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夏バテだと思ったら熱中症?実は皮膚、爪で分かるケースも…すぐに“受診すべきサイン”とは

  • 2026.8.19
夏バテと熱中症を見分けるポイントとは?(画像はイメージ)
夏バテと熱中症を見分けるポイントとは?(画像はイメージ)

夏は暑さで体力を消費しがちになるため、体の調子が悪いと感じてもただの夏バテだと思って放置してしまうケースが少なくないのではないでしょうか。しかし、夏バテだと思っていたら熱中症だったというケースもあります。

夏バテと熱中症を見分けるポイントや、見落としがちな熱中症の初期症状などについて、薬剤師の真部眞澄さんに聞きました。

「夏バテ」と「熱中症」を見分けるポイントは?

Q.「夏バテ」と「熱中症」を自分で見分けるチェックポイントはありますか。「休めば治る」と判断して良いラインと、迷わず救急車や医療機関を受診すべきラインの違いを教えてください。

真部さん「夏バテと熱中症の大きな違いは、体温調節が破綻しているかどうかという点です。

まず、比較的軽い夏バテの場合は食欲がない、だるい、疲れやすい、胃腸の不調、朝は動けないけれど休めば回復するなどの特徴があります。軽い夏バテであれば、休養や食事、睡眠をしっかり取ることで回復していくでしょう。

一方で、めまいや立ちくらみ、筋肉のけいれん、こむら返り、頭痛、吐き気などの症状がある場合は熱中症の可能性があるので注意が必要です。さらに、大量の汗が出たり、逆に汗が全く出なかったり、尿量が減ったり、高体温になったりといった、体温調節がうまくできていないことで生じる症状もあります。

自宅で休むか受診するかを判断するラインですが、意識がはっきりしていて水分を飲むことができ、涼しい場所で改善する軽度な場合は、経口補水液を摂取して自宅で休養し、様子を見ればほとんどの場合は問題ありません。日陰や冷房のある室内で、首の横や脇の下、太ももの付け根といった太い血管があるところを冷やしてください。

一方で、水分が飲めなかったり、呼びかけへの反応が鈍くてぼーっとしていたり、意識障害があってぐったりしていたり、けいれんがあったり、体温が異常に高くて38.5度以上になっていたりする場合は、速やかに医療機関を受診するか、救急要請をしてください」

高齢者や子どもの注意点とは?

Q.高齢者や子どもなど「リスクが高い層」が、一番見落としがちな熱中症の初期症状とはどのようなものですか。本人が自覚しにくい症状や、周囲の家族が「おかしい」と気付くべきサインはありますか。

真部さん「そもそも高齢者がなぜ熱中症のリスクが高いかというと、加齢によって寒さや暑さを感じにくくなっているのに加えて、トイレを気にして水分制限をしている人が多い傾向にあることが挙げられます。

また、自分では喉の渇きに気付きにくく、気付いたときには急速に脱水状態に陥っているというケースがあります。よく家の中にいて涼んでいたのに熱中症になったという高齢者の人がいますが、自力で気付きにくいことが熱中症のリスクの高さにつながっているのです。

一方で、子どもや乳幼児に関しては、大人よりも地面に近く照り返しによる影響を受けます。これによって体感温度が2度から3度高くなってしまうことで、大人よりも熱中症になりやすいといえます。

さらに、ベビーカーに乗っている乳幼児は放射熱を強く受ける、子どもや乳幼児は体温調節機能や汗をかく機能が発達途中で未熟なため体に熱がこもりやすい、といったこともリスクを高める一因です。

見落としがちな熱中症の初期症状のサインとして代表的なものは、『口が異常に乾いている』『皮膚をつまんでも3秒以上戻らない』『爪を押して赤みが戻るのに3秒以上かかる』などです。

さらに、尿も重要な判断材料です。色が濃かったり、量が少なかったり、回数が減ったりすると熱中症の初期症状かもしれません。

他にもふらつきがあったり、反応が鈍くて会話がおかしかったり、異常に汗をかいていたり、逆に暑いのに汗をかいていなかったり、水が飲めなかったりするのは熱中症が進行しているサインなので注意してください。

子どもの場合は、機嫌が悪くてぐずったり、ぼーっとしていたり、顔が赤かったり、異常に汗をかいていたりと、何となくいつもと様子が違うというのもポイントです。特に子どもは自分で『喉が渇いた』と言えないこともあるので、いかに周りの大人たちが気付けるかが重要になります。熱中症の初期症状は脱水による症状が起こりやすいため、サインを見落とさないように気を付けましょう」

「経口補水液」と「スポーツドリンク」はどう使い分ける?

Q.「経口補水液」と「スポーツドリンク」は、どのように使い分けるのが正解なのでしょうか。薬剤師としての観点で摂取方法を教えてください。

真部さん「経口補水液とスポーツドリンクは、医療用に近いものかエネルギー補給メインかという点が異なります。経口補水液は水分と、ナトリウムやカリウムなどの電解質の補給に特化しており、飲む点滴と呼ばれています。一方、スポーツドリンクは水分と糖分の補給に特化しているのが特徴です。

飲むタイミングの使い分けについては、大人と子どもで異なります。元気な大人が軽く汗をかいた時や運動時、屋外活動をする時などに、熱中症予防で飲む場合はスポーツドリンクで構いません。しかし、糖分過多に注意が必要なので、飲み過ぎないようにしてください。

ちなみに、おすすめの飲み方は5~15度のスポーツドリンクを運動前に飲むことです。深部体温の急激な上昇は熱中症のリスクを高めるため、冷たいスポーツドリンクであらかじめ体内を冷やしておくことで、深部体温の上昇を緩やかにして熱中症を予防する効果が期待できます。

一方で、だるさや頭痛、めまい、食欲低下などの異変を感じたときには経口補水液を飲んでください。普段はしょっぱさが強くて飲みづらいですが、脱水を起こしているときは体が必要としているのでおいしく感じます。もし、どうしてもスポーツドリンクしかない場合は塩分入りのものを選ぶと良いでしょう。

次に子どもについてですが、元気な子どもの場合、スポーツドリンクを頻繁に飲ませると糖分過多になってしまいます。子ども向けのイオン水などもありますが、スポーツドリンク自体は自分で飲む量を調整できる年齢になってからで、基本的には運動するときに飲むものと考えていただきたいです。

乳幼児や小さな子どもに親が与えてしまうと、飲み過ぎによって下痢をしたり、食欲が低下して食事を取れなくなってしまったりすることがあります。

そのため、小さな子どもが普段飲む場合は水や麦茶がおすすめです。麦茶はミネラルを含んでおり、カフェインもお茶の中でも少なめで、体にも大きな影響は少ないと思います。ただし、お子さんも熱中症の症状がみられるなど、何らかの異変を感じたときには経口補水液を飲ませてください。必ず子どもに飲ませる際の量について記載があるため、その指示に従っていただければと思います。

また、最近は子ども用の経口補水液も多く販売されているため、それを飲ませてあげるのもよいでしょう。もし味が嫌いで飲めない場合は、電解質を含む麦茶を飲むのでも構いません。それでも回復しない場合は、医療機関を受診してください。

なお、高血圧の人や腎機能が低下している人、食事制限を受けている人などがスポーツドリンクや経口補水液を飲む場合は、医師に相談してから飲んでいただければと思います」

オトナンサー編集部

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