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健康診断で「腎臓に腫瘍がある」と指摘された40代女性→「がんなのでは…」急いで受診するが?病院で告げられた“意外な事実”

  • 2026.9.15
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。泌尿器科専門医の小内友紀子です。

健康診断や人間ドックで「腎臓に腫瘍がある」と言われたら、多くの方が真っ先に思い浮かべるのは「がん」ではないでしょうか。実際、腎臓にできる悪性腫瘍としては腎臓がんがよく知られています。でも、腎臓にできる腫瘍がすべて悪性というわけではありません。

今回は、健診の超音波検査で腎臓の腫瘍を指摘され、精密検査の結果、良性の「血管筋脂肪腫」と診断されたNさんのエピソードをご紹介します。

※本エピソードは複数の患者さんの経験をもとに再構成した架空のものです。特定の個人を指すものではありません。

健診で告げられた「腎臓に腫瘍」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

40歳の女性、Nさんは、職場の健康診断で受けた超音波検査で、「腎臓に腫瘍を認めます」と指摘されました。

これまで痛みや血尿といった自覚症状は特になく、思いがけない指摘に「もしかして、がんなのでは」と大きな不安を感じたといいます。

「手術になるかもしれない」と覚悟を決め、紹介状を持って泌尿器科の病院を受診されました。受診までの数日間は、インターネットで腎臓がんについて調べては眠れない夜を過ごした、とNさんは振り返っておられます。

CTでわかった「脂肪の成分」

病院では改めて超音波検査に加えて、CT検査(コンピューター断層撮影)が行われました。

その結果、Nさんの腎臓にある腫瘍には脂肪の成分がはっきりと確認されました。実は、この「脂肪成分がある」という所見こそが、良性腫瘍と診断する上での重要な手がかりになります。

「血管筋脂肪腫」という良性腫瘍

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

Nさんが診断されたのは、「血管筋脂肪腫(けっかんきんしぼうしゅ)」という、腎臓にできる代表的な良性腫瘍でした。血管筋脂肪腫は、その名の通り、血管・筋肉・脂肪という3つの組織が混ざり合ってできる腫瘍です。超音波検査で脂肪の成分がはっきりと確認できる場合には、その所見だけで血管筋脂肪腫と診断できることも少なくありません。

一方で、腫瘍の中に脂肪の成分が少なく、筋肉の成分が多いタイプの場合には、超音波やCTだけでは腎臓がんとの区別が難しいことがあります。そのような場合には、確定診断や治療を兼ねて手術が検討されることもあります。血管筋脂肪腫自体は良性の腫瘍であり、悪性化する(がん化する)ことは基本的にないと考えられています。しかし、まれに腫瘍が大きくなると、腫瘍内の血管が破れて出血を起こすことがあるため、大きさによっては経過観察や治療が必要になる場合があります。

つまり、「腫瘍」と一言でいっても、脂肪の見え方や大きさによって、そのまま様子を見てよいものから手術が必要なものまで幅があるということです。自己判断で良性・悪性を決めつけず、画像検査の結果をもとに医師と相談しながら方針を決めていくことが大切です。

手術をせず、経過観察に

Nさんの場合、CT検査で脂肪の成分がはっきりと確認できたため、手術をせずに経過を見ていくことになりました。診断結果を聞いたNさんは、「がんかもしれないと思っていたので、手術をしなくていいと聞いてほっとしました」と、安堵の表情を見せておられました。

現在は、半年から1年に一度程度の頻度で画像検査を受け、腫瘍の大きさに変化がないかを確認しながら、これまで通りの生活を送っておられます。医師からは「大きさが急に変わるようなことがなければ、過度に心配する必要はありません」と説明を受けたそうです。

「腎臓に腫瘍」と言われても、慌てずまず検査を

「腫瘍」という言葉を聞くと、多くの方が「がん」を連想し、不安になってしまうものです。

しかし、腎臓にできる腫瘍の中には、Nさんのように治療を必要としない良性のものもあります。健診などで腎臓の腫瘍を指摘された場合は、自己判断で悲観したり放置したりせず、まずは泌尿器科でCTなどの精密検査を受け、良性か悪性かを見極めてもらうことが大切です。

「腫瘍」という言葉の重さに、振り回されすぎないようにしましょう。


執筆・監修:小内友紀子
公益財団法人ときわ会 常磐病院 泌尿器科 診療副部長、東京女子医科大学病院 泌尿器科 講師、医師、医学博士 女性泌尿器科医師として、普段は女性によくある尿もれから、男性の前立腺癌をはじめとする泌尿器科領域の癌診療まで診療しております。 【資格】医師 / 医学博士 / 泌尿器科専門医・指導医 / 透析医学会専門医・指導医 / 排尿機能学会専門医

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