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手術で“14日間”入院した50代夫→「高額療養費があるから大丈夫」安心していたが…退院後、支出を確認して妻が“青ざめたワケ”

  • 2026.9.9
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

大学卒業後、国内生命保険会社に35年間勤務し、営業・営業所長・企画・事務など幅広い業務を経験してきたファイナンシャルプランナーの「あしふみ」です。

「高額療養費制度があるのだから、入院してもそれほど大きなお金は必要ない」——そう考えている方は少なくないはずです。

しかし、高額療養費の対象となるのは、あくまで健康保険が適用される医療費に限られます。入院すると、それ以外にもさまざまな支出が発生し、結果として「制度があるから安心」という思い込みが家計を圧迫することがあります。

今回は、58歳の夫が14日間入院し、56歳の妻が退院後に約30万円の支出を知って驚いた事例を紹介します。なお、個人が特定されないよう、内容の一部を変更しています。

「高額療養費があるから大丈夫」と安心していたAさん

Aさん(仮名・56歳)は、58歳の夫と2人暮らしをしています。

ある日、夫が突然体調を崩し、検査の結果、手術を受けて14日間入院することになりました。医療費の総額は約180万円。Aさんは最初、その金額の大きさに驚きましたが、

「全部を自分たちで払うわけではないし、医療保険にも入っているから大丈夫」

と、高額療養費制度と民間の医療保険があることを理由に、それほど深刻には受け止めていませんでした。

実際、今回のケースでは高額療養費制度を利用したことで、健康保険が適用される医療費の自己負担は約9万円にまで抑えられました。制度自体は、確かに大きな効果を発揮したのです。

ところが、退院後に支出を整理してみると、Aさんが想定していなかった費用がいくつも積み重なっていることに気づきました。

見落としがちな「差額ベッド代」——それだけで16万8000円

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

最も大きかったのが、差額ベッド代です。

夫は入院中、1日1万2000円の個室を14日間利用しました。合計すると16万8000円にのぼります。

さらに、入院中の食事代、病院までの交通費、パジャマや日用品の購入費などで約4万円がかかりました。

これらに医療費の自己負担分(約9万円)を加えると、支出の合計は約29万8000円。当初「大丈夫」と思っていた金額を、大きく上回る結果となりました。

「高額療養費があるから、お金がこんなにかかるとは思っていませんでした」

青ざめた様子のAさん。

ここで押さえておきたいのが、高額療養費制度の仕組みです。この制度は、保険診療の自己負担額が一定の上限を超えた場合に、その超過分が支給されるというもの。一方で、差額ベッド代、入院中の食事代、交通費、日用品費などは、原則として対象外です。

つまり、「高額療養費がある=入院にかかるすべての費用に上限がある」わけではないという点を、まず理解しておく必要があります。

医療保険から7万円受け取っても、家計からの持ち出しは約23万円

夫は民間の医療保険にも加入しており、今回の入院で7万円の給付金を受け取りました。

支出総額の約29万8000円からこの7万円を差し引くと、家計から実際に持ち出した金額は約22万8000円。およそ23万円です。

Aさんは、

「医療保険もあるし、高額療養費もある。それなら貯金はそれほど必要ないと思っていました」

と話します。

ただし、ここで「医療保険に入っていれば安心」「医療保険には必ず入るべき」と結論づけるのも、また違った考え方です。

入院時に必要となる金額は、年齢、所得、入院日数、病室の種類、治療内容、加入している保険の内容によって大きく変わります。十分な預貯金があれば、あえて民間の医療保険を手厚くしないという選択肢も十分に成り立ちます。

大切なのは、公的制度・民間保険・預貯金のいずれか一つだけに頼らないことです。

入院前に確認しておきたい2つのポイント

高額療養費の自己負担上限額は、年齢や所得などによって異なります。また、医療費が高額になることがあらかじめ分かっている場合は、マイナ保険証の利用などにより、窓口での支払いを自己負担限度額までに抑えられるケースもあります。

入院が決まったら、次の2点を確認しておくことをおすすめします。

  1. 公的制度:加入している健康保険で、高額療養費の利用方法(限度額適用の手続きなど)を確認する
  2. 民間の医療保険:入院給付金は1日いくらか、一時金はあるか、何日目から対象になるかを確認する

そして、もう一つ忘れてはならないのが、入院時にすぐ使える預貯金を確保しておくことです。

「高額療養費があるから大丈夫」と思い込むのではなく、差額ベッド代や食費、交通費といった制度の対象外となる費用まで含めて、あらかじめ資金計画を立てておく。

それこそが、突然の入院が起きても家計が慌てずに済むための、本当の備えになります。


※高額療養費制度の自己負担限度額や利用方法は、年齢・所得・加入している医療保険制度などによって異なります。また、民間医療保険の給付条件も契約によって異なります。詳しくは加入している健康保険や保険会社へご確認ください。

執筆:あしふみ

大学卒業後、国内大手生命保険会社に35年間勤務。個人・法人営業、営業所長、企画・販売促進、事務部門などを経験。FP2級の知識と保険実務の経験を生かし、保険や家計に関する情報を分かりやすく伝えている。

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