩を放ったのが藤田社長だった。「パーフェクト・バランス・マン」に選ばれながら、「私生活は……」と自らアンバランスぶりを告白。その上で、仕事において目標を定める重要性を語った。

プレゼンターの加藤は、「プライベート、仕事両方バランスを取れている人は、自然と磨かれると思う」と前置きしつつ、藤田社長については「とても魅力的ですね」と、はにかみながら言葉を重ねた。藤田社長自身もブログに、全然パーフェクトではなくお恥ずかしいけれど、受賞はうれしかったと書いている。それにしても、実にてらいのないストレートな褒め言葉だった。

多才で多忙な時期

だが、「バランス」を語っていた21歳の加藤夏希自身は、どうだったのだろうか。実のところ、当時の彼女の仕事の量は「バランス」どころではなかった。

この表彰式の少し前には、3年にわたってレギュラーを務めた『ココリコミラクルタイプ』(フジテレビ系)を卒業したばかり。ファッション界に目を向ければ、雑誌『JJ』のレギュラーモデルを務めながら、同じ9月には「東京ガールズコレクション」や「神戸コレクション」のランウェイも歩いていた。

それだけではない。NHK教育(現・Eテレ)『NHKみんなの手話』で生徒兼司会を務める傍ら、アニメ『おねがいマイメロディ』では夢野奏の声を担当していた。さらに表彰式の翌月には、冠ラジオ番組『加藤夏希のニュータイプ英単語』(TBSラジオ)までスタートしている。

女優、モデル、声優、バラエティ、司会、ラジオパーソナリティと、ジャンルの垣根を軽々と飛び越え、あらゆる現場を駆け回っていた21歳。仕事とプライベートの天秤にかけるなら、どう見ても仕事側に針が振り切れていたはずだ。

蘭ちゃんの髪型でこぼれた「お酒」

表彰式から約4か月後には、ドラマ『花より男子2(リターンズ)』(TBS系)の放送が始まり、加藤は道明寺司(松本潤)の婚約者・大河原滋を演じた。

そんな多忙を極めるなか、彼女の“素の魅力”が炸裂する場面があった。2007年春、DVD『名探偵コナン MAGIC FILE』の商品説明会に登場したときのことだ。

会場に現れた加藤は、毛利蘭のヘアスタイルだった。とびっきりの笑顔で「毛利蘭です!」と名乗り、大のゲーム好きであることも明かした。

ところが、トークが私生活に及んだ瞬間、うっかり本音がこぼれてしまう。女子高生の蘭になりきっている最中に「お酒飲みますよ~。あ、今日は蘭ちゃんでした」と大人の私生活を口にし、自分でツッコミを入れて苦笑いを浮かべると、会場は沸いた。

アンバランスさを隠せない社長を「魅力的」と称えた彼女もまた、完璧に繕うことのできない、愛すべき“隙”を持った人だったように見える。

ゲームと育児と料理と

その後、加藤夏希は2014年に結婚し、現在では4児の母となった。自身のYouTubeチャンネル「なついろ」を覗けば、大好きなゲームの実況と、育児や料理の動画が並んでいる。

もちろん、表現者としての歩みも止まってはいない。2026年11月6日公開の主演映画『冤罪のつくりかた』では、如月美麗を演じる。その前の2026年10月には、舞台『春よ来い、マジで来い』で主人公の元恋人・ユキ役として舞台に立つ。

20年前の表彰式で、私生活のアンバランスを包み隠さず認めた社長を魅力的だと称賛した21歳の加藤夏希。そして自らもまた、蘭ちゃんの髪型でお酒の話をしてしまい、苦笑いを浮かべていた彼女。

完璧に整ったバランスよりも、凸凹な素の自分を隠さずに笑い飛ばせること。21歳の彼女が口にした「魅力的」は、そちらを向いていたように思える。


※記事は執筆時点の情報です

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