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修学旅行のバスで「先生!泣いてます!」突然泣き出す女子生徒→トラブルかと思いきや…“予想外の理由”に車内の空気が一変

  • 2026.9.14
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

元バスガイドのくろちびです。

修学旅行のバス車内では、生徒たちが楽しく過ごせるように様子を見ながらご案内することを心がけていました。

特に高速道路では、安全のためバスガイドも席に着いて案内します。そのため、車内全体を常に見渡せるわけではありません。

マイクで話しながら、ときどき振り返って生徒たちの様子を確認する。そんな限られた視界の中でも、ただ用意した内容を話すだけではなく、そのときの車内の雰囲気に合わせてご案内することを意識していました。

これは数年前、今は解散してしまったとあるアイドルが活動していた頃の出来事です。

今回は、そんな修学旅行中に、突然女子生徒が泣き出したときの出来事です。

「先生!〇〇ちゃんが泣いてます!」

ある日、バスで高速道路を走行中、後ろのほうの席にいた女子生徒が突然泣き出しました。

すると、近くにいた友達が、

「先生!〇〇ちゃんが泣いてます!」

と、大きな声で先生に知らせました。

突然のことに先生も大慌てです。

私も前方の席に座って案内をしていたため、泣いている生徒の姿をはっきり確認することができませんでした。

「体調が悪いのかな?」
「何か友達同士でトラブルがあったのかな?」

いろいろな可能性が頭をよぎりました。

先生が生徒のところへ行き、声をかけました。

「どうしたの?」

すると本人は、

「違うんです……」

と、泣きながら答えました。

しかし、泣いているため、なかなかうまく話すことができませんでした。

車内も一瞬、心配そうな空気になりました。

「泣いている=悲しい」とは限らない

私は、その生徒の様子を見ながら、まずは落ち着いて話を聞くことにしました。

少しずつ話を聞いていくと、意外な理由が分かりました。

バスが近くを通った際、私が案内した京セラドーム大阪を見たことで、その日に大好きなアイドルのライブが開催されていることを思い出したというのです。

「今日、ここにいるのに……会いたい」

そんなファンとしての気持ちが一気に込み上げてきて、感極まって泣いてしまったのでした。

「そういうことだったのか」

深刻なトラブルではなかったことが分かり、先生も私も、そして周囲の生徒たちもほっとしました。

何より、車内に「なんや、そんなことで泣いてるん?」と馬鹿にするような空気がなかったことにも安心しました。

大好きなアイドルがすぐ近くにいる場所に、自分も今いる。

そう思ったら、会いたい気持ちがあふれてしまった。

そう考えると、その涙は悲しい涙というより、好きなものへの思いがあふれた涙だったのだと思います。

「泣いたこと」を気まずい思い出にしないために

ただ、ここで私はもう一つ気になったことがありました。

みんなの前で「〇〇ちゃんが泣いている」と知られてしまったことで、本人にとっては少し気まずい出来事になってしまうかもしれません。

せっかくの修学旅行です。

後になって「あのとき私、バスで泣いちゃった……」という恥ずかしい思い出として残るより、

「あのとき、みんなであのアイドルの曲を歌ったよね」

と笑って話せる思い出に変えられたらいい。

そう考えました。

そこで私は、担任の先生にこっそり、

「バスにカラオケもありますし、せっかくなので、みんなで1曲歌いませんか?」

と提案しました。

先生もその意図をくみ取ってくださり、生徒たちに向かって自然に、

「みんなで歌おうか~!」

と声をかけてくれました。

すると車内の雰囲気も一気に明るくなり、みんなで、そのアイドルの人気曲を歌うことになりました。

泣いていた生徒にとっても、さっきまでの出来事を引きずることなく、みんなと一緒に歌った楽しい時間に変わっていきました。

涙の理由を知って、できることを考える

この経験から感じたのは、「泣いている=悲しいことがあった」と決めつけないことの大切さです。

もちろん、修学旅行中に突然生徒が泣き出せば、体調不良や友達同士のトラブルなど、さまざまな可能性を考える必要があります。

だからこそ、まずは本人の気持ちをゆっくり聞く。

今回も、事情を知らないまま「どうしたの?」「何があったの?」と急かしてしまえば、本人はさらに話しづらくなっていたかもしれません。

そして、事情が分かった後は、その場を収めるだけではなく、「この後、この子はどんな気持ちで旅行を続けるのだろう」と考えることも大切だと感じました。

泣いてしまったことを恥ずかしい思い出にするのではなく、みんなで歌った楽しい思い出に変える。

そんな小さな工夫も、修学旅行という一度きりの時間を預かる側には必要なのだと思った出来事でした。

楽しい思い出に変える

修学旅行中は、普段なら起こらないような出来事も起こります。

そんなとき、目の前の出来事だけを見て判断するのではなく、「この子は今、どんな気持ちなんだろう」と考えてみる。

そして、できることがあるなら、その後の時間まで少しでも楽しくなるように工夫する。

今回の涙が、本人にとって「恥ずかしかった出来事」ではなく、「みんなで歌った楽しい思い出」として残っていたらいいなと思います。


ライター:くろちび

プロフィール
 バスガイドとして4年間、奈良・京都・大阪を中心に観光案内を担当。修学旅行や団体旅行、高齢者ツアーなど、さまざまなお客様をご案内してきました。現場で実際に経験した出来事や、旅行の裏側、接客を通して学んだことを、実体験をもとにお伝えしています。


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