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「売ったはずの物件なのに…」不動産屋の友人に実家を売却した40代男性、数ヶ月後に届いた“1通の納税通知書”に戸惑ったワケ

  • 2026.9.6
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは!税理士・元国税調査官の神崎遊です。

契約書は文字がびっしりで読むだけで大変。それでも、高額な買い物である不動産の売買契約書はじっくり読むって人は多いでしょう。
ところが、契約書に“記載がない”項目は盲点になりやすいのです。

不動産売買契約書をしっかり読んで安心していたはずが、「してやられた!」と後から歯がゆい思いをすることになった45歳の男性・Kさんの体験から、契約にあたっての注意点をお伝えします。

「空き家を売却した」と税理士に相談

Kさんが税理士事務所に来たのは、今年の3月のことです。

父から相続した空き家を不動産屋を経営している友人に売却したから、税金がどうなるか確認したいと相談に来られました。

「相続した空き家を売却しても、私の場合は特例が使えるから税金はかからないって聞いてます」

売却先の友人からあらかじめ説明を受けているので、税理士に相談に来たのはあくまで念のためだったようです。

「Kさんの場合は要件に当てはまります。特例を利用することで、売却にかかる税金はかからなそうですね」

「友人から聞いていたとおりで安心しました」と穏やかな表情をしながら帰っていくKさん。次に会うのは来年の確定申告の時期だろうなと、そのときは思っていたのですが…。

血相を変えて再来所するKさん

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

再び、Kさんと会うことになったのはわずか1か月後でした。

初めて会ったときと違い、落ち着きがなく終始戸惑った様子。

「実は固定資産税の納税通知書が届いたんですよ。売ったはずの物件なのに。12万円も!しかも、友人に聞いたら『お前が払うやつだから』って言うんです」

不動産の売買契約書に、固定資産税の支払いについて記載があったかをKさんに聞いてみたのですが、「え?いや、とくに何も書いてなかったですけど」とKさん。

今回のトラブルの原因が見えてきました。

固定資産税が課税されるのは

固定資産税は1月1日に土地や建物を所有していた人に課税されるのです。納税通知書が届く4〜6月ごろに売却して、すでに所有者でなくなっていたとしても。

そのため、不動産の売買においては引き渡し日を基準として、買主が所有する期間に相当する固定資産税を売主に支払うのが通常です。

たとえば、2月1日に不動産を引き渡したとすると、2月1日から12月31日までの11か月間は買主が所有する期間(ただし、4月1日から翌3月31日の会計年度で計算する場合もあります)

固定資産税が12万円だとすると、買主が11か月分に相当する11万円を不動産購入金額に上乗せして支払います。

トラブル防止のためにも、売買契約書に固定資産税の精算について盛り込んでおくことが多いのですが、法律上決まっていることではないので必ず契約書で確認すべき事項といえるでしょう。

契約書は“書かれていないこと”にも注意

「あいつ(友人)に上手いことやられましたよ。根は悪いやつじゃないんですけどね。使ってないからって、ゴルフクラブセットをタダでくれた理由が分かった気がします」

今後の友人関係にひびが入らないか心配していましたが、苦笑いしながら話すKさんを見ていると、よい友人関係が続きそうな気がしてほっこりしました。

契約時は契約書の内容を確認することはもちろん、契約書に盛り込むべき事項が記載されているかどうかの視点も持ちましょう。


執筆:税理士・元国税調査官 神崎遊

国税組織で12年間勤務し、法人税調査を中心に200件以上の税務調査に従事。現在は「ゆとり税務会計」を運営し、中小企業・個人事業主の税務支援を行っている。

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