1. トップ
  2. そのイライラや不安、脳の疲れが原因かも!専門家が教える「自分の機嫌を取る方法」

そのイライラや不安、脳の疲れが原因かも!専門家が教える「自分の機嫌を取る方法」

  • 2026.8.17

そのイライラや不安、脳の疲れが原因かも!専門家が教える「自分の機嫌を取る方法」

あの人っていつも前向きでハツラツとしていて、輝いて見える。それに引き換え、自分はちょっとしたことでイライラしたり、悩みや不安に振り回されたり……。ふと鏡を見ると、口角が下がって眉間にシワ!不機嫌が顔に張りついてる!? そう感じている人は、もしかして脳が疲れているのかもしれません。心理カウンセラー・大嶋信頼さんによれば、脳が休むことなくフル回転し、ヒートアップすることが、様々なストレスや不安につながるとのこと。では、そんなお疲れ脳を癒し、機嫌よく毎日を送るための心得とは⁉

お話を伺ったのは
大嶋信頼さん 心理カウンセラー

おおしま・のぶより●株式会社インサイト・カウンセリング代表取締役。米国・アズベリー大学心理学部心理学科卒業。臨床経験延べ10万件以上を誇る、日本の心理カウンセリングの第一人者。著書に『脳を休めればすべてがうまく回り出す きっと、あなたもストレス・不安・疲れから自由になれる!』『「いつも誰かに振り回される」が一瞬で変わる方法』など多数。

怒りや悩みがループするのは脳が疲れているから

「あの人の言動が許せない」「何であんなこと言っちゃったんだろう」……同じ考えが頭の中をグルグル回り続けて、どうしてもやめられない。このとき脳の中では何が起こっているのだろうか。

「これは脳の『前帯状皮質』という部分が活発になりすぎて、行動や思考のスイッチを切れなくなっている状態です。『前帯状皮質』はもともと“行動の切り替え”をつかさどる部位なので、ここが興奮しすぎるとブレーキがきかなくなる。『やめなければ』と思えば思うほど、逆にやめられなくなるという悪循環が起こるんです」

たまには考え事をやめて頭を休めようと、何も考えずにボーッとしていたら、いつのまにか頭の中は怒りや後悔、不安でいっぱいに。こんなときは脳の「後帯状皮質」が活発になりすぎているという。

「ボーッとしていると思っているときも、実は過去や未来に思いを巡らせて、自分で作り上げた“白昼夢”に入っているんです。この状態では『後帯状皮質』が暴走して、脳がものすごいエネルギーを消費しています。ぼんやりしているように見えるけれど、実際には脳をフル稼働させているから、『何もしていないのに疲れた!』と感じてしまうんですね」

「お疲れ脳」に関わる脳の部位と働き

やめてもやめなくてもいいと思うと脳が休まる

思い詰めていてもボーッとしていても、脳は興奮して疲れを引き起こし、やめたいことがやめられなくなってしまう。このサイクルを断ち切る方法はあるのだろうか。

「前帯状皮質と後帯状皮質が活発になりすぎるのは、『やめなければならない』と思い込んでいるせいで、脳のブレーキ役となる神経細胞(抑制性ニューロン)が働かなくなるのが原因です。このブレーキを発動させる方法は、『やめてもいいし、やめなくてもいい』『これをしてもいいし、しなくてもいい』という二つの選択肢を思い浮かべること。これだけで興奮していた前帯状皮質と後帯状皮質が休まり、やめたいのにやめられない負のループから抜け出すことができます」

「してもいいし、しなくてもいい」。二つの選択肢を意識することで、眠っていた抑制性ニューロンが動き出し、興奮していた脳を鎮めてくれる。「どちらでも大丈夫」という安全信号が脳に届いたとき、自然にスイッチが切れるのだという。

年齢を重ねた責任感ある人ほど、脳は疲れやすい

脳が疲れやすい人には共通したパターンも。「すべて自分で背負わなければ」という思い込みが強い人や、周囲の期待に応えるために、自分が心地いいと感じること=「脳へのごほうび」を後回しにしてしまう人などが当てはまるそう。

「さらに、この傾向は年齢を重ねるごとに高まっていきます。脳には『GABA受容体』という、興奮を抑えるブレーキ役の受容体があるのですが、怒りや後悔などで自分に罰を与え続けていると、このGABA受容体が少しずつ減少していき、脳が慢性的な興奮状態になってしまうんです。
特にゆうゆう世代には、家族や職場のために『すべて背負う』側で生きてきた方が多いはず。だからこそ今、罰ではなくごほうびを意識的に選ぶことが、減っていくGABA受容体を復活させ、疲れにくい脳を取り戻すことにつながります」

GABA受容体が復活すると、脳の中で情報がスムーズに流れるようになるというお話も。こうなると物事の美しさや面白さをキャッチする感度が上がり、表情が柔らかくなって目に光が戻ってくるという。

「輝いて見える人は、たいてい脳の情報の流れがスムーズな状態にあるんですよ。美しさは外から塗り重ねるものではなく、脳の内側からにじみ出てくるもの。『これが好き』『これが心地いい』というごほうびを選ぶ習慣が、その人自身の輝きを取り戻させてくれるのです」

脳をコントロールするための心得3つ

脳の状態を自覚する

くよくよ・イライラするのは性格のせいではなく、脳が興奮しすぎているから。考えないようにしようと思い詰めると、かえってやめられなくなる。これを自覚することが脳の癒やしへの第一歩。

自分をほめる

「こうしてしまう自分はダメだ」とダメ出しするのではなく、できていることに注目して自分をほめてあげる。それが脳へのごほうびとなり、暴走する脳へのブレーキがききやすくなる。

一つの思い込みにとらわれない

やめたいことをやめられないときは「こうしてもいい」「こうしなくてもいい」という二つの選択肢を思い浮かべる。これで脳に「どちらでも大丈夫」という安全信号が届き、脳の疲れが癒やされる。



>>元自衛官「仕事中におかしくなりそのまま病院→休職」豆腐メンタルを鋼の心に育てる意外なルーティンの正体

>>「心に”不機嫌さん”はいてもいい」SNSフォロワー12万人 精神科医・藤野智哉さんのアドバイス

>>自分で自分の機嫌を整える6つのヒント。小林弘幸先生に教わる【自律神経】との付き合い方

取材・文/後藤由里子
イラスト/栗谷川 玲

※この記事は「ゆうゆう」2026年夏号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ